寄進

転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第53話 『高野長英と徳川斉昭』(1842/12/12)

天保十三年十一月十一日(1842/12/12) 江戸 <次郎左衛門>  9月26日に大村を出発して、俺たちが江戸についたのは11月11日だ。    俺の上京、じゃなかった江戸参府の同行には目的があった。それは長英さん(高野長英)の見舞いに行...
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え

第603話 石山本願寺包囲戦(1574/5/21)

天正三年五月一日(1574/5/21)  純久からの連絡を受けた純正の行動は早かった。    三好の淡路水軍を用いて木津川口を封鎖し、海上からの補給路を断ったのだ。摂津の三好軍も動員して北側を封鎖し、南側は織田領で逃げ場はない。  京都の独...
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え

第602話 東西本願寺と加賀、紀伊の服属(1574/5/11)

天正三年四月二十一日(1574/5/11)  太田和利三郎(治部少輔)政直や日高甲斐守喜、伊集院掃部助忠棟をはじめとした小佐々家外務省の渉外担当官は、多くを語らず、ただ聞かれた事のみを答えた。  これは可、これは非という形の説明に終始したの...
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え

第600話 戦争と平和(1574/2/17)

天正三年一月二十六日(1574/2/17) 摂津 石山本願寺 「なんと! そのような事できようはずがない」  本願寺顕如は七里頼周の報告を聞き、鼻で笑うかのように言い放った。 「されど従わねば、われらは小佐々の敵となりますぞ」 「わかってお...
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え

第599話 加賀一向宗、騒乱の幕引き(1574/2/10)

天正三年一月十九日(1574/2/10) 加賀 「では三河守殿、どうあっても織田家との|諍《いさか》、弓を伏せて越前討ち入りを取りやめる気にはなりませぬか」  太田和利三郎政直はもう二刻(4時間)も話し込んでいる。それでも七里三河守|頼周《...
緊迫の極東と、より東へ

第489話 石山本願寺坊官下間頼廉、和睦条件の緩和に挑む。

元亀二年 十一月二十日  中途半端な包囲網が信玄ありきで成立していたのだが、武田の撤退により事実上瓦解した。  将軍義昭は殺害されるのを恐れて逃亡し、他の抵抗勢力も各個撃破され、残りは厳しい和睦の条件をのむべきか、という瀬戸際に立たされてい...
北九州を二分する 二つの二虎競食の計

第154話 筑前仕置 驚愕の元就と宗麟

永禄十年 十月 小佐々弾正大弼純正  結局、立花鑑載と高橋鑑種、秋月種実は本領安堵の国人衆の二を選び、宗像氏貞と原田隆種は四を選んだ。  立花鑑載が糟屋郡と広田郡と嘉麻郡の三郡、鞍手郡の四十五ヶ村で十五万五千石。  高橋鑑種は那珂郡と御笠郡...
肥前争乱、淘汰するものされるもの

第94話 西郷 純堯 深堀純賢 動く

永禄七年 十一月 高城 西郷純堯 (今しかない。仏敵大村純忠を討つのは、今しかない)  高城城主の西郷純堯は思った。妻は有馬義貞の姉で、妹は大村純忠の妻である。親類縁者でも容赦なく敵になる、それが戦国時代だ。  キリシタンの教えにかまけ、自...
歴史改変仕方ない。やること多すぎです。

第13話 平戸の南蛮船誘致と宗教改革の提案

疑いと興味と期待とがまざった表情で俺を見ている親父に対して、俺は淡々と答える。   「可能です。ただし父上はもちろん、小佐々の殿様のお力も必要です」 「詳しく話してみろ」 「はい、現在南蛮船は九州のいろいろなところに来航し、各大名領主も率先...