深呼吸

転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第274話 『名を取るか、実を取るか。あるいはその両方か』

文久二年二月十九日(3/19) 交渉2日目 「サハリン(樺太)……ですか? それが何か?」  ゴシケーヴィチはそうとぼけたが、それが割譲を意味しているのは明らかである。現在樺太は日露の雑居地であり、国境線は定めていない。それがためにロシアに...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第272話 『皇女和宮とロシア全権との交渉』

文久二年一月十五日(1862/2/13)~二月十一日(3/11) 「なんだって! ? 襲われた? いつ? どこで? 誰が?」  史実と歴史が変わっても対馬の問題は解決しておらず、他の問題も山積みである。  しかし次郎は攘夷じょういに関しては...
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第264話 『列強第一位のイギリスと第二位のフランス、そして未来の世界覇権国アメリカ』

文久元年八月十二日(1861/9/16) 横浜 某所 「な!」  ハリスは何かを発言したいのだが、発言できず、ただ驚きの感嘆符を発したのみである。 「さて皆様、各国、様々なお考えがあるかと思いますが、我が国の要望はただ一つ。ロシアのこれ以上...
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第263話 『列強の国際法』

文久元年八月十二日(1861/9/16) 横浜 某所 「度重なる警告にも耳を傾けず、自国民が射殺されるような、今回同様の事態になったら、どうなさいますか?」  次郎のその鋭い質問に各国の代表者たちは言葉を失い、部屋は重い沈黙に包まれる。最初...
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第257話 『戦後処理その2:前言撤回』

文久元年四月七日(1861/5/16) 対馬 「では杉村殿……いや、佐須伊織殿とお呼びしたほうがよろしいかな」 「ご随意に」 「では伊織殿、ロシアに船の補修と補給のための物資は与えたが、必要以上の上陸や測量などは許していないと?」 「無論に...
『邪馬壱国の壱与~1,769年の眠りから覚めた美女とおっさん。時代考証や設定などは完全無視です!~』

第30話 『貴金属違法ブローカー樋口勇作』

2024年11月9日(13:00) 福岡市 自宅 <中村修一>  警察に連絡して、後日全員で向かう事で事なきを得た。  警察からも家族に連絡がいくようだが、全員がそれぞれ自分で家族に連絡をした。オレはみんなとは違いそこまで家族と頻繁に連絡を...
『転生した以上、幼馴染+αと美少女ハーレムをつくってイチャラブ学園生活を送ると決心したオレ』

第38話 『キスと肉体関係』

1985年(昭和60年)10月23日(水) 五峰シーサイドショッピングセンター(モール) <風間悠真>  オレは12脳の罪悪感と、51脳の『まあ計画のうち』という2つの感情を抱えながら、シーサイドモール(略称でシーサイド、センター、モール等...
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第235話 『薩摩、佐賀、長州』

安政六年七月五日(1859/8/3)  ここで1度、現時点における思想的な事を整理しなければならないので述べておく。  1. 尊王論:天皇を国家の中心と位置づけ、その権威を重んじる思想……次郎たち。ほとんどの勢力。  2. 攘夷じょうい論:...
『転生した以上、幼馴染+αと美少女ハーレムをつくってイチャラブ学園生活を送ると決心したオレ』

第29話 『新城悟と彼女。凪咲との外泊』

1985年(昭和60年)8月24日(土) <風間悠真>  海水浴場はお盆を過ぎると急激に客足が遠のく。まだまだ暑いし夏真っ盛りなのにだ。その原因はクラゲなんだが、そのせいでバイトは減らされて、でもさすがに4人全員はクビにはならない。  叔父...
『転生した以上、幼馴染+αと美少女ハーレムをつくってイチャラブ学園生活を送ると決心したオレ』

第27話 『生○Vを目撃しているのを目撃された』

1985年(昭和60年)8月2日(金) 玉の浜海水浴場 <風間悠真>  金を稼ぐにはいろんな方法があるが、最も一般的で誰もがやっているのが、自分の時間と労力、または技術を使ってその対価を得る方法だ。いわゆる会社員やアルバイト、もしくは自営業...
『転生した以上、幼馴染+αと美少女ハーレムをつくってイチャラブ学園生活を送ると決心したオレ』

