東と西の転生者 第762話 『肥前国の海軍再編と大日本国、そして極東情勢』 天正十九年六月十二日(1590/7/13) 諫早 「殿下、お帰りなさいませ」 3年前の天正16年(1587)1月に諫早を出発した海外領土の視察であったが、3年半の歳月を経て終了した。長崎の湊みなとには純正一行の到着を待ちわびた閣僚と民衆が... 2024.11.14 東と西の転生者
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第221話 『条約と朝廷とベッセマー転炉』 安政五年六月十九日(1858/7/29) 歴史は、ハリスの思惑通りに進んだ。 6月に入ってのアロー戦争の休戦を受け、日本に恫喝どうかつとも予言とも、提案とも取れる条約締結の要求が示され、幕府は抗う事ができない状況となったのだ。 しか... 2024.09.06 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
天下百年の計? 第730話 『肥前国内行政機構再編制』 天正十四年七月十六日(1585/8/11) 諫早城 純正は毛利家への仕置きと併せて、肥前国内の行政機構と、大日本国内での小佐々領内の呼称について改称・改編を行った。 まず、小佐々家の統治下にある全ての所領を肥前州とした。海外領土も全てで... 2024.08.09 天下百年の計?
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第123話 『吉田松陰と宮部鼎蔵の大村探訪記とスクリューと潤滑油とゴムの話』(1850/4/2) 嘉永三年二月二十日(1850/4/2) 川棚 「な、なんじゃあこれは」 「石か? 石積みの家に、どこからかわからぬが、がしゃんがしゃんと音が聞こえる」 前日、平戸藩城下で一泊した後、紹介状を携えて二人は南へ向かい、そこで遭遇したのだ。 ... 2024.05.27 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第122話 『吉田松陰、平戸から大村へ。鋼板切断機、ロール成形機、溶接機、プレス機、運搬機器の開発』 嘉永三年二月十九日(1850/4/1) 「初めて御意を得ます。長州より参りました、毛利家中、吉田寅次郎と申します」 松陰は長州藩主毛利敬親の命を受け、平戸藩への遊学と、一年間の長崎を含めた西国見聞の旅の最中であった。まず平戸藩主に挨拶を... 2024.05.26 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第119話 『次郎左衛門、武蔵国にて高林謙三に会い、隼人は加賀にて大野弁吉を口説く』(1849/11/25) 嘉永二年十月十一日(1849/11/25) <次郎左衛門> お茶の件はどうにかなったし、川越に来る途中にいろいろ考えてきた事があった。それは現在進行形で、これから10年、いやそれ以上、俺も含めてみんなが頭の隅に置いておかなくちゃならないこ... 2024.05.23 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第100話 『ヘルハルト・ペルス・ライケンとヘンドリック・ハルデスならびに招聘技師総計109名』(1848/9/6) 弘化五年八月九日(1848/9/6) <次郎左衛門> この月、越前藩において西洋式の大砲が鋳造された。内容は十三吋インチカルロンナーデ砲(カノン砲)、十五吋ホーイッスル砲、二十五吋モルチール砲である。 なるほどな、と。 事の始まりは今... 2024.05.04 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
Uncategorized 第95話 『佐久間象山大村に着き、隼人肥後にて人を探す』(1848/2/20) 弘化五年一月十六(1848/2/20) 玖島くしま城 <次郎左衛門> 佐久間象山がやってきた! 地震の災害復旧で忙しくてこれないかと思っていたのに、奇跡だ! 「御家老様におかれましては、ますますご健勝の程、お慶び申し上げます」 ……。 ... 2024.04.29 Uncategorized
