領主

西国の動乱、まだ止まぬ

第360話 予土戦役、黒瀬城攻防戦③裏切りが裏切りを呼ぶ?宗麟の予感は当たるのか

永禄十二年 十月二十五日 伊予 長浜村(愛媛県大洲市長浜町)  宗麟たちは占領した板島城(愛媛県宇和島市和霊町)より河後森城(北宇和郡松野町富岡)へ抜けた。  その後北上して三滝城(西予市城川町窪野)、さらに北上して宇都宮領の伊予曽根城(喜...
西国の動乱、まだ止まぬ

第352話 第六天魔王信長と純久

永禄十二年(1569年) 十月二十三日 京都大使館  島津が小佐々に敗れ、条約を結んでから十日後。大使館の大使執務室では、純久が書類の山に埋もれながら仕事をしていた。  以前純正に願いでて、検非違使と所司代の人員を増やす事ができたのだが、ま...
肥薩戦争と四国戦役

第346話 九州平定セン、然レドモ先ハ尚長シ……。

十月十九日 巳二つ刻(0930) 日向国紫波洲崎村(宮崎市折生迫)   三人が全員そろうまで、四日かかった。伊東祐青は自領内での開催もあって、通達が届くのは一番遅かったが、十六日に紫波洲崎城へ挨拶にきていた。  純正は城内に案内され城で過ご...
肥薩戦争と四国戦役

第344話 肥薩戦争⑬九州探題と三州守護

永禄十二年(1569) 十月十三日 未一つ刻(1300) 内城沖 金剛丸   純正の一言で場がよくわからない雰囲気になってしまったが、もう昼である。小腹も空いたことで、昼食となった。  食事をしてコミュニケーションをとり、相手との親和度を高...
北九州を二分する 二つの二虎競食の計

第154話 筑前仕置 驚愕の元就と宗麟

永禄十年 十月 小佐々弾正大弼純正  結局、立花鑑載と高橋鑑種、秋月種実は本領安堵の国人衆の二を選び、宗像氏貞と原田隆種は四を選んだ。  立花鑑載が糟屋郡と広田郡と嘉麻郡の三郡、鞍手郡の四十五ヶ村で十五万五千石。  高橋鑑種は那珂郡と御笠郡...
肥前争乱、淘汰するものされるもの

第96話 後藤惟明、命に服す

同年 十一月 武雄城 後藤惟明  義父上である後藤貴明の命令は絶対である。私が反抗できるはずもない。私は後ろ盾を失った、ただの十九の居候である。しかし、此度こたびばかりは……。 「義父上! いらっしゃいますか?」  私ははっきりと在室を確認...
5強まであと7,000石(現在36,824石)

第88話 宇久純定という男

永禄七年 二月 五島江川城 宇久純定  五島は宇久純定(39)が統治していた。親平戸松浦勢力である。  いや、だったが正解だ。  純定の祖父が家臣の謀反で死に、父が逃亡先の平戸で育って、隆信の父興信の代に援助を受けて取り返したのだ。  しか...
5強まであと7,000石(現在36,824石)

第83話 宮の村返せだって? あんたバカぁ?↑ 

永禄六年(1563) 七月 大村館 小佐々弾正 「おお! よくぞ来た平九郎! 小佐々の家督をついだそうだな」  俺が来たのが嬉しいのか、それともなにか魂胆があるのかわからない。主殿に案内された俺は、喜々とした純忠の態度に驚いた。  日の出の...
5強まであと7,000石(現在36,824石)

第82話 イエズス会と南蛮貿易

永禄六年 七月 小佐々城 小佐々弾正  千方が手の者を使って盗ませた、インドの管区長あての書簡(もちろん戻したが)にはこう書いてあった。  インド管区長様  その者、平戸の松浦を屈服させ、再び港として、使ってほしいと申しております。  ドン...
横瀬浦開港 敵が味方 味方が敵に

第73話 674石から11,536石へ 佐志方杢兵衛

同年 五月  早岐城主の早岐甚助、日宇城主の日宇舎人とねり、井手平城主の岡甚右衛門、広田城主の遠藤千右衛門、鷹の巣城主の堀江大学らが沢森城に来た。  佐世保から宮の村までの諸豪族を連れて、佐志方城主、佐志方杢兵衛が沢森城へ来たのだ。その他、...
横瀬浦開港 敵が味方 味方が敵に

