転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第169話 『次郎を呼べよ』 嘉永六年九月二十四日(1853年10月26日) 「それで讃岐様、琉球はいかなる仕儀に御座いましょうや」「うむ、なんとか大村家中の御助力のお陰で面目を保つ事ができた。然れど以後如何いかが致すかは、よくよく考えねばならぬ」 讃岐とは島津家の一門... 2024.07.16 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第76話 『アメリカ東インド艦隊司令長官ビッドル、浦賀に入港し通商を要求する』(1846/7/29) 弘化三年六月七日(1846/7/29) <次郎左衛門> アメリカ東インド艦隊のジェームス・ビドルが、アメリカ政府(ポーク大統領)のジョージ・バンクロフト海軍長官の命をうけて浦賀に来航した。 1845年5月22日付けの指令書にはこう書かれてい... 2024.04.10 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え 第590話 信長の悪あがきと純正の妥協 天正二年 一月十七日(1573/02/19) 近江国蒲生郡 日ノ本大同盟合議所「拒否権の儀、ならびにその他の題目についてもおおよそ得心しておる。然れど一つだけ、一つだけ発議いたしたい」「なんでござろう」 信長は拒否権にしばりをつけられ、あ... 2024.02.21 内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰 第447話 西国の火種と東美濃の争乱。そして山家三方衆 元亀二年 二月二十五日 三ヶ月前の元亀元年十一月、新しい西国の枠組みが決まった。 一万石から三万石の国人の多くが純正の提案を受け入れ、知行地を大幅に減らし、俸祿にて仕えることを選んだのだ。 しかし、領民やその下の家臣たちも、たかだか三ヶ月で... 2023.10.09 第2.5次信長包囲網と迫り来る陰
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰 第442話 武田信玄の3つの選択肢 元亀元年 十二月二十日 甲斐の武田信玄には、どこに侵攻するか、三つの選択肢があった。一つは越後、もう一つは美濃、そしてもう一つは遠江三河である。 一つ目の越後の上杉謙信だが、昨年の永禄十二年の八月には和議が成立している。 しかし開戦の名目は... 2023.10.05 第2.5次信長包囲網と迫り来る陰
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰 第441話 天下分け目の策謀 元亀元年 十二月八日 信長は純正と会談した後、十二月に入って再び伊勢長島へ入った。 一向一揆が鎮圧されたのは、そのすぐ後である。 文字通りの殲滅戦であり、兵糧攻めのあと最後の長島城に一揆衆をあつめ、降伏後、根切りにしたのである。 戦後処理を... 2023.10.05 第2.5次信長包囲網と迫り来る陰
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰 第437話 新しい西国秩序 元亀元年 十一月二十三日 伊予 湯築城 戦をなくす為に話し合いの場を設けたのに、これでは話がまとまらない。 元春の気持ちも理解できるが、大言壮語すぎたのだ。このまま、無条件では元春も引っ込みがつかないであろう。「では能義郡、四万五千六百四十... 2023.10.02 第2.5次信長包囲網と迫り来る陰
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰 第435話 尼子家の苦悩と復興 元亀元年 十一月二十二日 伊予 湯築城 酉三つ刻(1800) ■別所家中「叔父上、やはり中将様はひとかどの人物ですね。くぐってきた修羅場もそうであるし、話も飽きぬ。なにより、戦を好まぬ姿は好きです」 別所長治は叔父で一門、家老の別所重宗に対... 2023.10.01 第2.5次信長包囲網と迫り来る陰
新たなる戦乱の幕開け 第418話 謀将宇喜多直家の処世術~生き残りのための3つの方策~ 元亀元年 十月三日 岡山城「なに? 宗景が小佐々の使者と会っておっただと? いつじゃ?」 宇喜多直家は、決裁書類を読んでいた手を止めて聞く。「は、一昨日、小豆島の小海城山城(おみじょうやまじょう)にて、会談が開かれたもようです」 重臣の戸川... 2023.09.21 新たなる戦乱の幕開け
西国の動乱、まだ止まぬ 第354話 予土戦役、黒瀬城攻防戦②毛利元就が生きていたならば 永禄十二年 十月二十三日 安芸 吉田郡山城「なに! それは誠なのか? 誠に負けたのか?」 世鬼衆の報告を受け、毛利輝元はじめ小早川隆景や吉川元春は驚きを隠せない。しかしその驚きは、負けたという事にではない、こんなにも早く決着がついた、という... 2023.08.10 西国の動乱、まだ止まぬ
西国の動乱、まだ止まぬ 第351話 薩州島津家と伊東祐青、御教書の真偽とくすぶる火種 永禄十二年 十月二十二日 都於郡城 伊東家に対する幕府の御教書の真偽を確かめるため、小佐々の使者がその書状を幕府へ持参した。しかし祐青は純正の言葉に従いつつも、もし偽書だった場合の処罰を考えていたのだ。 仮に偽書だったとしても、祐青自身は一... 2023.08.08 西国の動乱、まだ止まぬ
肥薩戦争と四国戦役 第347話 九州平定セン、然レドモ先ハ尚長シ……。② 十月十九日 午三つ刻(1200) 日向国紫波洲崎村(宮崎市折生迫) な! 祐青すけきよが目を見開き純正を注視した。「めっそうもございませぬ! 誰がそのような事を。許せませぬ」。 純正は落ち着いて祐青を制止した。 「修理亮よ、余はその方が嘘... 2023.08.07 肥薩戦争と四国戦役
対島津戦略と台湾領有へ 第289話 従四位上検非違使別当叙任と将軍義昭と信長② 永禄十二年 四月 京都 信長の滞陣先 妙覚寺「久しいな弾正大弼殿、いや、様の方がいいかな。息災であったか。ああそうだ、どうだ、五人は? 三月のはじめには着いておるだろう?」 相変わらずだなこの人は、と思いつつ純正は答えた。「ありがとうござい... 2023.07.13 対島津戦略と台湾領有へ