伝令

大日本国から世界へ

第748話 『ポルトガル王都リスボンと新たな転生者』

天正十八年一月十四日(1589/2/28)   元亀二年(1571年)から開発が始められた炸裂弾とその砲は、日夜国友一貫斎を中心として研究開発がなされていたが、すでに18年の歳月が流れていた。  一貫斎は、純正の叔父であり、肥前国の科学技術...
大日本国から世界へ

第745話 『オスマントルコ帝国とポルトガル』

天正十七年八月十六日(1588/10/6) アラビア海ソコトラ島沖 「各員、警戒を厳となせ」  純正は単艦で(補給艦含まず)航海をしていたが、カリカットの印阿第一艦隊よりケープタウンまで護衛の要望があったので、隷下の一個水雷戦隊(軽巡一、駆...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第241話 『蝦夷地とロシア』

安政六年十一月十五日(1859/12/8) 大阪 「なんですと? 福井の殿様が蒸気船を?」  鴻池善右衛門は大阪で室屋(内田)宗右衛門よりその報を聞いた。 「それはまずい事になりましたな」 「ええ、そう思ったんで御用商人の筆頭である善右衛門...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第202話 『四ヶ国連合艦隊来航す』

安政三年七月十七日(1856/8/17) 大村藩庁   次郎はあまりの暑さに冷蔵庫の氷を舐め、特製のゴム袋に氷を入れて頭を冷やしてふうふう言っていた。  扇風機もなければエアコンもない。技術を軍事と産業に全フリしてるから、生活環境改善系の機...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第200話 『功山と宇和島藩』

安政三年五月十四日(1856/6/16) 伊予 宇和島城  伊予宇和島藩主伊達宗城は幕末の四賢侯と呼ばれ、松平春嶽・山内容堂・島津斉彬とともに積極的に幕政に参加した事で有名であるが、今世では少し違う。  史実と同じように阿部正弘に幕政の改革...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第162話 『サスケハナ艦上にて対峙する』

嘉永六年五月二十日(1853年6月26日) 浦賀沖 「提督、奴らはどうするでしょうか」  ブキャナンがペリーに尋ねると、ペリーは葉巻をふかしながら静かに言う。 「ふむ。琉球の件があるので慎重に行動しなければならないが、臆することはない。奴ら...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第159話 『一触即発! 琉球にて』

遡る事嘉永六年二月十九日(1853/3/28)  鹿児島城 「おお! これは肥前の宰相、太田和次郎左衛門殿! お会いしとうござった!」  少し|慇懃《いんぎん》無礼気味に見えるが、次郎はそれを感じつつも低姿勢で応対する。 「はは。英明なる豊...
天下百年の計?

第697話 『本能寺の変』(1582/6/21)

天正十一年六月二日(1582/6/21) 京都大使館   織田信長をはじめとした旧来の新政府の面々に加え、北条からの使者を諫早に迎える事が出来たのは大きかった。氏規も江雪斎も小佐々の国力と軍事力に度肝を抜かれ、すっかり新政府の一員としての考...
技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ

第667話 『磯根崎沖海戦』(1579/4/30) 

天正八年四月五日(1579/4/30) 未一つ刻(1300) 上総竹岡湊沖~磯根崎沖 「艦橋-見張り」 「はい艦橋」 「右六十度、距離三○(3km・海軍ではメートル法基準)、小舟多数。南に向かっている」  見張りの報告を受けた艦長をはじめと...
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。

第647話 『長蛇の列とタブゴンの戦い』

天正七年五月三日 レイテ島南部 タブゴン  パパン! パパパパーン……。  タブゴン湾を見渡せる150mほどの丘の上から、散発的に銃撃が小佐々軍の偵察分隊に加えられている。しかし、幸いな事に距離は500mを超えているようだ。当たらない。  ...
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。

第642話 『マニラでの織田海軍と南の戦局、明の動き』(1578/5/5)

天正七年三月二十九日(1578/5/5) マニラ 「損害が順天丸だけでようございましたな」 「うむ。お主の日々の鍛錬によって、よく船が動いたおかげじゃろうて」 「ありがたきお言葉にございます」  マニラに帰港した織田艦隊は、艦艇の補修を行い...
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。

第639話 『景轍玄蘇、ヌエバ・エスパーニャ副王領、フィリピン総督フランシスコ・デ・サンデ・ピコンと相対す』(1578/4/8)

天正七年三月二日(1578/4/8) ビサヤ諸島 セブ島 「何? KOZASAの使者が来ていると? KOZASAというのは、あのKOZASAなのか?」  フィリピン総督のピコンは、伝令に対して聞き直した。 「はい。間違いありません。出で立ち...
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。

第625話 『北緯41度53分38秒東経143度15分45秒にて北条海軍と北方探検艦隊の邂逅』(1576/9/26)

天正五年九月一日(1576/9/26)  3年前の天正二年二月に樺太島を発見した第2回北方探険隊は、北海道北端から沿岸を南下、東進して歯舞群島、色丹・国後・択捉へと北上した。  その後さらに千島列島を北上し、カムチャッカを発見したのだが、当...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第565話 続く謙信の誤算と和睦への流れ

天正元年 四月十日 京都 大使館 「大使、関白様がお見えです」  大使館の近習が純久につげる。 「叔父上、これは……」 「うむ、昨日の和議の件に関しての事であろうな」 「……よし、お通ししろ」  ちょうど二人の時の来客であった。  純正は四...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第560話 城生城の落城と鎌田政年の討死。両軍、和議となるか?