第26話 『美咲と凪咲と純美とオレと』

1985年(昭和60年)7月23日(火) 玉の浜海水浴場 <風間悠真>  昨日の衝撃的な光景が頭から離れないまま、オレは午前中の練習が終わった後に海の家に向かった。叔父さんが言っていた新しいバイト3人が誰なのか、正直気になっていた。まさか知...
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第229話 『岩倉具視、江戸へ。戊午の勅命』

安政六年一月十四日(1859/2/16) 「なんと! そないな事があらしゃったのですか?」  次郎襲撃の報をうけた岩倉具視は、安否を確かめるべく大村藩京屋敷へ急行したのだが、当の次郎は平然として、いたって元気であった。  その次郎から事の成...
『邪馬壱国の壱与~1,769年の眠りから覚めた美女とおっさん。時代考証や設定などは完全無視です!~』

第22話 『鉄と帆船と大陸の話』

正元二年十一月十日(255/12/10⇔2024年6月16日21:00) 修一邸 「でもセンセ、ほんとに先生なのかよ……」  槍太(そうた)がジロジロと修一の頭のてっぺんからつま先までを見ていった。 「お前もホント用心深いね。嘘いってどうす...
『転生した以上、幼馴染+αと美少女ハーレムをつくってイチャラブ学園生活を送ると決心したオレ』

第24話 『高田礼子と、2回目』

1985年(昭和60年)7月19日(金)終業式 放課後 <風間悠真> 「という訳で、先輩に呼び出されましたが、ボコられるのがわかっているので、行きません」  オレは職員室で、正当防衛で殴った修一や小学校の時にトラブルがあった正人が2年とつな...
大日本国から世界へ

第739話 『病床の尚永王』

天正十六年十一月一日(1587/11/30)琉球国 首里城  首里城の守礼門前、琉球王国の廷臣たちが厳かに列をなし、国王尚永は緊張した面持ちで控えていた。彼の周りには、琉球の伝統的な礼服を身にまとった側近たちが、不安げな表情を浮かべている。...
『転生した以上、幼馴染+αと美少女ハーレムをつくってイチャラブ学園生活を送ると決心したオレ』

第18話 『純美……人は見かけによらないんだな』

1985年(昭和60年)6月23日(日) <風間悠真> 「ねえ、一休みしない?」  今日は・・・純美の家で4人で1学期の期末テストの勉強をしている。  今日は、というのは先週は凪咲なぎさの家、その前は美咲の家で勉強をしたからだ。  オレ達は...
『転生した以上、幼馴染+αと美少女ハーレムをつくってイチャラブ学園生活を送ると決心したオレ』

第15話 『入部拒否とセッ○スの話と2人目のキス』

1985年(昭和60年)4月16日(火) 五峰町立南中学校 <風間悠真>  馬乗りではないが、机と椅子に寄りかかっている修一に対して数発殴ったところで、強制的に終わらせられた。  ……先生ではない。修一と同じ小学校の木下隆広に、力ずくで止め...
『転生した以上、幼馴染+αと美少女ハーレムをつくってイチャラブ学園生活を送ると決心したオレ』

第13話 『青春にはまだ早い。春休みの思い出』

1985年(昭和60年)3月24日(日) 佐世保 万津港 <風間悠真>  おい、どうしたこれ? しかも全員スカートだぞ?  美咲は膝丈の紺色のプリーツスカートにパステルピンクのセーター、白いソックスと茶色のローファー。  純美は膝丈の水色の...
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第12話 『魔の”F”はじめての挫折』

1985年(昭和60年)2月1日(金)   テテレテッテッテ~♪  悠真はレベルが上がった。12脳となった。  アホか。昨日も今日も特に変わらない。学校に行って、放課後は音楽室でギターの練習して(させられて)、4人で帰る。この不思議なルーテ...
『転生した以上、幼馴染+αと美少女ハーレムをつくってイチャラブ学園生活を送ると決心したオレ』

第10話 『正人よ、またお前か。4対1はさすがに卑怯じゃないか?』

1985年(昭和60年)1月7日(月)~それまで  クリスマスは家族で過ごす年齢で、年末年始は行く年来る年の毎年恒例。カウントダウンなんてイベント、聞いた事もない。そして正月の元旦は校内年賀はがきという謎のはがきの配達に明け暮れた。  そ、...
天下百年の計?

