イスパニア

北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。

第633話 『開戦か交渉か』主戦論と非戦論(1577/8/17)

天正六年閏うるう七月二十六日(1577/8/17) 諫早城 <純正>「さて、織田がどう出てくるかわからぬが、出てくれば前線に、出てこなくても北条の備えは第四ないし第五の一個艦隊で当たれば問題なかろう。陸路で来ることは考えられぬ」 陸路には武...
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。

第631話 『開戦か交渉か』(1577/8/15)

天正六年閏うるう七月二十四日(1577/8/15) 諫早城「御屋形様、それがしは開戦の時と存じます」 会議が始まって、純正は全員に南遣艦隊からの通信文を見せた。 発 第一艦隊司令長官 宛 御屋形様 秘メ 明国 張居正 ト イスパニア 使者 ...
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。

第630話 『蒸気機関の課題はわかった。次は雷管だ』(1577/6/7) 

天正六年五月二十一日(1577/6/7) 諫早城 <純正>「では蒸気機関は、高炉ともうひとつの炉の動力源として使うように」 俺は忠右衛門と政秀にそう命じた。「松庵、鉄には硬い鉄と柔らかい鉄、硬いが脆い鉄など、様々な種類があるのではないか?」...
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。

第628話 『明とスペインの共同戦略。小佐々戦、開戦までのリミット』(1577/2/21)

天正六年二月四日(1577/2/21) マカオ(澳門)「首輔様、イスパニアの使者がお目通りを願っております」「うむ」 紫禁城にて張居正と面会し、万暦帝との謁見を済ませたフィリピン総督の使者は、定期的に明を訪れていた。今回はマカオに視察にきて...
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。

第626話 『北緯42度条約と日ノ本大同盟会議』(1576/9/26) 

天正五年九月一日(1576/9/26) 小佐々海軍 探険艦隊 旗艦艦上 「小佐々家北方探検艦隊司令官、伊能三郎右衛門にござる」「同じく副将、間宮清右衛門にございます」「北条水軍大将、梶原備前守にござる」「同じく、副将の清水太郎左衛門にござい...
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。

第623話 『中浦ジュリアンの元服と洗礼。遣欧使節団?』(1576/1/18) 

天正四年十二月十八日(1576/1/18) 諫早城寒く、それでも晴れ渡った天気のもと、数えで14歳になる中浦小佐々甚吾じんご(中浦ジュリアン)の元服式が行われた。小佐々甚吾純吉である。本来は純正の姉である幸の息子、幸若丸の元服式と同時に行わ...
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。

第621話 『珈琲豆の収穫とオーストラリアの発見』(1575/6/10) 

天正四年五月二日(1575/6/10)3年前の天正元年正月に出港した南方探険艦隊が、帰港した。前回の航海ではバンテン(バタヴィア)・小スンダ列島・ティモール・パプアニューギニアまで航海したのだが、今回はさらに南方、東方へと向かったようだ。「...
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。

第619話 琉球王国、日本(小佐々)に冊封? 明西同盟成立と揺れ動く極東情勢(1575/2/20)

天正四年一月十日(1575/2/20) 諫早城景轍てつ玄蘇は明・朝鮮・琉球・東南アジア・ポルトガル・スペイン他欧州など国外の渉外を管轄している責任者である。「玄蘇よ、その琉球がいかがした?」「は。いよいよもって琉球の明離れが著しく、明の冊封...
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。

第618話 対イスパニア戦、再び?(1575/2/20)

天正四年一月十日(1575/2/20) 諫早城『フィリピン全土占領の大儀とそれに付随する戦略会議』が純正の主導で開催された。 開催というより議題に上った案件で、最重要課題の一つだったために、特別に時間を割いたのだ。「フィリピン全土を占領した...
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。

第617話 対イスパニア戦略(1575/2/20)

天正四年一月十日(1575/2/20) 諫早城「さてみんな、国内においてはおおよそ平和になった。奥州では大道寺家が同盟に加わり、北条の動きも抑えた。他の大名は参加の答えは来ていないが、敵対もせぬであろう。佐竹と宇都宮は知っての通りだ」 純正...
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第615話 関東騒乱終結。北条の勢力拡大と、宇都宮と佐竹の弱体化(1574/10/27)

