第81話 さて、どうする? 

 さて、どうする?

 某歴史ゲームなら、間違いなくセーブして一休みするか、じっくり今後の戦略を立てるところだ。

 まず相神浦松浦あいこうのうらまつら家だが、爺様はまだ隠居しておらず、有馬からの養子、盛がいる。平戸の力を弱め、嫡男と次男は幽閉している。攻め込むはずの平戸を俺がつぶしたから、変化はないだろう。

 志佐・伊万里は単独で攻めては来ないだろうし、連合してきたとしても、小佐々と相神浦連合で対処可能だ。波多はどうだ?

 東から龍造寺の圧力があるから、俺たちとの不可侵を破ってまで南下するリスクは犯さないだろう。

 爺さんが、どう動くかなんだよな。いや、それならむしろ隠居してからが問題か? 跡継の盛は13歳でまだ若い。

 衰退したとはいえ、相神浦、そして有馬の再興を願うかもしれない。そうなった時にあいつはどう動く? ……いや、まだ先の話だろう。大丈夫だ。

 それから五島の宇久は……今のところマークする必要はないだろう。

 関係は円満だし、戦いになる要素がない。平戸と共闘して俺たちを攻める? いや、千寿丸がいる以上そうはならないだろう。

 俺たちと組んで平戸を攻める? いや、もっとない。いずれにしても、俺たちは平戸を攻める理由がないのだ。

 明らかに何か起きそうなのは後藤惟明だ。自分の存在価値がなくなったからな。貴明の惟明いじりも、ますますひどくなるだろう。

 最悪平戸に戻される? しかし、戻ったとしてどうなる? 何かしようものなら、俺がゆるさん。条約違反になるしな。

 千寿丸を養子に送っているから、徐々に平戸小佐々化計画を推し進めよう。

 有馬は、直接の影響は今のところないかな。

 ちょっと気になるのが大村だ。前回のいくさの発端は、黒幕は平戸や後藤だった。だが直接謀反のきっかけになったのは、純忠の改宗とキリシタンへの傾倒だ。

 なんでも極端なんだよ。キリシタンによる寺や神社の破壊なんて。そんな事するから謀反や周辺国人の造反が起きるんだよ。

 今大村が攻撃を受けたら援軍を出さないといけない。しかし、キリスト教対策のからみで起きているから、諌めないといけない。

 何事もバランスが必要だ。 今やキリシタンは横瀬に限らず小佐々領内のいたるところにいる。

 しかし、うちでは暴動は起こらない。俺がどちらにも味方しないし、けんか両成敗だからだ。かたや大村領はどうだ? あきらかにやり過ぎだろう。

 仏教徒の暴動が起きてバテレンが死にでもしたらどうするんだ?

 弾正忠襲名のあいさつも兼ねて、一度大村に行かなきゃいけないな。

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