第736話 『ペトロパブロフスク・カムチャツキーからオホーツクをへてウラジオストクへ』

天正十六年六月十七日(1587/7/22)沿海地方 沿海県 ニコラエフスク・ナ・アムーレ(北黒瀬浦)  純正は小樽を出港後、1か月半かけて北加伊道沿岸を回り、その後カムチャッカ半島のペトロパブロフスク・カムチャツキー、オホーツクのオホーツク...
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第209話 『落とし所と水戸の徳川斉昭』

安政四年一月四日(1857/1/29) 江戸城 「それで、水戸殿はなんと仰せなのですか?」  牧野忠雅が堀田正睦(昨年12月に篤姫が輿入こしいれのため改名)に問う。 「変わらぬよ。わしも昔から変わらぬが、あの御仁も変わらぬ。夷狄いてきなど我...
『転生した以上、幼馴染+αと美少女ハーレムをつくってイチャラブ学園生活を送ると決心したオレ』

第3話 『雨の日の体育と体操服とシルエット』

遡って1984年(昭和59年)6月22日(金)放課後 職員室 「続くんですよ、この連鎖は。いつまでも」  悠真は校長、教頭、教務主任、そして女教師の前で言った。 「連鎖とはなんだね?」  校長が聞く。 「この負の、いじめの連鎖って事ですよ。...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第207話 『武力衝突! ?』

安政三年十一月十日(1856/12/7) ~それまで 「あいや待たれよ! 信濃守殿(井上清直)、どうか御静まり下さいませ! Dear Brooke, let's remain calm. Let's take a short break.(...
『転生した以上、幼馴染+αと美少女ハーレムをつくってイチャラブ学園生活を送ると決心したオレ』

第2話 『職員室と女と金と地位と名誉』

1984年(昭和59年)6月22日(金)放課後 職員室への廊下 <風間悠真>  さて……どうするか。  小林正人をぐちゃぐちゃにしたせいで、今オレは職員室に向かっている訳だが、別にどうと言う事はない。何を言われるかも想像がつくし、どうやって...
『転生した以上、幼馴染+αと美少女ハーレムをつくってイチャラブ学園生活を送ると決心したオレ』

第1話 『再起動』

カタカタカタカタカタ……カチッカチッ……タン、タン……。  カタカタカタカタカタカタ……タン、タン……カチッカチッ……。  風間悠真は深夜の静寂の中、パソコンに向かっていた。画面には、終わりの見えないプロジェクトの闇が映っている。目の下にク...
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第196話 『一触即発、大村藩改易か?』

安政二年十二月二十五日(1856/2/1) 江戸城 老中御用部屋 「本音が、でたな」  堀田正篤まさひろの言葉に次郎は心の中で深呼吸をする。表情を崩さぬよう注意しながら視線を合わせると、正篤は手にしていた扇子を膝の上に置き、じっと次郎を観察...
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第190話 『飛龍丸献上』

安政二年五月二十九日(1855/7/12)   次郎は松前藩への軍事教練と併せて、共同で北方の警備体制を整えた。  ・久春古丹クシャンコタンのロシア軍陣地を焼却。 ・南樺太のクシャンコタンを大泊と名づけ、整備。 ・択捉島単冠ヒトカップ湾と国...
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第186話 『日露和親条約』

安政元年十二月二十一日(1855/2/7)~遡ること数ヶ月前 「絶対にダメです! 馬鹿ですか? 阿呆あほうですか?」  次郎はそう叫びたいのを必死に我慢して、地道に交渉にあたっていた。プチャーチンに対してではない。日露和親条約締結における日...
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第180話 『幕府対松前・大村藩。松前征伐とかならんよね?』

嘉永七年七月五日(1854/7/29) <次郎左衛門>  さて、幕府はどうでるかな?  江戸時代の奉行は寺社奉行・勘定奉行・町奉行の三つに分かれていて、そのうち領内の都市部(町方)の行政・司法を担当する役職が町奉行。  幕府以外にも各藩に寺...
『邪馬壱国の壱与~1,769年の眠りから覚めた美女とおっさん。時代考証や設定などは完全無視です!~』