Uncategorized 第94話 『鷹司政通の歌道と遊学生続々大村へ』(1848/2/9) 弘化五年(嘉永元年)一月五日(1848/2/9) 京都 関白・鷹司政通邸 『春を待ち 朝廷の縁に 新しき 歳の始めの 冬麗らかな』 岩倉具視は関白・鷹司政通の前で丁寧に一礼をし、声を落ち着かせて歌を詠み上げた。 「ほほほ。よきかなよきかな... 2024.04.28 Uncategorized
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第92話 『隼人、長崎にて浅五郎を介し大島高任と手塚律蔵を知る』(1848/1/21) 弘化四年十二月十六日(1848/1/21) 玖島くしま城下 火術方 火術方は組織上精煉せいれん方の下部機関ではあるが、独立して洋式軍事調練を主とする部門である。 高島秋帆と立石昭三郎が中心となって訓練を行っており、ゲベール銃からミニエー... 2024.04.26 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第90話 『儀右衛門、蒸気機関事始め。洪庵、長崎にて奥山静叔に会し、一之進への紹介を頼む』(1848/1/19) 弘化四年十二月十四日(1848/1/19) <次郎左衛門> さて、誰がいるか? あれからずっと考えている。招聘しょうへいする技術者のリストは次の通りだ。 ・味田孫兵衛……現在地は美濃。堆朱ついしゅカメラと呼ばれる最初期のカメラの製造者。... 2024.04.24 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第75話 『東彼杵工業地域と佐賀藩』(1846/4/17) 弘化三年三月二十二日(1846/4/17) 京都 <次郎左衛門> 2月に孝明天皇が践阼せんそし、俺が岩倉具視の紹介で朝廷の公家と親交を深めている頃、幕府では伊豆|韮《にら》山代官の英龍さんが、海防意見書を提出していた。 もうどこにも耀蔵... 2024.04.09 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。 第606話 新型戦列艦の就役と艦隊編成(1574/8/17) 天正三年八月一日(1574/8/17)小佐々城 一室 小佐々家は本家と中浦小佐々家、そして松島小佐々家の三家がある。 純正が本家の家督を継ぐ前から分かれてはいたのだが、11年前の永禄六年、葛の峠の戦いで本家の世継ぎと分家の当主二人が全て... 2024.03.11 北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え 第579話 純正の同盟国の事情。畠山義慶と佐渡の儀。 天正元年(1572)八月十五日 能登 七尾城 発 修理大夫 宛 権中納言 秘メ……○▽■ぐしゃぐしゃぽい……。 平九郎、元気ですか? いや、最初は例の通信文で書こうとしたんだけど、あれ、いくら暗号っつったってダダ漏れでしょ?... 2024.02.10 内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 年表 以下、旧暦表示。随時更新します。 天保七年(1836~1837) 十一月 清水亨、太田和次郎左衛門武秋として肥前大村藩へ転生。 十二月 十一代大村藩主、大村純顕に謁見し、藩の財政再建ならびに軍制改革、富国強兵の(裏)家老に任じられる。(裏家... 2024.01.24 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 人物紹介 ※()内の年齢は1837/1/6時点の年齢(数え)です。 ※随時更新します。 ※印の人物は実在の人物ですが、作中では史実とは違う行動思想かもしれません。 太田和次郎左衛門武秋(15)1822生まれ。 本作品の主人公。前世名は清水亨(50)... 2024.01.24 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第524話 武田の鉱山と葡萄と天蚕 ~甲州ワイン誕生なるか?~ 天正元年 三月十九日 甲斐国 躑躅ヶ崎館 二日前の三月十七日に、利三郎が勝頼と信玄に謁見して許可を得た小佐々軍の領内通過と、信越国境ならびに飛越国境の駐屯が行われる事となった。 荷留においては、それに加えて上野の武田領(真田領含む)にお... 2023.12.22 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
