豊後

北九州を二分する 二つの二虎競食の計

第158話 宗義調と吉岡長増

同年十一月 対馬 金石城 吉岡長増 「お初に御意をえまする。吉岡左衛門大夫長増にございます」。  目の前には対馬と壱岐七万石を治める宗讃岐守義調様がいる。今回は小佐々との関係を探り、離間の計が能うかどうか見極めにきたのだ。 「面をあげよ。吉...
北九州を二分する 二つの二虎競食の計

第155話 トーレスとマカオ市長とインド総督と

永禄十年 十月 小佐々城 小佐々弾正大弼純正  東南アジアとインド洋、そしてアフリカ東岸・西岸の航行の自由を確保するために、有力者のお墨付きが必要だ。  トーレスとは久しぶりに合う。以前は豊後府内を根拠地に布教をしていたが、今年の始めに居を...
横瀬浦開港 敵が味方 味方が敵に

第56話 本当にあった奴隷貿易 姉川六太

沢森政忠 「は?」  成金がすっとんきょうな声をあげた。 「は? ではない。いくらだ? と聞いておるのだ」 「ま、まさかお買いになるので?」 「なんだ、お前は人買いではないのか? 誰に売るつもりだったのだ?」 「へえ。南蛮の商人が買うと聞き...
横瀬浦開港 敵が味方 味方が敵に

第51話 永禄遣欧使節団、渡海する。

同年 五月    ついに! ついに決まった! 横瀬浦開港! 史実より三ヶ月早い開港である。豊後から布教長トーレスが大友宗麟の書簡をもって横瀬浦へ到着。トーレス自身が書簡を持ってきた事が大きい。  やった! 薩摩に勝った! !  俺は不死身で...
二島五ヶ村の領主 無双≠生き延び スタート

第50話 横瀬港の整備と石原岳堡塁

豊後に忍ばせてあった石宗衆から報告があった。  大友宗麟が横瀬浦への誘致に前向きらしい。いいニュースだ! 石宗衆の報告は定期的に千方に集められ、俺に伝わる。  正式に抱えて以来、資金の援助は惜しんでいない。各大名の城下町はもちろん、京大阪は...
二島五ヶ村の領主 無双≠生き延び スタート

第41話 戦乱の足音 藤原千方の報告

「千方か、入れ」 「はは」  相手が千方だと無駄な話がない。性格が生真面目、ではなく、主従の関係がそうさせているのだろう。 「それで、どうであった?」  言葉少なに聞く。 「は、されば先日の曲者ですが、やはり針尾伊賀守の手の者に間違いござい...
二島五ヶ村の領主 無双≠生き延び スタート

第37話 民部大輔、大村純忠

永禄四年(1561年)九月 大村館 沢森政忠 「平九郎よ。おぬしの言った通りになったのう」。  八月、宮の前事件は、史実通りに起きた。本当は事件前に、準備万端で横瀬浦誘致を進める予定だったけど、仕方ない。 「は、また今回の件は、三年前の宣教...
二島五ヶ村の領主 無双≠生き延び スタート

第34話 硝石としいたけは長ーい目でみよう。

一度、初心に返ってどんな産業が可能で儲かるか、できるだけ考えてみよう。まずはそれからだ。  ■山(農業)  ・菜の花(菜種油と食用、ビタミンC……南蛮船に売る壊血病予防)    ・小麦から小麦粉でパンを作る。……食用とパンくずを消しゴムに。...
二島五ヶ村の領主 無双≠生き延び スタート

第33話 石鹸大量生産と販路拡大のまっき~!(の巻)

書斎で書き物をしていると……。もちろん試作品の鉛筆で! 忠右衛門が入ってきた。うーん、ちょっと報告を聞くのが、気が重い。大体予想がつく。 「その後、石けんはどうだ?」    まず短期間で収益をあげそうなのが、石けんと鉛筆だ。 「は、売れ行き...
二島五ヶ村の領主 無双≠生き延び スタート

第29話 利三郎と忠右衛門

永禄四年(1561年) 五月 岳の城 沢森利三郎政直  どたどたどたどたどた!    忠右衛門と二人で主殿に向かう。なんでまた、いきなりなんだ? 「殿!」 「殿!」  主殿の下座には先日家督を相続したばかりのわが殿、平九郎様がいらっしゃった...
歴史改変仕方ない。やること多すぎです。

第13話 平戸の南蛮船誘致と宗教改革の提案

疑いと興味と期待とがまざった表情で俺を見ている親父に対して、俺は淡々と答える。   「可能です。ただし父上はもちろん、小佐々の殿様のお力も必要です」 「詳しく話してみろ」 「はい、現在南蛮船は九州のいろいろなところに来航し、各大名領主も率先...
歴史改変は悪だけど、死ぬのはいやです。

第5話 戦国にて初の決断の時〜横瀬への南蛮船寄港計画〜

鋭い! 絶妙に鋭い! ベタすぎるくらい鋭い! ていうか、意味不明なこと書いてぶつぶつ言ってたら誰でも(どうした?)ってなるよね。  前世でも弟いたけど、どっちかって言うと無口で職人気質しょくにんかたぎだったから、新鮮っちゃ新鮮。……いやいや...
年表・統治機構

1566年~1570年(忘備録)

1566年(永禄九年) 1月 小佐々領 人口十二万人 石高 十八万三千七百五十二石 波多家 十四箇条の定めにより保護国化 2月 沢森家 第三子 吉法師誕生 第四子 愛姫誕生 3月 海軍伝習所 第一期生卒業 計百二十八名(松浦郡十六名・彼杵郡...
年表・統治機構

小佐々家統治機構・軍編成概要(忘備録)

以下、特に大学・軍編成は随時更新 ()内の年齢は1561年時点 当主   小佐々弾正大弼純正(沢森政忠)従四位上  正四位下近衛中将(元亀元年六月昇進)  従三位権中納言近衛大将(元亀三年/天正元年一月昇進)  検非違使別当 顧問  沢森政...
人物紹介

人物紹介⑤(273話~347話)

種子島時尭(33)※273話 種子島氏第14代島主。日本に最初に銃を導入し、国産化に導いた。小佐々家の南方戦略にともない、冷え切っていた島津家と関係を清算するため、同盟を結ぶ。 仲屋乾通(51)※ 戦国期の豊後の豪商。通称は次郎左衛門。享禄...
人物紹介

人物紹介④(127話~272話)

( )内は転生時、永禄4年(1561年)時点での数え年齢です。基本的に架空・史実の両方記載しますが、史実の人物の生没年、内容、記載の有無は筆者の任意なのでご了承ください。※は史実人物(本作ストーリー上内容修正あり) 龍造寺政家(5)※純家/...
人物紹介

人物紹介②(12話~50話)

( )内は転生時、永禄4年(1561年)時点での数え年齢です。基本的に架空・史実の両方記載しますが、史実の人物の生没年、内容、記載の有無は筆者の任意なのでご了承ください。※は史実人物(本作ストーリー上内容修正あり) 沢森吉野(32) 沢森平...