天正元年 四月五日 酉四つ刻(1830) 越中 戸波村~鷲塚村 島津軍  巳の四つ刻(1030)から始まった島津軍と上杉軍の戦闘は、巧みに離合集散を繰り返して互角のまま推移していたが、もう間もなく日没になろうかという頃、唐突に終わりを告げた...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第559話 立花道雪の包囲vs.上杉謙信の包囲

天正元年 四月五日 午三つ刻(1200) 能登 輪島沖 「兄上、然れど昨日の三国湊は妙でしたね。煙が上がってました。君子危うきに近寄らずで、通り越して塩屋湊に寄りましたが、なにかあったんでしょうか」 「助兵衛(来島通総)よ、いや殿。いい加減...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第558話 激突! 島津vs.上杉と七尾城の陥落

天正元年 四月五日 午三つ刻(1200) 越中 水戸田村 道雪本陣 「申し上げます! 敵勢六千! 島津勢に掛かりけり候(攻撃しました)!」 「何? 案に違えて(予想外に)早いの。敵将は誰じゃ?」 「は……それが、謙信自らかと思われます!」 ...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第557話 島津軍の混乱 毘沙門天・上杉謙信は何処?

天正元年 四月五日 辰四つ刻(0830)能登 鹿島郡  「なんと……誠であったか……」 「はは、所口湊には数多の兵船があり、城下は無論の事、湊も上杉の兵で溢れておりました」  畠山義慶よしなりは阿尾城を襲った敵に備えるため、道雪本隊から離れ...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第549話 謙信を囲む

天正元年 四月三日 卯の一つ刻(0500) 庄川東岸(大門新村) 上杉軍本陣 小雨 「申し上げます! 一里(3.927km)南に敵多数! 川を渡ってございます!」 「何い! ? 馬鹿な! 夜のうちに渡ったと申すか?」  昨日、日没後から降り...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第548話 織田と一揆と、隠尾城と千代ヶ様城

天正元年 四月二日 未二つ刻(1330) 庄川西岸(二塚村) 道雪本陣 曇りときどき雨 「申し上げます! 一条隊が布陣を終え、龍造寺隊は千代ヶ様ためし城に掛かりけり(攻撃した)候!」  道雪の本陣とわかれ南へ向かった二隊も、一条隊は布陣し、...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第546話 道雪と謙信。四月の庄川決戦~中盤戦へ

天正元年 四月二日 午二つ刻(1130) 庄川西岸(二塚村) 道雪本陣  戦闘開始から一刻(2時間)が経過し、放生津ほうじょうつ城からの伏兵と、それを防ぐために渡河した肝付・島津軍は乱戦となっていた。  伊東軍の先陣を包囲殲滅せんめつしよう...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第545話 悲報、伊東軍の苦戦と岩成友通の戦死。

天正元年 四月二日 巳みの三つ刻(1000) 庄川西岸(能町村) 島津本陣  伊東軍が上杉軍右翼三千と戦闘を開始して半刻(1時間)が経過していた。 「や! これは……まずい。急ぎ伝令を!」  庄川の西岸にある島津本陣から対岸の伊東軍の先陣が...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第544話 緊急事態に立花道雪の決断と秘密兵器

天正元年 四月二日 巳みの二つ刻(0930) 庄川西岸(出来田村) 立花道雪移動中 「申し上げます! 敵別働隊が放生津城に入っております!」  道雪を驚愕きょうがくさせる報告がはいったのだ。 「何? 数は?」 「は、およそ二千の上杉兵! さ...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第543話 三好長治の試練と上杉方・放生津城の異変

天正元年 四月二日 巳みの一つ刻(0900) 庄川西岸(枇杷首びわくび村) 三好長治陣 「申し上げます! 最左翼の島津軍、川を渡りて敵と一戦を交える構えにございます!」 「なに! ? 我らも負けてはおられぬ! 直ちに徒渉としょう(徒歩での渡...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第542話 庄川決戦:島津義弘の挑戦

天正元年 四月二日 辰三つ刻(0800) 庄川西岸(能町村) 島津義弘陣 「申し上げます! 敵、南一里半(約5.8km)の大門新村に陣を構えてございます!」 「何? 南だと? やつら、我らを思い消ちたるや(無視しているのか)! ?」  物見...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第541話 両軍激突直前! 両越騒乱、庄川の戦い、始まる。

天正元年 四月二日 寅三つ刻(0400) 越中 庄川周辺 曇り  庄川を渡河するにあたって、四つの地点があったが、道雪は一番近い中田村の瀬からの渡河は選択肢から外した。  一度に大量の兵が渡河することは可能だが、深いために身動きがとれない。...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第539話 接舷乗艦と火矢攻撃、第四艦隊壊滅??

