家老

対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第557話 島津軍の混乱 毘沙門天・上杉謙信は何処?

天正元年 四月五日 辰四つ刻(0830)能登 鹿島郡  「なんと……誠であったか……」 「はは、所口湊には数多の兵船があり、城下は無論の事、湊も上杉の兵で溢れておりました」  畠山義慶よしなりは阿尾城を襲った敵に備えるため、道雪本隊から離れ...
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第552話 阿尾城陥落の真実と能登所口湊

天正元年 四月四日 辰一つ刻(0700) 能登 射水郡 千久里城 「おお! 無事であったか!」  庄川東岸(広上村)の道雪本陣で報告してきた家臣より、妻と嫡男の無事は聞かされていたが、実物を見てほっと胸をなで下ろす菊池武勝である。  千久里...
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第551話 信長の計略と上杉包囲網なるか?

天正元年 四月四日 京都 大使館  発 在能番所(能登所口湊) 宛 権中納言  秘メ 立花殿 出立 畠山殿 合力 越中へ 向カフ 秘メ ○三三○  秘メ 第四艦隊 出港後 帰港セズ ナホ 天気晴朗ナリ 秘メ ○三三一  発 越前堀江館 宛 ...
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第548話 織田と一揆と、隠尾城と千代ヶ様城

天正元年 四月二日 未二つ刻(1330) 庄川西岸(二塚村) 道雪本陣 曇りときどき雨 「申し上げます! 一条隊が布陣を終え、龍造寺隊は千代ヶ様ためし城に掛かりけり(攻撃した)候!」  道雪の本陣とわかれ南へ向かった二隊も、一条隊は布陣し、...
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第542話 庄川決戦:島津義弘の挑戦

天正元年 四月二日 辰三つ刻(0800) 庄川西岸(能町村) 島津義弘陣 「申し上げます! 敵、南一里半(約5.8km)の大門新村に陣を構えてございます!」 「何? 南だと? やつら、我らを思い消ちたるや(無視しているのか)! ?」  物見...
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第534話 謙信との決戦近し! 越中国人の混沌と畠山義慶の参戦

天正元年 三月三十日 能登 所口湊 「ご一同、それがしも合力いたしたく罷まかり越しました。何卒末席に加えてくだされ」  畠山義慶である。家臣団と合議の上、自らの手勢のみであれば、という条件つきで出陣となったのである。 「畠山修理大夫義慶よし...
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第526話 天下人三好長慶の孫と因縁の土佐三軍

天正元年 三月二十一日 滋賀国  三好一族は没落の一途をたどっていた。  かつての天下人であった三好長慶がなくなり、上洛した信長によって都を追われ、再起を図った『和泉家原城の乱』(史実で言う本國寺の変・第279話参照)でも純正に惨敗を喫した...
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第525話 越中をめぐる三つ巴、あるいは四?五?の戦い

天正元年(元亀三年・1572) 三月二十日   純正が発議した警察機構の発足については、同時にその教育機関についても言及された。  警保学校や消防学校、海上検非学校が設置され、将来的に幹部を育成するための大学校も検討されたのだ。  また、情...
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第524話 武田の鉱山と葡萄と天蚕 ~甲州ワイン誕生なるか?~

天正元年 三月十九日 甲斐国 躑躅ヶ崎館  二日前の三月十七日に、利三郎が勝頼と信玄に謁見して許可を得た小佐々軍の領内通過と、信越国境ならびに飛越国境の駐屯が行われる事となった。  荷留においては、それに加えて上野の武田領(真田領含む)にお...
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第517話 遊佐続光の苦悩 親上杉派の危機と上杉謙信の脅威

天正元年(1572年) 三月十三日 能登国 所口湊 「一体何なのだ、この米の量は尋常ではないぞ」  遊佐続光つぐみつ(親上杉)は大量の兵糧が運び込まれているのを聞いて、慌てて所口湊へ向かい様子を見に来ていたのだ。  交易船もさることながら、...
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第516話 上杉謙信・越後の龍を阻む者達 純正、近江にて織田信長と会談す

天正元年(1572年) 三月十二日 近江国蒲生郡 武佐宿村 小佐々織田合議所  近江国蒲生郡武佐宿村(滋賀県近江八幡市武佐町)に、小佐々家と織田家の会議を行う施設が建てられている。  基本というか、岐阜城であったり小佐々の大使館では、いろい...
緊迫の極東と、より東へ

第506話 武田勝頼へのKDA(小佐々家開発援助)と有用微生物群(EM)

天正元年(元亀三年・1572年) 二月二十日   甲斐国と言えば黒川金山、黒川金山と言えば戦国の武田家を支えた甲州金を産出した金山として有名である。  信玄の代に最盛期を迎えた黒川金山であるが、勝頼の代にはその産出量も減り、衰退しつつあった...
緊迫の極東と、より東へ