天正三年十月十三日(1574/10/27) 交渉3日目 茂木城「陸奥守殿、そう譲れぬ譲れぬの一点張りでは、決まるものも決まりませぬ。ここは関東の雄、大国としての徳と民への慈愛をもって、為すべき事を為すほうが良いかと存ずるが、いかに」(……肥...
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。

第611話 小田原評定ならぬ小田原決定(1574/9/29) 

天正三年九月十五日(1574/9/29) 小田原城小田原城は、戦国時代最大級の全長9kmにおよぶ総構えが有名だが、この時にはまだ完成していない。秀吉が行った天正十八年(1590)の小田原侵攻に備えるために構築されたのだ。上杉謙信の小田原城包...
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。

第607話 連合艦隊司令長官 深沢勝行(1574/8/18)

天正三年八月二日(1574/8/18)小佐々城新たに編成された第四、第五艦隊の陣容は以下のとおりである。■第4艦隊(呉) 連合艦隊司令長官 深沢勝行大将 第4艦隊司令長官 佐々清左衛門加雲中将第41戦列戦隊(41bd) 74門戦列艦 富士(...
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。

第604話 ガレオン船によるセブ-小笠原-アカプルコ貿易

天正三年七月十八日(1574/8/4) そのころ、北関東の下野と常陸においては、北条が攻勢を強めていた。 結城氏はすでに降伏して北条の軍門に降っており、常陸の佐竹と下野の宇都宮は同盟を組んでいたものの、北の那須家と組んだ北条に圧倒されていた...
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え

第592話 一挺のフリントロック銃が欧州を変える

1573年4月3日 ネーデルランド ダダン、ダダン、ダダンダダンダダン。ダダン、ダダン、ダダンダダンダダン。(スネアドラムの音) ga vooruit(前へすすめ!) 一列目の横隊の兵は銃を両手で持ち、銃口を前に向けて進み、二列目以降は左肩...
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え

第576話 オラニエ公、イスパニアの敗報を知る。

天正元年(1572)六月十六日 史実でいうところの元亀三年六月十六日、ユリウス暦1572年7月10日。(現在の西暦=グレゴリオ暦は1582年に変更されます) オランダ、ネーデルランドと呼ばれる地域で、いわゆるオランダ独立戦争の真っ最中であっ...
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え

第575話 電気という概念と様々な試行錯誤

天正元年(1572)六月一日『磁気的現象と電気的現象についての考察:天正元年六月一日(注:ユリウス暦1572/7/10):太田和忠右衛門政藤』 そう題された論文の中身を読み返し、頭をひねりながら修正を繰り返しているのは、科学技術省大臣であり...
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え

第572話 純正の帰国と打ち壊しと三職推任問題。

天正元年(1572) 五月七日 諫早城 朝廷に対して佐渡征伐の勅書を願い出てから、発せられたのは諫早に戻ってからであった。 発 治部大丞 宛 権中納言 秘メ 過日ヨリ 奏上奉リケリ 佐渡攻メノ 勅書 下サレケリ 秘メ 発 権中納言 宛 第四...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第568話 フェリペ二世の世界戦略と庄川の戦いの結末へ

天正元年(1572) 四月十四日 イスパニア マドリード王宮 「それが……明のさらに東、ジパングの艦隊にございます」「……使者よ、余は真実を申せと言ったのだ。……嘘やデタラメを申せと言うたのではないぞ!」 フェリペ二世は傍らにあったオブジェ...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第567話 国内と国外~ヌルハチの祖父とフェリペ二世~

天正元年(1572) 四月十四日 岐阜城 「ははっ」 長秀が苦笑いし、光秀や秀吉はわからないようにため息をしている。「さて、加賀の、本願寺の動きはどうか?」「は、謙信からの計略によって引き起こされた一揆にございましたが、それにより本願寺の我...
緊迫の極東と、より東へ

第508話 肥前より能登へ、日本初と東国の不気味な動き

天正元年(1572) 二月二十二日 筑前遠賀郡 岡湊 山鹿城 小佐々純正 小佐々領内では、特に海岸沿いの街道には信号所や伝馬宿を設置させている。 街道のコンクリート舗装は全部は終わっていないけど、信号所・伝馬宿・舗装の順に整備を続けているの...
緊迫の極東と、より東へ

