秀政

天下百年の計?

第715話 『大日本l国政府、大臣以下の閣僚人事』

天正十三年三月九日(1584/4/13) 新政府暫定庁舎  信長への新政府構想の打診から始まり、ちょうど四年前の天正九年二月(1580年)に発足した大日本国新政府であるが、当面は肥前国政府の大臣や官僚がそれを兼務していた。  しかし四年が経...
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。

第622話 『織田家の聖アルメイダ大学卒業生と、在諫早大学生』 (1575/10/17)

天正四年九月十四日(1575/10/17) 岐阜城  6年前の永禄十二年に小佐々領へ向かった留学生のうち、大学の部の9名は卒業し、2年前に帰ってきていた。信長の命で『岐阜大学』を設立したのだ。  また彼らは、織田領内では小学・中学・高校とい...
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え

第598話 バッタ型脱進機と壱式時計の完成。加賀侵攻の是非に関する合議

天正二年九月十日(1573/10/5) 肥前諫早城 時計製作研究所 織田主導の真の平等合議同盟というべき条件を書き連ねた条約締結に向け、光秀と虎盛が各国を回っている頃、肥前諫早城下にある時計製作研究所では一人の男が奮闘していた。 3年前の元...
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え

第594話 一貫四百五十匁(約12ポンド)一貫斎砲と五馬力蒸気機関

天正二年五月二十三日(1573/6/22) 肥前 川の近く 某所  ぐわんぐわんぐわん……。どがしゃんどがしゃんどがしゃん……。  水車を動力とした大型切削機械が二つ並んでいる。  ぐわんぐわんぐわん……。どがしゃんどがしゃんどがしゃん……...
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え

第583話 シリコン含有率の高い鉄と垂直型ドリルによる大砲の規格化

天正元年(1572)十月五日 諫早城   下越においては、謙信にとって僥倖ぎょうこうとも言える状況であった。  本庄城、鳥坂城、新発田城の奪還後に膠着こうちゃく状態になり、伊達・蘆名両軍も防衛陣地を下げて抵抗していたのだが、伊達領の北にある...
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え

第575話 電気という概念と様々な試行錯誤

天正元年(1572)六月一日 『磁気的現象と電気的現象についての考察:天正元年六月一日(注:ユリウス暦1572/7/10):太田和忠右衛門政藤』  そう題された論文の中身を読み返し、頭をひねりながら修正を繰り返しているのは、科学技術省大臣で...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第519話 天下統一?の秘密兵器と通信改善

天正元年(元亀三年・1572年) 三月十五日 京都 大使館  「おおお! よし! 良うし! GOOD! YES! Hooray!」  純正はひとつの通信書面をみて、両手の拳を握りしめて、驚きと喜びを表した。 「? 御屋形様、今、なんと?」 ...
緊迫の極東と、より東へ

第514話 第二次蒸気機関革命 人類にとっては偉大な一歩だ! 秀政と十益新右衛門(トーマス・ニューコメン)

天正元年(元亀三年・1572年) 三月十日 肥前国彼杵郡鳥加村  大串鉱山  技術者で科学技術省大臣の太田和政藤の息子で、小佐々純正の従兄弟でもある太田和秀政は、肥前国彼杵郡の鳥加村にある大串金山で、新たな取り組みをしていた。  大串金山は...
緊迫の極東と、より東へ

第506話 武田勝頼へのKDA(小佐々家開発援助)と有用微生物群(EM)

天正元年(元亀三年・1572年) 二月二十日   甲斐国と言えば黒川金山、黒川金山と言えば戦国の武田家を支えた甲州金を産出した金山として有名である。  信玄の代に最盛期を迎えた黒川金山であるが、勝頼の代にはその産出量も減り、衰退しつつあった...
緊迫の極東と、より東へ

第488話 耐火レンガと反射炉への道

元亀二年 十一月十五日  信長は勅書に基づき、延暦寺や本願寺、伊賀衆や雑賀、松永弾正、そして朝倉義景に対して事実上の降伏勧告とも言える和議の申し出を行った。  条件は次の通り。  ・延暦寺は武装解除して賠償金二千貫。そもそも何の理由があって...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第444話 正確な時計とライフル銃と気球と石炭ガスにコークス②ライフル銃と第101狙撃小隊

