『邪馬壱国の壱与~1,769年の眠りから覚めた美女とおっさん。時代考証や設定などは完全無視です!~』

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第23話 『狗奴国王日出流と熊襲帥』

正元二年十二月14日(256/1/14⇔2024年6月18日8:00) 狗奴国 蓬原宮処 「日出流王よ」 「なんだ」 「近ごろ面白い話を耳にしました。何やら弥馬壱国に異国の民が現われたそうですぞ」  狗奴国の都である蓬原の宮殿で、日出流王と...
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第22話 『鉄と帆船と大陸の話』

正元二年十一月十日(255/12/10⇔2024年6月16日21:00) 修一邸 「でもセンセ、ほんとに先生なのかよ……」  槍太(そうた)がジロジロと修一の頭のてっぺんからつま先までを見ていった。 「お前もホント用心深いね。嘘いってどうす...
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第21話 『信じられないかもしれないが、オレは中村修一だ』

正元二年十一月九日(255/12/9⇔2024年6月16日20:00) 「いや……お前……誰だよ?」  比古那はそう言って後ずさる。目の前には見た事のない自分達と同世代の若者がいるのだ。無精髭ひげを生やし、髪もボサボサだが、若いのは確かだ。...
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第20話 『お前は誰だ』 

正元二年十一月九日(255/12/9⇔2024年6月16日20:00)  弥馬壱国の宮処(都)である方保田東原かとうだひがしばるに到着した6名は、その規模にまず驚かされた。  現代の整えられた住宅地とは全く違うが、数多くの竪穴たてあな式住居...
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第19話 『弥馬壱国へ』

正元二年十一月三日(255/12/3⇔2024年6月16日14:00) 已百支いはき国 宮田邑むら   翌日早く、ヒコナ達6人は起こされて弥馬壱国へ出発する事となった。竪穴たてあな式住居の中は意外と暖かく、潔癖症気味の千尋でさえも、慣れて良...
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第18話 『兵士と先生と弥馬壱国と壱与』

正元二年十一月二日(255/12/2⇔2024年6月16日13:00) 已百支いはき国 宮田邑むら   その時、家の外から怒鳴り声のような音が聞こえた。  どうやら誰かが門番と言い争っているようだが、詳しくはわからない。すると長老ナシメが長...
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第17話 『卑弥呼の使い、難升米』

正元二年十一月二日(255/12/2⇔2024年6月16日13:00) 已百支いはき国 宮田邑むら   比古那は四人の疑問と不安を解消しきれないまま、じゃあこのままどうすんだ? という極論で押し切って、洞窟の入り口に連れてきた。尊はさっきよ...
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第16話 『村の子供と長老』

正元二年十一月二日(255/12/2⇔2024年6月16日13:00) 已百支国いはきこく 宮田邑むら   比古那は慎重に洞窟の入り口に近づいた。  外の様子を窺うかがうと、二人の子供が木の枝を手に持ち、何かを探すように周囲を見回している。...
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第15話 『已百支国にて如何に生きる?』

正元二年十一月一日(255/12/1⇔2024年6月16日12:00) 已百支いはき国 宮田邑むら   六人の目の前に広がる光景は、彼らの想像を遥かに超えていた。コンビニがあるはずの場所には、まるで教科書から飛び出してきたかのような光景が広...
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第14話 『已百支国にて虜囚となる?』

正元二年十一月一日(255/12/1⇔2024年6月16日12:00) 已百支いはき国 宮田邑むら  「ナラワタツォ! ? コデナニヲナツェリヤ! ?(貴様らは誰だ! ? ここで何をしている! ?)」  その声に全員が驚いて振り返ると、そこ...
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第13話 『2024年の宮田遺跡と正元二年の宮田邑』

2024年6月16日(日) 11:00 長崎県 宮田遺跡  四日前の水曜日に考古学研究会の主催者である中村修一の捜索を決めた六人は、レンタカーを借りて福岡から長崎の宮田遺跡までやってきていた。  正直なところ地元民でも知らないような、超マイ...
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第12話 『失踪した先生を捜せ – 研究会メンバーの決死の調査』

正元二年八月二十五日 弥馬壱国の宮処  考古学者、中村修一が古代の弥馬壱国に来て80日が過ぎていた。  生きる! と決心した修一ではあったが、いつ21世紀の日本に戻れるのか? どうやったら戻れるのか? なぜ飛ばされたのか? その考えが消えた...
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第11話 『卒善中郎将の掖邪狗(エキヤク・ヒエシエコ)』