第58話 大村純忠、ドン・バルトロメオとなる。

やばい。まじやばい。嘘やろ? 早すぎるって! 来年やろ? 「本日、大村民部大輔様はじめ、家臣数名がキリシタンになるべく受洗された由にございます」  もー、なにやってるんですか純忠様! 早いですって!  俺は急いで見張り台に駆け上り、日の丸の...
横瀬浦開港 敵が味方 味方が敵に

第56話 本当にあった奴隷貿易 姉川六太

沢森政忠 「は?」  成金がすっとんきょうな声をあげた。 「は? ではない。いくらだ? と聞いておるのだ」 「ま、まさかお買いになるので?」 「なんだ、お前は人買いではないのか? 誰に売るつもりだったのだ?」 「へえ。南蛮の商人が買うと聞き...
横瀬浦開港 敵が味方 味方が敵に

第55話 本当にあった奴隷貿易 姉上と、おれと、いもうと

同年 八月  沢森領は少しずつ豊かになっている。  石けん、鉛筆、塩、醤油、味噌など、コタツや布団など耐久品も含めた生活必需品が充実している。(もちろん、領内の城は簡易水洗にしているよ!)  なにより人口が増えた。  転生時の永禄四年四月に...
横瀬浦開港 敵が味方 味方が敵に

第54話 手旗と旗旒信号と望遠鏡

技術街の職人に頼んでおいたレンズがやっと完成した。それを元に望遠鏡の製造を依頼して、石原岳堡塁と岳の城、天崎城と沢森城、本郷城と小佐々城に設置する。  晴れた日で視界が良ければ、裸眼でも視認できる距離の城同士もあった。(みんな目がいい!)で...
二島五ヶ村の領主 無双≠生き延び スタート

第43話 山内二十六ヶ山の総領 神代勝利

肥前国 波佐見 内海城 神代勝利 「お初に御意を得まする。沢森平九郎政忠にございます。」  若いな、息子長良より一回り下位か。  内海殿と私は同時に挨拶をし、まずは内海殿がこの若い彼杵の領主に話しかけた。 「堅苦しい挨拶は良い。先だってから...
二島五ヶ村の領主 無双≠生き延び スタート

第41話 戦乱の足音 藤原千方の報告

「千方か、入れ」 「はは」  相手が千方だと無駄な話がない。性格が生真面目、ではなく、主従の関係がそうさせているのだろう。 「それで、どうであった?」  言葉少なに聞く。 「は、されば先日の曲者ですが、やはり針尾伊賀守の手の者に間違いござい...
二島五ヶ村の領主 無双≠生き延び スタート

第38話 調略と石宗衆の誕生

せっけんの生産と販売の目処はついた。高級石けんを販売して、領内のみで普通石鹸を売る。そのために、イワシの油をまぜた。  臭いは強いが値段が菜種の半分程度なので、臭いが気にならない程度にまぜて、三分の二程度に原価をおさえたのだ。  もちろん基...
二島五ヶ村の領主 無双≠生き延び スタート

第30話 灰も油も絶対数が全く足りない。

足りない足りない足りない。まあああったく足りない。  現状で並行してやっている事といえば、陸路では中浦-多比良と横瀬-川内の関所の廃止。(EUみたいな感じ?)  商人の往来を増やすためだが、小佐々とは寄り親寄り子に近い存在。関銭はもともとな...
二島五ヶ村の領主 無双≠生き延び スタート

第29話 利三郎と忠右衛門

永禄四年(1561年) 五月 岳の城 沢森利三郎政直  どたどたどたどたどた!    忠右衛門と二人で主殿に向かう。なんでまた、いきなりなんだ? 「殿!」 「殿!」  主殿の下座には先日家督を相続したばかりのわが殿、平九郎様がいらっしゃった...
二島五ヶ村の領主 無双≠生き延び スタート

第27話 神!まじ神!!おばあちゃんの知恵袋

さて、さっきの四項目にいろいろと当てはめて考えてみよう。  一、重要で緊急性の高い仕事。  二、緊急ではないけれども重要度が高い仕事。  三、重要度は低いけれども緊急性が高い仕事。  四、重要度と緊急性が低い仕事。  この中で重要な事、それ...
二島五ヶ村の領主 無双≠生き延び スタート

第26話 転生人から674石の領主へ

家督をついだ。実感は、あまりない。儀式は滞りなく終わった。小佐々の殿様にも家督相続の報告に行ったが、喜んでくれた。親父が存命中だから、てっきり相続前に反対するかと思っていた。  ……親父め、裏から手をまわしやがったな。  親父とはあれから、...
歴史改変仕方ない。やること多すぎです。

