内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え 第579話 純正の同盟国の事情。畠山義慶と佐渡の儀。 天正元年(1572)八月十五日 能登 七尾城 発 修理大夫 宛 権中納言 秘メ……○▽■ぐしゃぐしゃぽい……。 平九郎、元気ですか? いや、最初は例の通信文で書こうとしたんだけど、あれ、いくら暗号っつったってダダ漏れでしょ?... 2024.02.10 内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第17話 『大村藩の食糧事情とその改善。全国平均ってどうなんだ?』(1837/5/19) 天保八年 四月十五日(1837/5/19) サツマイモ(唐芋)はサツマ(薩摩)、つまり今の鹿児島県に、江戸時代に琉球王国(現・沖縄県)を経て伝来したと言うのが定説だ。 そしてその後、広く栽培されて全国に広まった。 しかし実はそれよりも... 2024.02.09 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え 第578話 松前異変 天正元年(1572)八月二日 京都 越後屋近江屋敷 組屋源四郎は気が気ではない。 屋敷の中で待たされてはいたものの、立ち上がっては座り、立ち上がっては座りで、室内をウロウロしている。 やがてゆっくりとした足音が聞こえると、障子があいた... 2024.02.09 内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第16話 『モリソン号事件を警告しよう』(1837/5/5) 天保八年 四月一日(1837/5/5) 次郎(太田和次郎左衛門)は、長崎から帰ってきてから考え事をしていた。 この時代に転生してから常に考えていたことだが、目的を達成するためには、技術革新だけでは駄目だという事である。 先進技術を持つ... 2024.02.08 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え 第577話 尚元王の死と万暦帝の即位 天正元年(1572)七月十九日 三ヶ月前に、純正の同盟国(通商和親・準安保)である、琉球王国第二尚氏王統の第五代国王である尚元王が崩御した。 特に名君というわけでもなく、普通の王であったが、古来より王朝の代替わりの際には政情が不安定にな... 2024.02.08 内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第15話 『西洋学の大家、高島秋帆との出会い』 天保八年 三月二十六日(1837/4/30) 長崎会所(貿易所)調役(監査役)詰所 太田和次郎 「御免候! 御免候!」 先触れを派遣していたので留守はないはずだ。 昨日長崎について、1日だが旅の汚れを落とし、正装して訪問した。詰所は華美... 2024.02.07 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え 第576話 オラニエ公、イスパニアの敗報を知る。 天正元年(1572)六月十六日 史実でいうところの元亀三年六月十六日、ユリウス暦1572年7月10日。 (現在の西暦=グレゴリオ暦は1582年に変更されます) オランダ、ネーデルランドと呼ばれる地域で、いわゆるオランダ独立戦争の真っ最中... 2024.02.07 内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第14話 『目指せ佐賀藩、追いつき追い越せ佐賀藩』(1837/5/18) 天保八年 三月二十四日(1837/5/18) 太田和次郎 「はんしゃろ? なんそい?」 (反射炉? 何それ?) ああ……それ、そっからかあ~。 『反射炉』……幕末に大砲をつくるために幕府(藩)がつくった炉。 『江川英龍』……その反射炉を造... 2024.02.07 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え 第575話 電気という概念と様々な試行錯誤 天正元年(1572)六月一日 『磁気的現象と電気的現象についての考察:天正元年六月一日(注:ユリウス暦1572/7/10):太田和忠右衛門政藤』 そう題された論文の中身を読み返し、頭をひねりながら修正を繰り返しているのは、科学技術省大臣で... 2024.02.06 内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第13話 『二十四歳、肥前佐賀藩、十代藩主鍋島直正という男』(1837/4/19) 天保八年 三月十五日(1837/4/19) 玖島くしま城 太田和次郎 「よう参った。次郎よ」 「ははっ。本日はお日柄も良く、藩主様におかれましては……」 「よいよい、わしらだけの時はそう畏まるでない。叔父上方や、渋江や針尾がおったら別だがの... 