新たなる戦乱の幕開け

第412話 専守防衛?第二次尼子再興運動と対毛利、そして信長を考える③

元亀元年 九月一日 諫早城 「なんじゃ」  尾和谷弥三郎が言う。 「殿はそれを見越して、毛利に対して味方を増やすために三村に近づくのでしょう? 毛利と宇喜多が織田に敵対し、それに三村とわれらが対する、これは何も問題ありません」 「うむ」 「...
新たなる戦乱の幕開け

第411話 専守防衛?第二次尼子再興運動と対毛利、そして信長を考える②

元亀元年 九月一日 諫早城   「殿」 「なんだ?」  土居清良が発言した。 「表向きが無理なら、裏からで良いのではないでしょうか」 「どういう事だ?」 「昨年の尼子蜂起軍には、山名の助力がありました。ゆえにこたびも尼子を直接助けるのではな...
新たなる戦乱の幕開け

第404話 正四位下近衛中将源朝臣小佐々平九郎純正となる、のか?

元亀元年 六月十日 諫早城 小佐々純正  いや、近衛中将って、俺は検非違使もやってるんだよ?  え? 兼任? いいよ、別に。肥前から動かないから。どうせまた叔父上から嫌み言われるんでしょ? いやだよ。  そもそも近衛大将とか中将って誰かやっ...
新たなる戦乱の幕開け

第400話 三好家長老、三好長逸の決断と分裂

元亀元年 五月十八日  ※三好三人衆への純正の降伏勧告は議論を呼んだ。本来、和議というのはお互いに交渉し、条件の折り合いをつけて戦闘行為を終了させる事である。  しかし純正のこれは和議ではなく、あきらかに無条件降伏に近いものであった。  一...
新たなる戦乱の幕開け

第388話 群雄たちと小佐々純久

永禄十二年 とある日 在京小佐々大使館 「大使、また来てます」  大使館の洋間、昼休みに佐吉と将棋を指している純久のもとに、一人の訪問者があった。最近、遠方からのお客様が増えましたね、と佐吉が言う。  純久はそれどころではない。36対6で圧...
新たなる戦乱の幕開け

第384話 来島通総兄弟と瀬戸内の緊張

永禄十二年 十二月 五日 来島城 「兄上、もう半年になりますね」 「そうだな、もう半年になる」  伊予来島の村上(来島)通総は九歳である。  二年前に父である村上通康が死に、元服して家督をついだ。兄がいたのだが、母親が主君筋の河野弾正少弼通...
西国の動乱、まだ止まぬ

第355話 徳川六角浅井朝倉。手紙が起こすバタフライ・エフェクト

永禄十二年 十月二十三日 三河 岡崎城 「忠次よ、小佐々との件どうなっておる」 「は、弾正忠(織田)様のお許しも得たゆえ、正式に小佐々家との通商を開始する運びとなりました。ただいま商人を通じた取引の協議が行われております」  うむ、と家康は...
西国の動乱、まだ止まぬ

第352話 第六天魔王信長と純久

永禄十二年(1569年) 十月二十三日 京都大使館  島津が小佐々に敗れ、条約を結んでから十日後。大使館の大使執務室では、純久が書類の山に埋もれながら仕事をしていた。  以前純正に願いでて、検非違使と所司代の人員を増やす事ができたのだが、ま...
北九州を二分する 二つの二虎競食の計

第185話 三好義継と松永久秀

同年 五月 信貴山城 松永弾正久秀 「申し上げます。小佐々肥前守と申す者から書状が届いております」  なに? 小佐々? 聞いた事はある。遠く九州の地で勢いがあり、肥前・筑前・筑後、そして北肥後も支配下にいれたという。  朝廷や幕府に献金をし...
北九州を二分する 二つの二虎競食の計

第163話 対信長外交団④

永禄十年 十一月 尾張 津島湊 鍋島直茂  津島湊についた。湊はどこも活気がある。  それにしても、上総介様はわれらの殿と同じで、経済の感覚に優れていらっしゃるようだ。  祖父の信定様が津島湊を勢力下においてから、その経済力を背景に織田家は...
北九州を二分する 二つの二虎競食の計

第159話 対信長外交団②

永禄十年 十一月 堺湊 鍋島直茂  堺湊についた。少しだけ、寒い。コタツが恋しくなる季節です。コタツは小佐々の名物ではないか。  なぜ商品化して売っていないのだろう? 冬場だけだからか? もっと北にいけばもっと売れる。間違いない……。  京...
北九州を二分する 二つの二虎競食の計

第158話 宗義調と吉岡長増

同年十一月 対馬 金石城 吉岡長増 「お初に御意をえまする。吉岡左衛門大夫長増にございます」。  目の前には対馬と壱岐七万石を治める宗讃岐守義調様がいる。今回は小佐々との関係を探り、離間の計が能うかどうか見極めにきたのだ。 「面をあげよ。吉...
横瀬浦開港 敵が味方 味方が敵に

第77話 艦上にて籠手田安経と日高資

条約締結の手続きが粛々と行われている頃、政忠は招待した松浦党四氏の代表と歓談していた。波多氏は、当主が元服したとはいえ若いので、代表の家老日高資が来ている。  伊万里氏は当主の伊万里純すみ、志佐氏は当主の志佐純昌だ。有田氏は史実では随分前か...
二島五ヶ村の領主 無双≠生き延び スタート

第41話 戦乱の足音 藤原千方の報告

「千方か、入れ」 「はは」  相手が千方だと無駄な話がない。性格が生真面目、ではなく、主従の関係がそうさせているのだろう。 「それで、どうであった?」  言葉少なに聞く。 「は、されば先日の曲者ですが、やはり針尾伊賀守の手の者に間違いござい...
二島五ヶ村の領主 無双≠生き延び スタート

第32話 上松浦党の波多親

永禄四年(1561年) 六月 沢森城 「して、どうであった?」  俺は利三郎の報告を受けた。ひと月ほど前から粘土の調達と外交をまかせていた件だ。 「は、内海、福田とも感触は良好でござった」  利三郎は上機嫌だ。良い内容なのだろう。 「両家と...
二島五ヶ村の領主 無双≠生き延び スタート

第29話 利三郎と忠右衛門

永禄四年(1561年) 五月 岳の城 沢森利三郎政直  どたどたどたどたどた!    忠右衛門と二人で主殿に向かう。なんでまた、いきなりなんだ? 「殿!」 「殿!」  主殿の下座には先日家督を相続したばかりのわが殿、平九郎様がいらっしゃった...
二島五ヶ村の領主 無双≠生き延び スタート

第28話 神ばあ②(←手抜きタイトル!)

さあ、だんだん具体的になってきた。  菜種油と灰汁のせっけんは城内でまず作って、うまくできたら量産しよう。量と種類でどう変わるのか? 多分、菜種以外にえごま油、イワシ油、鯨油、牛脂……。  種類を変えたら性能も変わった気がする。あとは、香り...