元亀元年 十二月二十七日 諫早城  諫早城には毎日のように京都の大使館、そして西国の津々浦々から様々な情報が集められてくる。それはこの年末でも変わらない。  発 純久 宛 近衛中将  秘メ 越前 朝倉 左衛門督 上洛セザリキ リユウ ナラビ...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第436話 純正、孫子の兵法を説く

元亀元年 十一月二十三日 伊予 湯築城  「寒いっ! 無理! 絶対無理! なんだよこれ! 氷点下じゃねえか!」  秀政が聞いたら驚くような言葉だが、温度計自体はずいぶん前に純正のアイデアで作っている。水に食紅で色をつけた温度計だ。  しかし...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第428話 京都大使館にて信長と純正と純久と、そして佐吉

元亀元年 十一月十五日 京都大使館 「そうか、そこまできたか。まったく、あの公方ときたら、こちらが何も言わぬのを良い事に」  と信長。 「どうされるのですか」  短く返事をする純正。 「こうなれば、事と次第によっては所司代を辞任されたほうが...
新たなる戦乱の幕開け

第414話 宇田川松庵のボイルの法則

元亀元年 九月二十日 肥前   昨年の永禄十二年十月に、太田和忠右衛門藤政と源五郎秀政が水銀による大気圧の発見、ポンプによる真空の作成や空気圧の原理を実験で立証した。  その後、宇田川松庵も忠右衛門と源五郎秀政の実験を参考にして、大学の研修...
新たなる戦乱の幕開け

第406話 正確な時計とライフル銃と気球と石炭ガスにコークス①

元亀元年 六月のある日 諫早城 時計製作研究会  小佐々領内では、永禄五年(1562年)に南蛮船が横瀬に寄港してから、機械式時計の研究と開発が進められてきた。  最初に宣教師よりもたらされた時計には分針がなく、一日に半刻(1時間)以上のズレ...
新たなる戦乱の幕開け

第397話 フランシスコ・デ・アルメイダとバルトロメウ・ディアスの驚嘆

元亀元年 四月 諫早城 「先生! お元気でしたか!」 「先生! お変わりなく!」  行く先々で海軍伝習所時代から兵学校への変遷の際に学んだ生徒が声をかけてくる。なつかしさのあまり涙を流す者もいた。  拝啓  親愛なるわが王 セバスティアン一...
西国の動乱、まだ止まぬ

第370話 フロギストン説と酸素説 留学生の熾烈な眠気との戦い

永禄十二年 十一月 肥前 純アルメイダ大学 化学部 講義室   「さて、今日は原点である化学とはなんぞや? という事について考えていきたいと思います」  そう語るのは、純アルメイダ大学の化学部教授の宇田川松庵である。  第二期遣欧留学生とし...
西国の動乱、まだ止まぬ

第363話 元第二分隊航海科の純正、六分儀の製作に携わる?

永禄十二年 十一月 諫早城天守 天文台  寒い、しかし冷えて眠気覚ましにはちょうどいい。  九十郎秋政が観測をしていた。諫早城天守に設けられた観測用天文台だ。天守からも渡れる構造になっているが、天文台側からは天守には入れない。  純正の足音...
方言全訳バージョン

【標準語全訳】第299話 工部省における、石炭からコークスへ「ビーハイブ炉」の研究開発

※本文の標準語訳です。  対馬の宗義調の尽力もあり、朝鮮半島からの技術者の招聘に成功してはや一年半。波佐見、有田、伊万里、三川内、唐津など肥前の各地で陶磁器の製造が始まっている。  原料となる陶石は南肥後の天草で多量に産出するし、肥前各地で...
年表・統治機構

小佐々家統治機構・軍編成概要(忘備録)

以下、特に大学・軍編成は随時更新 ()内の年齢は1561年時点 当主   小佐々弾正大弼純正(沢森政忠)従四位上  正四位下近衛中将(元亀元年六月昇進)  従三位権中納言近衛大将(元亀三年/天正元年一月昇進)  検非違使別当 顧問  沢森政...