2024.02.06 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え 第574話 上杉戦の反省と留学生の今後 少し遡って天正元年(1572) 三月三十日 諫早城 織田信忠 小佐々の殿様、権中納言様が上杉と軍いくさをなさっているさなか、春休みという事でわれらはいったん故郷へ帰り、元服を済ませた。 父は今年の三月が中学の終わりで、小佐々の領民は卒業... 2024.02.05 内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第12話 『城内の石けん反対派と純顕の改革』(1837/4/3) 天保八年 二月二十八日(1837/4/3) |玖島《くしま》城 「鷲わし之助、少し前より気になっていたのだが……」 「なんでございましょう?」 玖島城内で、藩主を除いた会議が行われていた時の会話である。 「お主、近ごろ、なにやら良い香りが... 2024.02.05 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え 第573話 しばらくは内政に関わろう。技術開発の進捗状況。 天正元年(1572) 五月十五日 諫早城 ・反射炉 ・大砲 ・ライフル ・後装式 ・パーカッションロック……。 ・蒸気機関に蒸気船……。 純正は、ぱっと考えて出てくるものを羅列したが、そのほとんどが兵器に関わるものだった。 ... 2024.02.04 内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第11話 『まずは太田和村だけでの先行製造と、リスク分散で他の産業も考える』(1837/3/16) 天保八年 二月十日(1837/3/16) 太田和村 次郎 灰の原価計算をするのを忘れていたけど、木炭から灰汁を作るとしても@0.7文だったので一文と計算した。 灰の原価、油の原価、そして製造の人件費を入れて@30文だ。 問題は海藻と貝... 2024.02.04 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え 第572話 純正の帰国と打ち壊しと三職推任問題。 天正元年(1572) 五月七日 諫早城 朝廷に対して佐渡征伐の勅書を願い出てから、発せられたのは諫早に戻ってからであった。 発 治部大丞 宛 権中納言 秘メ 過日ヨリ 奏上奉リケリ 佐渡攻メノ 勅書 下サレケリ 秘メ 発 権中納言 ... 2024.02.03 内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第10話 『いきなりの佐賀藩越え。試供品と大プレゼン』(1837/2/7) 天保八年 一月三日(1837/2/7) 太田和村 (次郎目線) 材料としては灰と油。 そして油の種類によっては固まらず、軟らかい(液体)ものしか出来ないという事で、海藻の灰もしくは消石灰を加えて固形化する。 海藻は海沿いといえど有限だ... 2024.02.03 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第571話 京見物と能登旅行。越中仕置きに早すぎる社会勉強。 天正元年(1572) 四月二十四日 京都 大使館 「ほーれほれほれ、ばあ~」 表情筋がないのか? というくらい顔を緩ませているのは、関白二条晴良である。ここは小佐々の在京大使館で、純正をはじめ舞姫に藤姫、そして子供達がいる。 晴良の娘の... 2024.02.02 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第9話 『+五万石達成!なのか?まずは藩主様から始めよう』(1837/1/21) 天保七年 十二月十五日(1837/1/21) 太田和村 (次郎目線) 製造実験は3人に任せて販売計画を練って、十日が過ぎた。 今月は登城はない。来月の正月の挨拶とあわせて登城し、翌二月から十五日の登城になる。 灰汁の原価計算をして、多... 2024.02.02 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第570話 決着!上杉戦和睦交渉。大きく動く勢力図。 天正元年(1572) 四月十六日 富山城 口入れとはつまり、介入の事である。 越中はもとより、このまま謙信の勢力が増大すれば、加賀まで及ぶのはわかりきったことである。 また、背後の能登は、そのためには謙信の勢力下にある必要がある。 ... 2024.02.01 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第8話 『石けんで五万石分利益がでるか? 原価と販売経路その他諸々』(1837/1/11) 天保七年 十二月五日(1837/1/11) 太田和村 (次郎目線) さて、灰はタダだ。無尽蔵にある。 あ、待て。確か肥料にも使っていたな。その辺の調整は後から考えよう。 大量に使って農業に影響が出るのはまずい。