第501話 悲報?朗報?リスボン王宮にて隣国の不幸を聞くセバスティアン一世

天正元年(元亀三年・1572年) 二月一日 ポルトガル リスボン王宮「陛下、東インド艦隊のフランシスコ・デ・アルメイダ提督より報告文が届いております」 セバスティアン1世は、昨年の三月にも小佐々領の状況を聞いていた。そのアルメイダからのさら...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第487話 北条 MEETS イスパニア

1571年(元亀二年) 11月12日 ヌエバ・エスパーニャ メキシコシティ 遣フィリピーナ艦隊士官、ホセ・デ・エステバンによって、ヌエバ・エスパーニャ副王マルティン・エンリケス・デ・アルマンサの前に連れてこられたのは、ルイス・デ・カルデナス...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第486話 第4代ヌエバ・エスパーニャ副王 マルティン・エンリケス・デ・アルマンサ

1571年(元亀二年) 11月12日 ヌエバ・エスパーニャ メキシコシティ「なんだと? そんなバカな事があるはずがない!」 スペイン艦隊のマニラ侵攻軍の全滅の報告を受け、ヌエバ・エスパーニャ副王であるマルティン・エンリケス・デ・アルマンサは...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第481話 親書とポルトガル交換留学生、そして明の張居正

元亀二年 十月四日 諫早城 小佐々純正 親愛なる小佐々純正殿、 貴殿の国書を拝読し、東インドの状況とイスパニアの脅威について深く理解しました。 しかし、残念ながら現時点で軍事支援をすることは、困難です。わがポルトガルとイスパニアは隣国であり...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第468話 アドラー・フォン・リューベック?3,000トン級帆船・戦列艦建造計画

元亀二年 七月十七日 諫早城「ああ、そうでした。海軍省からなにかありますか?」 直茂が示し合わせたかのように、海軍大臣の深堀純賢に発言を促す。純賢は純正の顔を見て、純正はうん、とうなずく。 海軍省への予算配分と技術協力において負担が必要なた...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第465話 小佐々純久とグネッキ・ソルディ・オルガンティノ

元亀二年 七月十六日 京都 大使館「おお、これはオルガンティノ殿、久しいですね。どうされたのですか?」 京都でフロイスとともに布教をしているオルガンティノが訪問してきた。 オルガンティノはイエズス会の宣教師で司祭である。 昨年の元亀元年に来...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第464話 異国との交錯と得体の知れない小佐々家の存在

元亀二年 七月十二日 小笠原諸島 父島「隊長! 何を言っているんだ! ? こいつらが俺たちの船を沈めたんだ! 敵だ! 敵は殺さなければならない!」 いったい何を言っているんだ?  守備隊長のフェルナンド・アルバレス・デ・トレドはもとより、ル...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第463話 イエズス会とイスパニアと小笠原諸島

元亀二年 七月十二日 小笠原諸島 父島『¡Ey! ¡Mirar! ¡Puedo ver el barco!  ¡Parece que se dirige hacia aquí!』(おーい! 見てみろ! 船が見えるぞ! こっちに向かっているよ...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第462話 友、勝行の変貌と純正の決意:マニラ沖海戦の教訓と課題

元亀二年 七月五日 諫早城「殿、肥前介様がお見えになりました」「うむ、通せ」 諫早城の執務室で政務を執っている純正のもとに、海軍総司令の深沢肥前介勝行が現れた。 勝行は官位には全く関心がなかったが、西国を統べる大国小佐々の閣僚が無位無冠では...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第459話 ポルトガル東インド艦隊から見るイスパニアの野望と小佐々軍の奮闘

遡って元亀二年 四月二十五日 マカオ「何い? 小佐々艦隊がイスパニアの艦隊を破っただと? 誤報ではなかろうな?」「は、間違いございません! また、ミゲル・ロペス・デ・レガスピ総司令官は戦死との事」「なんと!」 マカオのポルトガル商館の近くに...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第457話 二俣城の陥落と三方ヶ原の戦い