第15話 領主の決断 ~平戸の南蛮貿易と水軍の役割~

「どういう事だ?」  親父が聞いてきた。 「大村様は周りを敵に囲まれております。東の西郷は義理の兄弟で、島原の有馬様の陣営にありますが、いつ敵方になるかわからない状況です。武雄の後藤は大村様に敵対心を持っておりますし、北の諸勢力は日和見です...
歴史改変仕方ない。やること多すぎです。

第14話 賢者のはったり 「平戸の南蛮船誘致と武力の利用」

「あいわかった!」    ……え? わかったの? 「わかったが、納得したわけではないぞ」  いたずらっこみたいな顔で親父が続ける。いくつなんだよこのひと。それを見て、母はそっと父に寄り添う。 (あなたのそういうところが大好きなの! ってオー...
歴史改変仕方ない。やること多すぎです。

第13話 平戸の南蛮船誘致と宗教改革の提案

疑いと興味と期待とがまざった表情で俺を見ている親父に対して、俺は淡々と答える。   「可能です。ただし父上はもちろん、小佐々の殿様のお力も必要です」 「詳しく話してみろ」 「はい、現在南蛮船は九州のいろいろなところに来航し、各大名領主も率先...
歴史改変は悪だけど、死ぬのはいやです。

第10話 674石のしょぼ領主

親父と話をしに行く前に、いろいろと整理しておこう。    状況を分析し、最善の提案をして領内を豊かにしなくてはならないからだ。舐められないためには武力が必要。    しかしそのためには、鉄砲や弾薬、大砲はもちろん、人員も必要だ。戦のための食...
歴史改変は悪だけど、死ぬのはいやです。

第6話  未来人の言葉「父に伝えるべき重要な情報」とは?

翌日、父の部屋を訪れた。  なんて切り出そう? どう説明しよう? 結局昨日はあまり寝られなかった。 (実は僕、450年後の未来から転生した未来人で……)  あほか。怪我の後遺症だから、もうだめだ! と次男の弟に期待がかかるだけだ。 (父上、...
歴史改変は悪だけど、死ぬのはいやです。

第5話 戦国にて初の決断の時〜横瀬への南蛮船寄港計画〜

鋭い! 絶妙に鋭い! ベタすぎるくらい鋭い! ていうか、意味不明なこと書いてぶつぶつ言ってたら誰でも(どうした?)ってなるよね。  前世でも弟いたけど、どっちかって言うと無口で職人気質しょくにんかたぎだったから、新鮮っちゃ新鮮。……いやいや...
歴史改変は悪だけど、死ぬのはいやです。

第4話 宮の前事件と平戸の南蛮船〜永禄4年の謎に迫る〜

永禄4年4月 沢森城 自室にて   ※宮の前事件※  永禄四年(1561年)八月、長崎県平戸(以降平戸と記述)に停泊中の、ポルトガル船のフェルナン・デ・ソーザ船長と16名の乗組員が平戸港宮前で殺害された事件。  多分、商取引のトラブルが原因...
方言全訳バージョン

【標準語全訳】第299話 工部省における、石炭からコークスへ「ビーハイブ炉」の研究開発

※本文の標準語訳です。  対馬の宗義調の尽力もあり、朝鮮半島からの技術者の招聘に成功してはや一年半。波佐見、有田、伊万里、三川内、唐津など肥前の各地で陶磁器の製造が始まっている。  原料となる陶石は南肥後の天草で多量に産出するし、肥前各地で...
人物紹介

人物紹介⑤(273話~347話)

種子島時尭(33)※273話 種子島氏第14代島主。日本に最初に銃を導入し、国産化に導いた。小佐々家の南方戦略にともない、冷え切っていた島津家と関係を清算するため、同盟を結ぶ。 仲屋乾通(51)※ 戦国期の豊後の豪商。通称は次郎左衛門。享禄...
人物紹介

人物紹介④(127話~272話)

( )内は転生時、永禄4年(1561年)時点での数え年齢です。基本的に架空・史実の両方記載しますが、史実の人物の生没年、内容、記載の有無は筆者の任意なのでご了承ください。※は史実人物(本作ストーリー上内容修正あり) 龍造寺政家(5)※純家/...
人物紹介

人物紹介②(12話~50話)

( )内は転生時、永禄4年(1561年)時点での数え年齢です。基本的に架空・史実の両方記載しますが、史実の人物の生没年、内容、記載の有無は筆者の任意なのでご了承ください。※は史実人物(本作ストーリー上内容修正あり) 沢森吉野(32) 沢森平...