まず儲かるか儲からないか... 2024.02.01 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第569話 難航する交渉と上杉小佐々代理戦争の余波 天正元年(1572) 四月十五日 富山城 「……他国に軍いくさに出ず、守るに要るだけの最も少なき軍旅を養えればよい、と分きたる(理解している)が、よろしいか」 利三郎のこの言葉が頭から離れない須田満親は、難航した初日を振り返って二日目... 2024.01.31 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第7話 『果たして幕末に石けんは売れるのか? 儲かるなら作るしかない』(1837/1/9) 天保七年 十二月三日(1837/1/9) 暮れ六つ(1717) 雪浦村 冨永館 なんだこれ? どういう状況? ここは雪浦村、雪浦川の河口近くの開けた集落にある、城代冨永|鷲之助《わしのすけ》の館である。 家督を継いでからの鷲之助は玖島... 2024.01.30 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第568話 フェリペ二世の世界戦略と庄川の戦いの結末へ 天正元年(1572) 四月十四日 イスパニア マドリード王宮 「それが……明のさらに東、ジパングの艦隊にございます」 「……使者よ、余は真実を申せと言ったのだ。……嘘やデタラメを申せと言うたのではないぞ!」 フェリペ二世は傍らにあったオ... 2024.01.30 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第6話 『まずは五万石を、十万石にしよう。それも手っ取り早く』(1837/1/9) 天保七年 十二月三日(1837/1/9) 明け五つ(0805) 玖島城下~雪浦村 信之介と俺は朝餉あさげを食べたあと、船着き場へ向かった。 そこから船に乗り対岸の時津村まで行くのだ。時津村についたら北上し、長浦村から山越えし、外海(西... 2024.01.29 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第567話 国内と国外~ヌルハチの祖父とフェリペ二世~ 天正元年(1572) 四月十四日 岐阜城 「ははっ」 長秀が苦笑いし、光秀や秀吉はわからないようにため息をしている。 「さて、加賀の、本願寺の動きはどうか?」 「は、謙信からの計略によって引き起こされた一揆にございましたが、それにより本... 2024.01.29 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第5話 『そもそも弱小五万石の大村藩が、隣の佐賀藩三十五万石に勝てるのか?』(1837/1/9) 天保七年 十二月三日(1837/1/9) 明け六つ半(0710) 玖島城下 旅籠 酒は飲んだが、なぜか早起きできる日があるのは前世とかわらない。 酒の相性が良かったのかつまみが良かったのか、頭痛はない。不思議だ。ともあれ空が明るくなる前... 2024.01.28 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第566話 中止できず。人道支援と織田の評定。 天正元年(1572) 四月十四日 越後沖 霧島丸 「小佐々海軍、第四艦隊司令長官、佐々清左衛門にござる」 「上杉家家老、直江大和守にござる」 テーブルに向かい合って相対する二人に、珈琲が運ばれてきた。戦場で敵方の使者が来たというのに、余裕... 2024.01.28 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第4話 『転生早々いきなりの無茶振りと、大村藩影のフィクサー誕生』(1837/1/8) 天保七年 十二月二日(1837/1/8) 明け八つ(1336) 玖島城 「さて次郎よ、人払いしたのは他でもない。そなたに頼みがあっての事なのじゃ」 俺はもの凄く嫌な予感がしたが、まずは聞いてみる事にした。 「ははっ。それがしに能う事なれば... 2024.01.27 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第565話 続く謙信の誤算と和睦への流れ 天正元年 四月十日 京都 大使館 「大使、関白様がお見えです」 大使館の近習が純久につげる。 「叔父上、これは……」 「うむ、昨日の和議の件に関しての事であろうな」 「……よし、お通ししろ」 ちょうど二人の時の来客であった。 純正は四... 2024.01.27 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第3話 『胡蝶の夢と従五位下大村丹後守純顕』(1837/1/8) 天保七年 十二月二日(1837/1/8) 暮れ七つ(0405) 肥前大村藩 玖島城下 「ぎゃああ! ぐああ! ぐはあ! はあ、はあ……」 玖島城下の旅籠で、信之介と一部屋ずつ借りて泊まった俺は、隣室から聞こえてきた断末魔のような叫び声で、... 