緊迫の極東と、より東へ 第495話 元亀から天正へ 純正と信長、連盟での奏上と勅書 元亀三年改め天正元年(1572年) 正月 かねてからの懸案事項であった元号であるが、純正と信長の連名により昨年奏上され、天正と改められた。 本来、天正への改元は元亀四年、つまり来年に行われるはず(史実)であったが、前倒しである。 歴史... 2023.11.24 緊迫の極東と、より東へ
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰 第478話 純正の決断、織田信長か武田勝頼か 元亀二年 九月二十五日 諫早城 発 治部 宛 中将 秘メ 武田家 家臣 曽根九郎ト 申ス者 来タリテ ワレラト 誼ヲ 通ジテハ 盛ンニ 商イヲ 行ヒタシ ト 申シケリ 然レドモ ワレラト 織田ニ 盟約アリテ ソノ敵 武田ト 結... 2023.11.07 第2.5次信長包囲網と迫り来る陰
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰 第430話 力と政治 元亀元年 十一月二十二日 伊予 湯築城 戦国時代初、関係各国の代表、いわゆる首脳が集まる会談が伊予の湯殿城で開催された。甲相駿三国同盟でも3人である。10人はまずないだろう。 どこで開催するか迷った純正であったが、諫早城はさすがに遠... 2023.09.28 第2.5次信長包囲網と迫り来る陰
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰 第428話 京都大使館にて信長と純正と純久と、そして佐吉 元亀元年 十一月十五日 京都大使館 「そうか、そこまできたか。まったく、あの公方ときたら、こちらが何も言わぬのを良い事に」 と信長。 「どうされるのですか」 短く返事をする純正。 「こうなれば、事と次第によっては所司代を辞任されたほうが... 2023.09.27 第2.5次信長包囲網と迫り来る陰
新たなる戦乱の幕開け 第418話 謀将宇喜多直家の処世術~生き残りのための3つの方策~ 元亀元年 十月三日 岡山城 「なに? 宗景が小佐々の使者と会っておっただと? いつじゃ?」 宇喜多直家は、決裁書類を読んでいた手を止めて聞く。 「は、一昨日、小豆島の小海城山城(おみじょうやまじょう)にて、会談が開かれたもようです」 重... 2023.09.21 新たなる戦乱の幕開け
西国の動乱、まだ止まぬ 第383話 鎮西平定ナレドモ四国ハ西園寺ガ残リケリ 永禄十二年 十二月二日 丑一つ刻(0100)諫早城 隣国に攻められたり飢饉の発生や疫病など、一刻をあらそう場合は、深夜であれ純正の元には緊急通信が入ってくる。迅速な対応が求められるからだ。 発 石宗衆 宛 総司 秘メ ※島津義虎謀反 東... 2023.08.27 西国の動乱、まだ止まぬ
西国の動乱、まだ止まぬ 第382話 永禄十二年 十二月一日 庄内の乱、東郷の乱。 永禄十二年 十二月一日 巳の一つ刻(0900)薩摩 薩州島津家当主、※島津義虎が動いた。 南下して、二十年も抗争を続けてきた東郷氏の旧領を攻めたのだ。 東郷氏は渋谷一族の分家で、祁答院氏や入来院氏とともに島津家と戦ってきたが、すでにす... 2023.08.27 西国の動乱、まだ止まぬ
西国の動乱、まだ止まぬ 第359話 内城での会議 義虎と国人四人 反乱すべきかせざるべきか 永禄十二年 十月二十五日 薩摩(鹿児島) 内城 巳一つ刻(0900) 上座には宗家当主の島津義久が座り、向かって右手に次兄の義弘、三男の歳久が座っている。左側は家久である。薩州島津家は一門衆であるので上座に近い方に島津義虎が座っている。 ... 2023.08.13 西国の動乱、まだ止まぬ
西国の動乱、まだ止まぬ 第356話 小佐々領の第一次農業改革と第一次産業革命 永禄十二年 十月二十三日 諫早城 永禄九年の八月に始まった領内の街道のコンクリート舗装は、肥前においてはほぼ主要な街道で終了している。政庁である城同士をつなぐ街道と、湊や信号所のある地点間での舗装だ。 主要街道から始めているが、筑前、筑... 2023.08.11 西国の動乱、まだ止まぬ