2024/6/12(水) 15:00 九州大学 「昨日なんで休講だったのかな? ねえ、誰か先生の連絡先知らないの?」 「知らねー。だってあの先生、嫌いじゃないけど、あんまり人付き合い得意そうじゃないだろ?」 「確かに。明日も休講なのかな?」...
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第10話 『鉄と帆船』 

正元二年六月二十五日 邪馬壱国 方保田東原宮処かとうだひがしばるのみやこ <修一>  考古学者=歴史学者でもなければ、=歴史オタクでもない。  だから俺も、歴史オタクではない。でも考古学を学ぶにあたり、発掘や調査をするにあたっては、とっかか...
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第9回 『大官彌勇馬と邪馬壱国の国際情勢』

正元二年六月二十五日 邪馬壱国 方保田東原宮処かとうだひがしばるのみやこ 「申し上げます! 彌勇馬みゆま大官様、お戻りにございます!」  兵士が大きな声で叫び、邪馬壱国大官である彌勇馬将軍の帰国を知らせた。ドタドタドタと宮殿正面の庭を歩いて...
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第8話 『邪馬壱国のイツヒメ(伊都比売)とミユマ(彌勇馬)』

正元二年六月十五日(AD255/7/15⇔2024/6/10/23:00)  修一が弥生時代にきて十日が過ぎていたが、正直なところやることがない。  不安は増すばかりだったが、どうしようもない。来た原因とそのプロセスが解らなければ、何をやっ...
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第7話 『邪馬壱国の都、方保田東原の宮処』(AD255/7/5⇔2024/6/10/13:00) 

正元二年六月五日(AD255/7/5⇔2024/6/10/13:00) 邪馬壱国 宮田邑むら  修一は別にある粗末な建物に寝かされ、翌朝起きた時には既に日も昇っており、壱与達は何やら出かける準備で大忙しであった。修一が起きると、目の前の生口...
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第6話 『女王壱与のいた(いる)世界』(AD255/7/4⇔2024/6/10/12:00) 

正元二年六月四日(AD255/7/4⇔2024/6/10/12:00) 邪馬壱国 宮田邑むら 「はあああああああああ? !」  修一は何も考える事なく魂の叫びを上げた。  条件反射というか、人は理解不能な状況に陥った時に、一体どんな反応を示...
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第5話 『西暦255年』2024年6月10日 AM7:00~PM12:00

2024年6月10日 深夜 福岡市博多区自宅マンション <修一>  壱与が眠った後、俺はパソコンの前に座り続けていた。  今までの出来事を整理し、仮説を組み立てるために必要な情報を集めなければならない。その為には過去の文献や遺跡の記録をもう...
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第4話 『烏丸鮮卑東夷伝倭人条』2024年6月10日(月)深夜

2024年6月10日(月) 深夜 福岡市博多区自宅マンション <修一>  俺は大学の非常勤講師であり、考古学者(論文評価されていないから卵?)であり、関連する本を書いたり(売れてない)、ウェブサイトの運営(ブログ)をして生活している。  分...
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第3話 『吉野ヶ里遺跡と歴史の矛盾』2024年6月9日(日)

2024年6月9日(日) 長崎県西海市 宮田遺跡 <修一> 「ひゃあ! な、なんじゃこれは! 獣か雷か!」  まあ、まともな反応だ。 「獣でも雷でもないよ。乗り物」 「乗り物? 馬鹿を申すでない。担ぎ手が一人もおらぬではないか。担ぎ手もおら...
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第2話 『邪馬壱国の壱与』2024年6月9日(日)

2024年6月9日(日) 長崎県西海市 宮田遺跡 <修一>  俺の前に立ちはだかるのは、目の前で蘇った古代の女性、”壱与”らしい。  ……馬鹿な事を。考古学を学ぶ者で、いや、日本史の古代を学んだ者なら頭の片隅にあるであろうその名前だ。目の前...
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第1話 『扉』2024年6月8日(土)

2024年6月8日(土) 九州大学 「であるからして、九州地方、特に長崎県の西彼杵半島においては平野部が少なく、特に西岸の角力すもう灘沿岸には……」  講義の時間が終わり、片付けをする生徒達が目立つ。考古学の非常勤講師である中村修一は、ふう...