第17話 『卑弥呼の使い、難升米』

正元二年十一月二日(255/12/2⇔2024年6月16日13:00) 已百支いはき国 宮田邑むら   比古那は四人の疑問と不安を解消しきれないまま、じゃあこのままどうすんだ? という極論で押し切って、洞窟の入り口に連れてきた。尊はさっきよ...
『邪馬壱国の壱与~1,769年の眠りから覚めた美女とおっさん。時代考証や設定などは完全無視です!~』

第15話 『已百支国にて如何に生きる?』

正元二年十一月一日(255/12/1⇔2024年6月16日12:00) 已百支いはき国 宮田邑むら   六人の目の前に広がる光景は、彼らの想像を遥かに超えていた。コンビニがあるはずの場所には、まるで教科書から飛び出してきたかのような光景が広...
天下百年の計?

第718話 『三個師団と三個艦隊。汽帆船の艦隊編成へ』

天正十三年六月二十九日(1584/8/5)   陸軍に関しては北方は小樽に、印阿国はケープタウンとカリカットに駐屯地を設営して地域の防備と運営にあたる事となったのだが、三個師団の増強はそこまで時間はかからなかった。  小樽、ペトロパブロフス...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第168話 『洋上での対プチャーチン。交渉せずとも進言す』

嘉永六年八月二十二日(1853年9月24日) 肥前 外海沖  「Я встречаюсь с вами впервые. Меня зовут Ота Ва Дзиродзаэмон, я главный помощник клана Ом...
天下百年の計?

第706話 『一応の決着。その後の新政府会議』

天正十二年三月五日(1583/4/26) 肥前国庁舎   数度による肥前国内での協議の上で、大日本国新政府の会議に臨む純正であったが、いくつもの懸念があった。  ・越後奥州問題 ・財政問題 ・大日本国憲法への批准  参加大名は小佐々純正、織...
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第151話 『スクリューと九条幸経』

嘉永五年六月七日(1852/7/23) 大村藩 精煉せいれん方 スクリュー研究室   象山が加硫によるゴムの安定化に成功した事と、潤滑油の開発が終了したことで、スクリュー製造の目処がたってきた。研究室内では実験結果を詳細に記録しながら、象山...
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第150話 『ソルベー法の完成と九条幸経』

嘉永五年四月二十日(1852/6/7) 肥前大村 精煉せいれん方   高炉の前で、いよいよ実際の装置設置と試験運転が始まった。  緊張感が漂う中、ブルークは真剣な表情で助手たちに向かって指示を出す。全員に決意の表情が浮かび、各自の持ち場につ...
転生したら弱小領主の嫡男でした!!元アラフィフの戦国サバイバル

第141話 『蝦夷地開発の上書と小曽根乾堂』(1851/11/6) 

嘉永四年十月十三日(1851/11/6)  江戸城 「伊勢守殿(阿部正弘)、蝦夷の伊豆守殿(松前崇広)より上書が来たとか。随分と真剣なお顔でござるが、如何いかなる内容だったのでござろうか」  牧野忠雅は、険しい顔をしながら書類を見ている阿部...
『邪馬壱国の壱与~1,769年の眠りから覚めた美女とおっさん。時代考証や設定などは完全無視です!~』

第2話 『邪馬壱国の壱与』2024年6月9日(日)

2024年6月9日(日) 長崎県西海市 宮田遺跡 <修一>  俺の前に立ちはだかるのは、目の前で蘇った古代の女性、”壱与”らしい。  ……馬鹿な事を。考古学を学ぶ者で、いや、日本史の古代を学んだ者なら頭の片隅にあるであろうその名前だ。目の前...
『邪馬壱国の壱与~1,769年の眠りから覚めた美女とおっさん。時代考証や設定などは完全無視です!~』

第1話 『扉』2024年6月8日(土)

2024年6月8日(土) 九州大学 「であるからして、九州地方、特に長崎県の西彼杵半島においては平野部が少なく、特に西岸の角力すもう灘沿岸には……」  講義の時間が終わり、片付けをする生徒達が目立つ。考古学の非常勤講師である中村修一は、ふう...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第110話 『電信機の実験失敗』(1849/4/13)