肥前王 源朝臣小佐々弾正大弼純正 第202話 小佐々城 開戦二日目 子の三つ刻(0:00) 小佐々純正 「申し上げます! 毛利領国境信号所より信号あり」 発 杉長良 宛 弾正大弼 メ 盟ト 松山城救援 求ム メ 午三つ刻(12:00) 豊前松山城からの救援要請が来た。もうすでに全軍に届いて... 2023.06.02 肥前王 源朝臣小佐々弾正大弼純正
北九州を二分する 二つの二虎競食の計 第185話 三好義継と松永久秀 同年 五月 信貴山城 松永弾正久秀 「申し上げます。小佐々肥前守と申す者から書状が届いております」 なに? 小佐々? 聞いた事はある。遠く九州の地で勢いがあり、肥前・筑前・筑後、そして北肥後も支配下にいれたという。 朝廷や幕府に献金をし... 2023.05.27 北九州を二分する 二つの二虎競食の計
北九州を二分する 二つの二虎競食の計 第168話 宗麟の逆鱗。筑後戦役か? 永禄十一年 正月 臼杵城 大友宗麟 例年のごとく年賀の饗宴を催していたのだが、異変に気づいた。 毎年正月には九州各地から大名たちがわが城を訪れ、年賀のあいさつをしてきた。 従属している大名はもちろん、日向や肥後からもやってきていたのだ... 2023.05.25 北九州を二分する 二つの二虎競食の計
北九州を二分する 二つの二虎競食の計 第162話 先ず隗より始めよ 小代実忠と同田貫 永禄十年 十一月 北肥後 小代城 岡甚右衛門 「そんなに! そんなに買っていただけるのですか?」 小代実忠どのは驚いている。 同田貫は身幅が厚く反りが浅い刀身の刀で、余計な装飾のない、美麗さより実用本位の刀である。 折れず曲がらず、そ... 2023.05.23 北九州を二分する 二つの二虎競食の計
北九州を二分する 二つの二虎競食の計 第158話 宗義調と吉岡長増 同年十一月 対馬 金石城 吉岡長増 「お初に御意をえまする。吉岡左衛門大夫長増にございます」。 目の前には対馬と壱岐七万石を治める宗讃岐守義調様がいる。今回は小佐々との関係を探り、離間の計が能うかどうか見極めにきたのだ。 「面をあげよ。吉... 2023.05.23 北九州を二分する 二つの二虎競食の計
二島五ヶ村の領主 無双≠生き延び スタート 第31話 平戸道喜と石鹸 永禄四年 六月初旬 大村城下 平戸道喜 街全体の賑わいはそれほどでもない。ごくごく普通だ。 いや、それ以下かもしれない。昨日は平戸から茶の買付で嬉野に行った後、大村の城下町で妙な物が売られている噂を聞いて、帰る前に遠出してやってきた。 ... 2023.04.16 二島五ヶ村の領主 無双≠生き延び スタート
年表・統治機構 1566年~1570年(忘備録) 1566年(永禄九年) 1月 小佐々領 人口十二万人 石高 十八万三千七百五十二石 波多家 十四箇条の定めにより保護国化 2月 沢森家 第三子 吉法師誕生 第四子 愛姫誕生 3月 海軍伝習所 第一期生卒業 計百二十八名(松浦郡十六名・彼杵郡... 2023.03.18 年表・統治機構
方言全訳バージョン 【標準語全訳】第299話 工部省における、石炭からコークスへ「ビーハイブ炉」の研究開発 ※本文の標準語訳です。 対馬の宗義調の尽力もあり、朝鮮半島からの技術者の招聘に成功してはや一年半。波佐見、有田、伊万里、三川内、唐津など肥前の各地で陶磁器の製造が始まっている。 原料となる陶石は南肥後の天草で多量に産出するし、肥前各地で... 2023.03.16 方言全訳バージョン
年表・統治機構 小佐々家統治機構・軍編成概要(忘備録) 以下、特に大学・軍編成は随時更新 ()内の年齢は1561年時点 当主 小佐々弾正大弼純正(沢森政忠)従四位上 正四位下近衛中将(元亀元年六月昇進) 従三位権中納言近衛大将(元亀三年/天正元年一月昇進) 検非違使別当 顧問 沢森政... 2023.03.16 年表・統治機構
人物紹介 人物紹介④(127話~272話) ( )内は転生時、永禄4年(1561年)時点での数え年齢です。基本的に架空・史実の両方記載しますが、史実の人物の生没年、内容、記載の有無は筆者の任意なのでご了承ください。※は史実人物(本作ストーリー上内容修正あり) 龍造寺政家(5)※純家/... 2023.03.04 人物紹介
人物紹介 人物紹介②(12話~50話) ( )内は転生時、永禄4年(1561年)時点での数え年齢です。基本的に架空・史実の両方記載しますが、史実の人物の生没年、内容、記載の有無は筆者の任意なのでご了承ください。※は史実人物(本作ストーリー上内容修正あり) 沢森吉野(32) 沢森平... 2023.03.02 人物紹介