突撃

東アジアの風雲

第774話 『朝鮮出兵-3-鴨緑江の対峙』

天正二十一年二月十八日(1592/3/31) 朝鮮・明国国境 鴨緑江「申し上げます! 敵日本軍、鴨緑江の対岸に陣をはり、待ち構えております!」 明軍の総大将である楊鎬ようこうは斥候の報告を聞いて考え込む。 軍は鴨緑江の西岸から数キロ離れた地...
東アジアの風雲

第766話 『哱拝対魏学曽。石嘴山の戦い』

天正十九年九月十七日(1590/10/15) 寧夏鎮ねいかちん 天正十九年四月八日(1590/5/11)に魏学曽が固原鎮こげんちんに駐屯して5か月がたっていた。 哱拝ぼはい軍と明軍の兵力を考えれば、明軍が倍以上であるがその士気は低く、仮に魏...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第560話 城生城の落城と鎌田政年の討死。両軍、和議となるか?

天正元年 四月五日 酉四つ刻(1830) 越中 戸波村~鷲塚村 島津軍 巳の四つ刻(1030)から始まった島津軍と上杉軍の戦闘は、巧みに離合集散を繰り返して互角のまま推移していたが、もう間もなく日没になろうかという頃、唐突に終わりを告げた。...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第546話 道雪と謙信。四月の庄川決戦~中盤戦へ

天正元年 四月二日 午二つ刻(1130) 庄川西岸(二塚村) 道雪本陣 戦闘開始から一刻(2時間)が経過し、放生津ほうじょうつ城からの伏兵と、それを防ぐために渡河した肝付・島津軍は乱戦となっていた。 伊東軍の先陣を包囲殲滅せんめつしようとし...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第541話 両軍激突直前! 両越騒乱、庄川の戦い、始まる。

天正元年 四月二日 寅三つ刻(0400) 越中 庄川周辺 曇り 庄川を渡河するにあたって、四つの地点があったが、道雪は一番近い中田村の瀬からの渡河は選択肢から外した。 一度に大量の兵が渡河することは可能だが、深いために身動きがとれない。 弓...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第539話 接舷乗艦と火矢攻撃、第四艦隊壊滅??

天正元年 四月一日 午一つ刻(1100) 立花道雪 陣中「殿、杉浦壱岐守様がお見えです」「何? 壱岐守殿が?」 九州の武士である道雪にとって、杉浦玄任(1517~)は見知らぬ人物である。道雪以外の、一番近い摂津三好衆にとっても知っている者は...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第455話 悪人?吉川駿河守元春

元亀二年 四月二十一日 伯耆国 岩倉城 吉川元春の軍勢が岩倉城を包囲した翌日、美作の小田草城へ向かっていた南条元続は急報を受けた。急ぎ陣払いをして岩倉城の救援に向かったのだが、すでに城は落とされた後であった。 吉川軍の裏切りという事態と明ら...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第438話 新参者、宇喜多右衛門尉直家と黒田官兵衛孝高

元亀元年 十一月二十五日「本当にこれで良かったのだろうか」 純正が直茂に確認する。すでに3日間に及んだ会談は終わり、諸大名は純正への挨拶を終えて、それぞれの領国へ帰った後であった。「ようございました。あれで大国毛利も小佐々には敵わぬ、と諸大...
新たなる戦乱の幕開け

第408話 織田信忠と留学生の夏休み

元亀元年 七月二日 岐阜城「まったく戦になりませぬ」 岐阜城の居室で信長と話しているのは、嫡男の勘九郎信忠である。「ほう、どのように違うのだ」「は、われらが戦をする際は、まず斥候を出して相手の動きを探ります。籠城するのか野戦なのか、野戦なら...
西国の動乱、まだ止まぬ

第353話 予土戦役、黒瀬城攻防戦①恐るべき元黒瀬七城と新しき防衛戦法

永禄十二年 十月二十三日 伊予南西部 宇和郡  伊予の国人の調略は順調に進んでいたものの、西園寺の攻略が遅々として進んでいなかった。 宗麟の本隊は宿毛城から伊予に入った。 別働隊は鷲が森城より伊予に入っていたのだが、敵の防御が妙だったのだ。...
西国の動乱、まだ止まぬ

第350話 息子織田勘九郎信忠より父である織田弾正忠信長への手紙

永禄十二年 十月 岐阜城 父上、勘九郎(信忠)が筆を取りまする。 小佐々家中の新造の船ガレオンなるものにて薩摩へ向かいて、弾正大弼様の戦を見届け奉るという、光栄の任を受け候えど、我が身は合戦の見届け役に過ぎず、合戦への介入は一切ないと契り、...
5強まであと7,000石(現在36,824石)

第86話 あれ? なんか小さくない? 

喜び勇んで見てみたら……なんか小さい。 南蛮船の来航にあわせて馬を頼んでいたのに、予想より一回りから二回り弱かな?  それでも、大串の牧場でみた馬より一回り大きい。140cm~150cmくらいだ。 うん、どうした? 何かの手違いか? だとし...
横瀬浦開港 敵が味方 味方が敵に

第68話 阻止せよ!横瀬浦上陸!

「距離、ロクサンテンマル! (六十三町・約6,867メートル)」 測距員が叫ぶ。「やはりか。まったく足りぬな。まだ時間がかかるか」 深作治郎兵衛兼続は、戦況を一変させる可能性はないかと淡い期待を寄せて、針尾城まで砲撃できぬかと考えたようだが...
歴史改変は悪だけど、死ぬのはいやです。

第8話 美しい姉と忘れた記憶―戦国時代の兄妹の再会

永禄四年 四月 沢森城 喜々津御前の居室 沢森政忠 日差しの差し込む中庭に面した部屋のなかで、姉である喜々津御前と息子の幸若丸、そして妹の雪姫が、3人で遊んでいた。「義姉上、今少しよろしいでしょうか?」 俺は深呼吸して声をかける。「いいです...