嘉永二年三月二十一日(1849/4/13) 大村藩 久原調練場   次郎「おい! 大丈夫やろうな! ?」  信之介「わからん!」  次郎「わからんってお前! 殿の御前だぞ! この前は問題ないって言いよったやろう(言ってただろう)が!」  信...
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。

第654話 『レイテ沖海戦~終~艦隊合流と有終の美』(1578/6/24)

天正七年五月十九日(1578/6/24)キャンカバト湾 スペイン軍 「閣下! 艦隊のほとんどが撃沈、拿捕だほされ、もう戦えません!」  傷を負った士官がオニャーテに駆け寄って告げる。小佐々軍の来襲を受け、なんとか一晩持ち越したものの、艦隊は...
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。

第639話 『景轍玄蘇、ヌエバ・エスパーニャ副王領、フィリピン総督フランシスコ・デ・サンデ・ピコンと相対す』(1578/4/8)

天正七年三月二日(1578/4/8) ビサヤ諸島 セブ島 「何? KOZASAの使者が来ていると? KOZASAというのは、あのKOZASAなのか?」  フィリピン総督のピコンは、伝令に対して聞き直した。 「はい。間違いありません。出で立ち...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第81話 『なるほど、天才だね。だけど大村には君以上の者は3人居るし、君くらいの者は両手で足りないくらい、いるよ』(1847/1/1)

弘化三年十一月二十五日(1847/1/11) 信濃松代藩 産物会所 「おお、そうだ。これであれば遜色あるまい」  身長180cmはあろうかという一人の大男が、職人が持ってきたガラスの器を手に取り、満足そうにうなずいている。その男が傍らの机に...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第55話 『斉昭の説得と幕閣の懐柔』(1842/12/12) 

天保十三年十一月十一日(1842/12/12) 江戸 水戸藩邸 「なに? 勝てぬと申すか?」  斉昭は目をぎょろりと見開き、次郎を見据えた。次郎は内心では心臓が張り裂けそうだったが、ギリギリで抑えた。 「……勝てぬ、とは申しませぬが、難かた...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第537話 上杉水軍襲来す!海上の危機と立花道雪の庄川渡河作戦

天正元年 四月一日 越佐海峡 霧島丸 巳の三つ刻(1000) 「単縦陣とする! 我につづけ」  第四艦隊司令長官である佐々清左衛門加雲少将の号令を合図に、陣形を変え、先頭に霧島丸、次いで二番艦足柄・三番艦羽黒と続いた。  小佐々海軍では二隻...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第478話 純正の決断、織田信長か武田勝頼か

元亀二年 九月二十五日 諫早城  発 治部 宛 中将  秘メ 武田家 家臣 曽根九郎ト 申ス者 来タリテ ワレラト 誼ヲ 通ジテハ     盛ンニ 商イヲ 行ヒタシ ト 申シケリ  然レドモ ワレラト 織田ニ 盟約アリテ ソノ敵 武田ト 結...
新たなる戦乱の幕開け

第398話 阿波三好家の凋落と義昭との軋轢?そして医学の進歩!

元亀元年(1570) 五月  池田城の城主追放に始まり、阿波三好と三人衆の摂津再上陸で勢いに乗ったかに見えた信長包囲網は、純正の予想通り、二月も経たずに瓦解した。 「純久! 純久はおらぬか!」  室町御所で声をあげて小佐々純久を呼んでいるの...
対島津戦略と台湾領有へ

第289話 従四位上検非違使別当叙任と将軍義昭と信長②

永禄十二年 四月 京都 信長の滞陣先 妙覚寺 「久しいな弾正大弼殿、いや、様の方がいいかな。息災であったか。ああそうだ、どうだ、五人は? 三月のはじめには着いておるだろう?」  相変わらずだなこの人は、と思いつつ純正は答えた。 「ありがとう...
肥前争乱、淘汰するものされるもの

第93話 露見! 隠し金山

永禄七年 十月 龍造寺の須古城侵攻の数日前 小佐々城 <純正> 「弾正大弼だいひつ殿、これは一体いかなる事ですかな?」  使者の一瀬栄正ひでまさが言う。 「どうもこうも、ごらんのとおりにございます」  大串の隠し金山が大村純忠にみつかった。...