東と西の転生者 第765話 『勢力圏構想-東アジア-』 天正十九年八月十九日(1590/9/17) 諫早 <小佐々純正> オレは風呂に入りながら考えていた。 ある程度の世界情勢が理解できたので、それを踏まえた肥前国の勢力圏の構想だ。転生してきたばかりのころは、生き延びるのに必死だった。しかし... 2024.11.20 東と西の転生者
東と西の転生者 第764話 『新しき三省』 天正十九年七月二十日(1590/7/20) 諫早 <小佐々純正> オレは諫早に戻ってきて城に戻り、吃緊きっきんの陸海軍の再編を終えて、ぐったりした。 もうそろそろリタイヤしてもいいんじゃね? 国内は統一してないけど戦は終わったし、大日本... 2024.11.18 東と西の転生者
東と西の転生者 第763話 『陸軍再編』 天正十九年六月十九日(1590/7/20) 諫早 海軍に続いて行ったのが陸軍の再編である。 インド・アフリカなど、南方から西方へ国土が拡張し、北方ではアラスカから沿海州まで統治するようになった。そのためこれまで連隊規模や小隊~大隊規模の... 2024.11.16 東と西の転生者
東と西の転生者 第762話 『肥前国の海軍再編と大日本国、そして極東情勢』 天正十九年六月十二日(1590/7/13) 諫早 「殿下、お帰りなさいませ」 3年前の天正16年(1587)1月に諫早を出発した海外領土の視察であったが、3年半の歳月を経て終了した。長崎の湊みなとには純正一行の到着を待ちわびた閣僚と民衆が... 2024.11.14 東と西の転生者
東と西の転生者 第761話 『北方三国同盟と明の滅亡への序曲』 天正十九年五月十一日(1590/6/12) 紫禁城 「兵はいる。だが動かすことは難しいだろう」 内閣大学士の申時行は誰に告げるわけでもなく、静かに、淡々と述べた。 「100万の兵を抱え、各地の衛所にも精鋭がいる。しかし……」 「軍餉ぐんし... 2024.11.04 東と西の転生者
東と西の転生者 第760話 『乱、その後』 天正十九年四月八日(1590/5/11) へトゥアラ 「申し上げます! 明国、寧夏鎮ねいかちんの副総兵、哱拝ぼはい殿の使者がお越しになっております」 「なに? 明の? ……よし、通すがよい」 建州女真の首都であるへトゥアラの政庁で政務をと... 2024.11.02 東と西の転生者
東と西の転生者 第759話 『哱拝の乱』 天正十九年三月四日(1590/4/8) 紫禁城 天正十一年(1582年)に張居正が死んでから、都・北京の空気は少しずつ、しかし確実に変質していった。 かつて大和殿で政務を執っていた万暦帝の姿は、もはや見られない。 名宰相であった張居... 2024.10.31 東と西の転生者
東と西の転生者 第758話 『オランダの軍事事情』 天正十九年一月二十八日(1590/3/4) <フレデリック・ヘンドリック> さて、去年からジャガイモの栽培を行っているが、初めてにしては上出来と言っていい収穫だった。現代のジャガイモとは少し違うところもあるけれど、主食になり得ることを確認... 2024.10.29 東と西の転生者
東と西の転生者 第757話 『暖炉とストーブ』 天正十八年十二月二十三日(1590/1/28) <フレデリック・ヘンドリック> 寒い! 寒い寒い寒い! オランダの暖房は、ほとんどが暖炉だ。 オランダというよりその当時(今)のヨーロッパの主流が暖炉なのである。1475年にフランスで初... 2024.10.27 東と西の転生者
東と西の転生者 第756話 『フアン・デ・サルセードとマルティン・デ・ゴイチ ―大日本国産業事情視察録―』 天正十八年十一月十六日(1589/12/23) <フアン・デ・サルセード> フアン・デ・サルセード 記(40歳、第2次フィリピン海戦当時29歳) 11年前、私とマルティンは第2次フィリピン海戦の敗将として肥前国に連れてこられた。 私は... 2024.10.25 東と西の転生者
東と西の転生者 第755話 『肥前銀行と大日本国銀行』 天正十八年十月九日(1589/11/16) 灰色の雲に覆われた空の下、肥前国諫早において大日本国銀行監査総監の近江屋治郎右衛門は、随員20名を従えて肥前銀行本店に到着した。 5層の巨大な蔵造りの建物群は、それ自体が1つの街区を形成して... 2024.10.23 東と西の転生者
東と西の転生者 第754話 『大日本国予算審議会』 天正十八年八月三十日(1589/10/9) 「それでは方々、天正十八年度、第一回補正予算会議を開きたいと存じます」 肥前国の財務大臣である太田和屋弥市が立ち上がり、会議の開始を告げた。大日本国の中で肥前国があまりに強力であり、その近代... 2024.10.21 東と西の転生者
東と西の転生者 第753話 『ヤンから聞く世界情勢』 天正十八年七月二十日(1589/8/30) <フレデリック> クルシウスはライデン大学の教授で、植物学の大家だ。オランダどころかヨーロッパ全体で、植物学についてはかなりの影響力を持った人物である。 こんな事なら最初っからクルシウスに聞... 2024.10.19 東と西の転生者
東と西の転生者 第752話 『飢饉のその後とジャガイモ畑』 天正十八年五月二十六日(1589/7/8) 仙台城 「では、早速本題に入りま しょう」 と小佐々治三郎純久が切り出した。 「只今ただいまの奥州の事の様ことのさまについて、伊達殿から説いていただきましょう」 政宗は深刻な表情で答える。 「... 2024.10.17 東と西の転生者
東と西の転生者 第751話 『6歳の子供にできる事とできないこと。肥前国と大日本国』 天正十八年四月十二日(1589/5/26) 仙台城 「殿! 各県から援助米の求め多く、とても城の蔵だけでは処する事能いませぬ!」 「各県の備蓄米はないのか?」 「すでに底をつき、ゆえに総督府へ懇願がきているのでございます」 各県、各郡、各... 2024.10.14 東と西の転生者
東と西の転生者 第750話 『フレデリックの立場と仕事』 天正十八年二月二七日(1589/4/12) リスボン 王宮 1か月に及ぶ協議の末、肥前国とポルトガルとの間に条約が結ばれた。 肥前国ポルトガル王国相互防衛条約 肥前国とポルトガル王国は、両国の安全保障を強化し、相互の防衛協力を確立する... 2024.10.12 東と西の転生者
東と西の転生者 第749話 『フレデリック・ヘンドリックと日葡安保条約締結なるか?』 天正十八年一月十四日(1589/2/28) <フレデリック・ヘンドリック> 「フレデリック! よかった、無事だったのだな」 部屋に入ってきた男は、ほっとした表情で近づいてきた。服装や言葉遣いは、まるで中世のヨーロッパの貴族のようだ。オレは... 2024.10.09 東と西の転生者
東と西の転生者 第748話 『ポルトガル王都リスボンと新たな転生者』 天正十八年一月十四日(1589/2/28) 元亀二年(1571年)から開発が始められた炸裂弾とその砲は、日夜国友一貫斎を中心として研究開発がなされていたが、すでに18年の歳月が流れていた。 一貫斎は、純正の叔父であり、肥前国の科学技術... 2024.10.05 東と西の転生者