2024.01.26 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第564話 和睦の題目と謙信の最後の秘策 天正元年 四月九日 京都 大使館 発 道雪 宛 権中納言 秘メ 上杉ヨリ 和睦ノ 申出 アリ 然レドモ 戦況 優位ニテ 御裁可 ナラビニ 題目ヲ 知ラサレタシ 秘メ ○四○六 「御屋形様、これは……」 「ふむ、和睦の申出であるな。必ず勝... 2024.01.26 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第2話 『玖島城へ向かう途上にて、心強い味方に出会う』(1837/1/7) 天保七年 十二月一日(1837/1/7) 明け六つ(0615) 肥前大村藩 彼杵そのぎ郡 太田和氏館 こーこーコケコッコー。 鶏の鳴き声とあまりの寒さに起こされ、何度も二度寝をしようと試みたが、日の出とともに、完全に目が覚めた。 周囲... 2024.01.26 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第563話 狭まる謙信包囲網 継戦か、和睦か? 天正元年 四月九日 京都 大使館 ここ数日、京都の大使館にいる純正のもとには、驚くべき報告が多数届いていた。 ・一日に第四艦隊が敗北。 ・七尾城の政変と小佐々水軍と上杉水軍との偶発的海戦。 ・上杉方である城生城の陥落と第二師団三千の... 2024.01.25 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第1話 『転生したら幕末の大村藩下級藩士!大村純顕と純熈に仕えて、西欧列強に対抗する。』(1837/1/6) 天保七年 十一月三十日(1837/1/6) 肥前大村藩 「あいった! ……いたたたた」 頭がズキズキする。 痛みで目をつむって、頭を押さえる。 二日酔い特有の痛みだ。おかしいな。俺昨日そんなに飲んだかな? いや、最近は宅飲みで、しか... 2024.01.24 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 年表 以下、旧暦表示。随時更新します。 天保七年(1836~1837) 十一月 清水亨、太田和次郎左衛門武秋として肥前大村藩へ転生。 十二月 十一代大村藩主、大村純顕に謁見し、藩の財政再建ならびに軍制改革、富国強兵の(裏)家老に任じられる。(裏家... 2024.01.24 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 人物紹介 ※()内の年齢は1837/1/6時点の年齢(数え)です。 ※随時更新します。 ※印の人物は実在の人物ですが、作中では史実とは違う行動思想かもしれません。 太田和次郎左衛門武秋(15)1822生まれ。 本作品の主人公。前世名は清水亨(50)... 2024.01.24 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第562話 勝てるのに、和睦する理由があるのか? 天正元年 四月六日 午三つ刻(1200) 越中 道雪本陣 「申し上げます! 上杉家家老、須田相模守殿がお見えです」 「うむ、通すが良い」 小佐々軍総大将立花道雪、副将高橋紹運の他、島津・三好・一条・長宗我部・龍造寺の主立った将が居並ぶ中... 2024.01.24 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第561話 和睦交渉を左右する所口湊の海戦と七尾城の戦い 天正元年 四月六日 巳の一つ刻(0900) 「なんぞ(何だ)あれは? 如何いか様にも(どうみても)兵船ではないか! 然しかも、上杉の兵船、船手衆ではないか!」 来島通総と得居通幸が、七尾湾に停泊する三百艘の上杉水軍の軍船を発見したのだ。 ... 2024.01.23 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第560話 城生城の落城と鎌田政年の討死。両軍、和議となるか? 天正元年 四月五日 酉四つ刻(1830) 越中 戸波村~鷲塚村 島津軍 巳の四つ刻(1030)から始まった島津軍と上杉軍の戦闘は、巧みに離合集散を繰り返して互角のまま推移していたが、もう間もなく日没になろうかという頃、唐突に終わりを告げた... 2024.01.22 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第559話 立花道雪の包囲vs.上杉謙信の包囲 天正元年 四月五日 午三つ刻(1200) 能登 輪島沖 「兄上、然れど昨日の三国湊は妙でしたね。煙が上がってました。君子危うきに近寄らずで、通り越して塩屋湊に寄りましたが、なにかあったんでしょうか」 「助兵衛(来島通総)よ、いや殿。