天正元年 四月一日 午一つ刻(1100) 立花道雪 陣中 「殿、杉浦壱岐守様がお見えです」 「何? 壱岐守殿が?」  九州の武士である道雪にとって、杉浦玄任(1517~)は見知らぬ人物である。道雪以外の、一番近い摂津三好衆にとっても知ってい...
緊迫の極東と、より東へ

第504話 加越同盟と越前の未来

天正元年(元亀三年・1572年) 二月六日 「敵大軍なれども われに地の利あり 心配に及ばず 一乗谷で 督戦 あれ」  一乗谷にあって全体を指揮していた義景のもとに、巳の一つ刻(09:00)に戦端が開かれたとの一報が入ったのは申一つ刻(12...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第447話 西国の火種と東美濃の争乱。そして山家三方衆

元亀二年 二月二十五日  三ヶ月前の元亀元年十一月、新しい西国の枠組みが決まった。  一万石から三万石の国人の多くが純正の提案を受け入れ、知行地を大幅に減らし、俸祿にて仕えることを選んだのだ。  しかし、領民やその下の家臣たちも、たかだか三...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第446話 信長の越前攻め

元亀二年 二月八日 岐阜城 「時は来た。いざ越前へ攻め入るぞ」。  満を持した信長の号令の下、一次侵攻の時と同じように、浅井長政の一万とあわせて、合計六万の軍勢が越前に攻め入ったのだ。  浅井長政軍を主力とした一万五千の兵が敦賀口から金ヶ崎...
西国の動乱、まだ止まぬ

第382話 永禄十二年 十二月一日 庄内の乱、東郷の乱。

永禄十二年 十二月一日 巳の一つ刻(0900)薩摩  薩州島津家当主、※島津義虎が動いた。  南下して、二十年も抗争を続けてきた東郷氏の旧領を攻めたのだ。  東郷氏は渋谷一族の分家で、祁答院氏や入来院氏とともに島津家と戦ってきたが、すでにす...
西国の動乱、まだ止まぬ

第365話 土佐安芸郡一揆、安芸千寿丸改め弘恒蜂起する。②

永禄十二年 十一月七日 京都 在京小佐々大使館  親泰、我が家中の重き臣として、深き憂いの報せを伝えん。  去る十月三十一日、安芸郡伊尾木村にて一揆起こりて勢い強く、江川村、土居村へと広がりつつあり。  さらには、我が軍がかつて討ち取った安...
5強まであと7,000石(現在36,824石)

第86話 あれ? なんか小さくない? 

喜び勇んで見てみたら……なんか小さい。  南蛮船の来航にあわせて馬を頼んでいたのに、予想より一回りから二回り弱かな?   それでも、大串の牧場でみた馬より一回り大きい。140cm~150cmくらいだ。  うん、どうした? 何かの手違いか? ...
横瀬浦開港 敵が味方 味方が敵に

第63話 死闘!葛ノ峠の戦い①

永禄六年二月 小佐々城 小佐々純勝 「申し上げます! 宮村城の大村純種様、ご謀反にございます!」 「なに?」  おそらく、単独ではない。背後に後藤か松浦が控えているのであろう。  いずれにしてもこちらも出なければ、南風崎はえのさきの砦があぶ...
横瀬浦開港 敵が味方 味方が敵に

第62話 大友の代理戦争 有馬大村連合軍

永禄六年 正月 沢森城 沢森政忠  有馬義貞と大村純忠の連合軍一万が杵島から小城郡へ侵攻した。  今回の連合軍の意図は明確で、膨れ上がる龍造寺隆信の領土拡張を食い止めるためである。龍造寺は東肥前を統一し、北肥前の松浦衆を降しつつ、多方面で領...
歴史改変仕方ない。やること多すぎです。

第18話 蛎浦に敵あり! 五島の権益を守れ

四月九日 午四つ時(1230) 小佐々城 小佐々弾正純勝 「申しあげます!」 「何事だ!」  伝令の全身から絞り出すような大声に、息子の純俊といっしょに将棋をしていたわしは我に返る。 「蛎浦かきのうら、敵襲にございます! お館様より小佐々様...
年表・統治機構

1561年~1565年(忘備録)

1561年(永禄四年) 4月  転生 蠣浦の海戦 5月 石けんの製造・販売開始 鉛筆の研究製造開始 綿花増産計画(同時にふとん製造) 硝石製造の研究開始 「ナタ目」法による椎茸試験栽培 同「種駒」式栽培研究開始 切り干し大根の生産製造・研究...