元亀二年 五月九日 武田高信への仕置を終えた後、純正は鳥取城へ向かう途中で山名豊国への謁見を許し、但馬へ入った。塩冶高清が治める桐山城、芦屋城、長高連が治める林甫城がある。「初めてご尊顔を拝し奉りまする、長越前守高連にございます。近衛中将様...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第452話 小早川隆景の苦悩と衝撃の告白

元亀二年 四月八日 吉田郡山城「なるほど。では左衛門佐殿は、兄弟ゆえ、兄である駿河守殿が謀反を起こすはずはない。兄はそのような男ではない、と?」 小早川隆景はまっすぐ純正の顔を見ている。輝元も口には出さないが目で語っている。「しかしのう、左...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第440話 純正から延暦寺への手紙

元亀元年 十二月七日 諫早城 天台座主にして金蓮院准后様(比叡山延暦寺大僧正) 拝啓 寒さを感じる霜月の候、准三后様におかれましては、ご自愛いただきたく存じたてまつり候。 初めての文ならびに突如としての送文と相成りますが、何卒お許し願い候う...
新たなる戦乱の幕開け

第416話 肥葡修好通商条約と肥葡安全保障条約

元亀元年(1570年)十月 リスボン王宮 親愛なるセバスティアン一世陛下 日ノ本における九州王、小佐々純正です。現在私は東インドのメニイラ(マニラ)において、多様な民族とともに共存共栄の道を歩んでおります。 陛下に対して深い敬意と感謝を持ち...
新たなる戦乱の幕開け

第404話 正四位下近衛中将源朝臣小佐々平九郎純正となる、のか?

元亀元年 六月十日 諫早城 小佐々純正 いや、近衛中将って、俺は検非違使もやってるんだよ? え? 兼任? いいよ、別に。肥前から動かないから。どうせまた叔父上から嫌み言われるんでしょ? いやだよ。 そもそも近衛大将とか中将って誰かやってなか...
新たなる戦乱の幕開け

第397話 フランシスコ・デ・アルメイダとバルトロメウ・ディアスの驚嘆

元亀元年 四月 諫早城「先生! お元気でしたか!」「先生! お変わりなく!」 行く先々で海軍伝習所時代から兵学校への変遷の際に学んだ生徒が声をかけてくる。なつかしさのあまり涙を流す者もいた。 拝啓 親愛なるわが王 セバスティアン一世陛下  ...
新たなる戦乱の幕開け

第390話 毛利と織田。鍋島直茂の小佐々百年戦略

永禄十二年 十二月二十八日 諫早城 戦略会議室「みな、聞いてくれ」 純正は直茂、弥三郎、庄兵衛を呼び、清良を紹介する。「伊予の西園寺配下だった土居式部少輔だ。今日から同じ釜の飯を食う仲間となった。よろしくな」。 清良が一礼し、皆が拍手をする...
西国の動乱、まだ止まぬ

第375話 かかった火の粉がいつの間にか四百万石

永禄十二年 十一月十六日 諫早城 純正は各方面から届けられる書状や通信文書を読みながら、定例会議を開いて今後の対策を考えていた。 空閑三河守、藤原千方(親)、鍋島直茂、尾和谷弥三郎、佐志方庄兵衛の五人が傍らにいる。そして閣僚の面々。「千方よ...
西国の動乱、まだ止まぬ

第362話 vs.スペイン②サラゴサ条約とポルトガルとの連合

永禄十二年 十一月一日 諫早城 純正の誤算が二つあった。それはスペイン軍の兵力の過小評価と、友好条約を結んだ勢力が、各地域の主力の王ではなかった事だ。 スペイン軍の兵力は三百、多くても五百程度だと予想していた。 多くても五百なら、三千の駐屯...
二島五ヶ村の領主 無双≠生き延び スタート

第41話 戦乱の足音 藤原千方の報告

「千方か、入れ」「はは」 相手が千方だと無駄な話がない。性格が生真面目、ではなく、主従の関係がそうさせているのだろう。「それで、どうであった?」 言葉少なに聞く。「は、されば先日の曲者ですが、やはり針尾伊賀守の手の者に間違いございません。昨...