『新しい国 ―空母飛龍から、最後の戦いへ―』

『新しい国 ―空母飛龍から、最後の戦いへ―』

第11話 『幹部候補生学校と航空学生』

令和7年4月(2025年4月)佐世保 山口多聞少将、加来止男大佐、鹿江隆中佐をはじめとする数名の士官は、佐世保教育隊の敷地内で幹部候補生課程に入った。 同様に角野博治大尉、橋本敏男大尉、重松康広大尉、その他の航空要員の下士官や兵士たちは、山...
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第10話 『軍人としての矜持』

令和7年3月16日(2025年3月16日) 護衛艦『いずも』 多目的室「小松司令、そして石川艦長、一つお伺いしたいのですが、よろしいですか?」「どうぞ」 山口に聞かれて小松は返事をした。石川は黙ってうなずいている。「この戦争はなぜ始まったの...
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第9話 『ロシア・ウクライナ戦争』

2025年3月16日(令和7年3月16日)「この馬鹿者が! 一列に並べ! 足を開け! 歯を食いしばれ!」(元)飛龍副長の鹿江隆(海軍中佐)の叫び声が聞こえた。「はっ!」 角野、橋本、重松が横並びになり、足を開いて休めの姿勢で直立不動の状態に...
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第8話 『適応プログラム』

2025年2月14日(令和7年2月14日) 佐世保市内 適応プログラムと言っても特に難しくはない。4月1日から各教育課程が始まるが、それまでの3か月間に現代人としての素養を身につけるのが目的である。 2024年度の教育課程全てが修了する3月...
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第7話 『情報統制と非公式法整備』

2025/1/30(令和7年1月30日) 海上自衛隊 佐世保地方総監部 山口と加来、そして隊司令の小松と艦長の石川が出迎えた7名の正面に座り、聴取が行われた。 会議室には緊張感が漂っている。 時を超えてきた軍人たちと、彼らを受け入れる現代日...
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第6話 『佐世保へ』

2025/1/30(令和7年1月30日)佐世保港 ミッドウェーから父島の海上自衛隊基地での補給を終え、佐世保へ帰港したのは十日後であった。 艦橋には小松と石川が立ち、石川が入港の指揮をとっていたが、普段の護衛艦隊の入港とまったく変わらない光...
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第5話 『山口多聞と飛龍乗組員』

2025/1/20(令和7年1月20日) 夜「おお! 副長! それに攻撃隊の君たちもあの渦に! いや……しかしよかった。生きてまた会えるとは、夢じゃあないだろう?」 そう言ってニコニコ笑う山口多聞司令官の横で加来止男艦長が、やれやれ、とジェ...
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第4話 『護衛艦いずもと山口多聞』

2025/1/20(令和7年1月20日) 夜 日没までに洋上の第1護衛隊では救助活動が終わりを迎え、各艦連動して負傷者の治療その他を行っていた。本来であれば戻ってハワイに寄港し、米軍の協力を受ける等の措置が行われるかもしれない。 しかし幸い...
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第3話 『遭難者たちの正体』

2025/1/20(令和7年1月20日) 太平洋 ミッドウェー海域「れ、令和……? 2025年だと……?」 鹿江の声が震えた。 その目は護衛艦『いずも』の士官室の中空をさまよい、気がつけば壁に掛けられたカレンダーを凝視していた。周囲の自衛官...
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第2話 『昭和17年・飛龍からの来訪者』

2025/1/20(令和7年1月20日) 太平洋 ミッドウェー海域 護衛艦『いずも』の艦橋では、艦長の石川と隊司令の小松が驚きの表情を浮かべていた。目の前の海上に、突如として現れた数百人の遭難者たち。 さまざまな格好の人間が遭難していたが、...
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第1話 『ミッドウェー』

昭和十七年六月六日(1942/6/6)23:30(現地時間 1942/6/6/02:30)ミッドウェー海域 第二航空戦隊司令官である山口多聞は、飛龍の艦橋で静かに立っていた。炎と煙が艦を包み、爆発音が断続的に響く中でも、彼の表情は穏やかだっ...
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登場人物

山口多聞(やまぐち たもん): 旧日本海軍の少将。第二航空戦隊司令官。ミッドウェー海戦で空母「飛龍」と共に戦死…したはずだったが、不可思議な現象に巻き込まれる。冷静沈着で部下思いの指揮官。加来止男(かく とめお): 旧日本海軍の大佐。空母「...
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時系列・あらすじ

話数:第1話 タイトル:ミッドウェー 時系列:昭和17年6月6日23:30(ミッドウェー海域)/ 令和7年1月20日(ミッドウェー海域) あらすじ:ミッドウェー海戦で沈没するはずの空母飛龍。山口多聞司令官と加来艦長は艦と運命を共にする覚悟を...