いい加減... 2024.01.21 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第558話 激突! 島津vs.上杉と七尾城の陥落 天正元年 四月五日 午三つ刻(1200) 越中 水戸田村 道雪本陣 「申し上げます! 敵勢六千! 島津勢に掛かりけり候(攻撃しました)!」 「何? 案に違えて(予想外に)早いの。敵将は誰じゃ?」 「は……それが、謙信自らかと思われます!」 ... 2024.01.20 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第557話 島津軍の混乱 毘沙門天・上杉謙信は何処? 天正元年 四月五日 辰四つ刻(0830)能登 鹿島郡 「なんと……誠であったか……」 「はは、所口湊には数多の兵船があり、城下は無論の事、湊も上杉の兵で溢れておりました」 畠山義慶よしなりは阿尾城を襲った敵に備えるため、道雪本隊から離れ... 2024.01.19 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第556話 純正、婦負郡南部、新川郡南西部を服属させる 天正元年(元亀三年・1572) 四月五日 京都 大使館 発 敦賀信号所 宛 権中納言 複 治部少丞 秘メ 敦賀ニテ 数多ノ 兵船 アリ 帆ノ 紋二ヨリ 奈佐 毛利 小早川 村上 他 山陰 山陽ノ 船手衆 ト 認ム 秘メ 発 権中納言 ... 2024.01.18 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第555話 反転攻勢の立花道雪 天正元年(元亀三年・1572) 四月五日 岐阜城 発 権中納言 宛 兵部卿 秘メ 守護代ノ勢 加賀ヘ 討チ入リケリ(攻め入った)ト 聞キ及ビ候ヘドモ ソハ(そこは)貴殿ノ所領ニ非ズ 難かたシ事ナレド マズハ言問こととい(話し合い)ニテ ... 2024.01.17 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第554話 上杉謙信に後手後手の小佐々純正。起死回生、なるか? 天正元年 四月四日 日本海 「(おい、誠に、これは同じ、海なのか?)……!」 「ははは! だらしねえなあ旦那! それでも同じ海賊か? こんなもん凪なぎだ!」 「やかましい! 何も言うておらぬではないか! いささか驚いておるだけじゃ! 軍いく... 2024.01.16 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第553話 享年六十四歳 天正元年 四月四日 午一つ刻(1100) 能登 七尾城 「待たれよ。降るとして、殿(畠山義慶)は小佐々に与するとして越中へ向かったのだぞ。謙信も殿が小佐々に与しているなど、とうに知っておるであろう。如何様にして取り繕うのじゃ?」 温井景隆... 2024.01.15 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第552話 阿尾城陥落の真実と能登所口湊 天正元年 四月四日 辰一つ刻(0700) 能登 射水郡 千久里城 「おお! 無事であったか!」 庄川東岸(広上村)の道雪本陣で報告してきた家臣より、妻と嫡男の無事は聞かされていたが、実物を見てほっと胸をなで下ろす菊池武勝である。 千久里... 2024.01.14 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第551話 信長の計略と上杉包囲網なるか? 天正元年 四月四日 京都 大使館 発 在能番所(能登所口湊) 宛 権中納言 秘メ 立花殿 出立 畠山殿 合力 越中へ 向カフ 秘メ ○三三○ 秘メ 第四艦隊 出港後 帰港セズ ナホ 天気晴朗ナリ 秘メ ○三三一 発 越前堀江館 宛 ... 2024.01.13 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第550話 阿尾城の失陥と限界街道 天正元年 四月三日 酉三つ刻(1800) 庄川東岸(広上村) 道雪本陣 晴れ 「申し上げます! 阿尾城、落ちましてございます!」 「なんじゃと! ?」 「馬鹿な!」 菊池武勝は状況がのみ込めない。一体誰が阿尾城を落としたというのだ? 「数... 2024.01.12 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第549話 謙信を囲む 天正元年 四月三日 卯の一つ刻(0500) 庄川東岸(大門新村) 上杉軍本陣 小雨 「申し上げます! 一里(3.927km)南に敵多数! 川を渡ってございます!」 「何い! ? 馬鹿な! 夜のうちに渡ったと申すか?」 昨日、日没後から降り... 2024.01.11 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む