第502話 信長、三度越前を攻める。

天正元年(元亀三年・1572年) 二月月二日   雪解けを待って織田軍が越前へ侵攻した。  織田家の直轄兵力が四万八千、浅井が一万二千、伊勢の兵が一万三千、合計七万三千である。  これでも十分各地に守備兵を残しているのだ。越前では敦賀郡司が...
緊迫の極東と、より東へ

第496話 孤立無援に四面楚歌 徳川家康vs.曽根虎盛

元亀三年改め天正元年(1572年) 正月九日 岐阜城  信長としては反織田の包囲網が崩れたとは言え油断できない状況であり、雪解けを待って朝倉攻めをする為には、武田との和睦は喫緊の課題であった。  そのため純久の仲介で光秀を調整役として、虎盛...
緊迫の極東と、より東へ

第494話 ヌルハチと越後の龍 上杉不識庵謙信という男

とは言ったものの、超大国・明なんだよな。  放置したとして、万が一の事が起こりえない、とも断言できないところが苦しいところだ。永楽帝の死後の洪熙帝と宣徳帝の時代に、明の国力は充実した。  その後、安定と衰退とを繰り返し、先代皇帝の嘉靖帝の代...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第475話 義昭、流浪将軍となる

元亀二年 九月二日 京都 室町御所  信長が義昭に提示した条件は二つであった。  人質を出す事と、異見十七箇条を認める事である。義昭にとってはどちらも認められるものではなかったが、交渉の余地はない。  なにせ和睦という体の降伏なのである。 ...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第470話 虚々実々、信長と純正と信玄と

元亀二年 八月十日 三河 「申し上げます!」  武田軍の撤退の報を受け、逃散していた兵をまとめていた信長のもとに急報が入った。 「何事か!」  信長に急を報せるのは、織田家の忍者集団『饗談きょうだん』の頭領である、岩村長門守重休しげやす(2...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第439話 第2.5次信長包囲網への序曲 山は動くか

元亀元年 十一月  純正が西日本大会議を開いているそのころ……。  ■石山本願寺 「和議に応じぬとはどういうことだ! 信長は本当に長島を滅ぼす気か? あやつは仏罰が怖くないのか?」 「上人様、やはり公方はあてになりませぬ。信長になめられて、...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第437話 新しい西国秩序

元亀元年 十一月二十三日 伊予 湯築城  戦をなくす為に話し合いの場を設けたのに、これでは話がまとまらない。  元春の気持ちも理解できるが、大言壮語すぎたのだ。このまま、無条件では元春も引っ込みがつかないであろう。 「では能義郡、四万五千六...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第435話 尼子家の苦悩と復興

元亀元年 十一月二十二日 伊予 湯築城 酉三つ刻(1800)  ■別所家中 「叔父上、やはり中将様はひとかどの人物ですね。くぐってきた修羅場もそうであるし、話も飽きぬ。なにより、戦を好まぬ姿は好きです」  別所長治は叔父で一門、家老の別所重...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第434話 中将殿と西国の群雄

元亀元年 十一月二十二日 伊予 湯築城 酉三つ刻(1800)  50人ほど入る規模の会場には、大名家・国人家ごとに席が設けられていた。  上座には横長に3つの机が並べられている。真ん中のひときわ大きい机には純正が座り、宗麟、通宣、存保が右手...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第433話 変革の時

元亀元年 十一月二十二日 伊予 湯築城  元親は純正の発言の意図が理解できない。 「それは一体、どう言うことなのでしょうか?」 「言葉通りの意味である。宇喜多殿とは使者を通じて、服属したいとの旨を承っており、了承したのだ。その際、この毛利家...
新たなる戦乱の幕開け

第413話 元亀元年の浦上宗景への詰問状

元亀元年 九月十五日 諫早城 「殿、大使館より定時通信にございます」  京都大使館に配属されている情報省の職員(忍び)から定時報告があった。  京都~堺湊、阿波湊~土佐宿毛湊、豊後佐伯湊~肥前諫早城間はすでに街道が整備されており、駅馬車も走...
新たなる戦乱の幕開け

第403話 第一次信長包囲網の終焉と新たなる鳴動

元亀元年 六月六日   大安である六日を選んで、織田家と包囲網陣営の和議が結ばれた。  信長にしてみれば和泉は戻ってきたものの、摂津の領地は奪われたままで、決して良い条件ではなかった。  山城、河内、紀伊の状況は変わらず、良い面と言えば、大...
西国の動乱、まだ止まぬ

第381話 偽書

永禄十二年 十一月二十五日 諫早城  長宗我部元親には香我美郡八千石、長岡郡六千石、吾川郡一万石の、計二万四千石を安堵した。浦戸は租借から割譲へ変わったものの、領内の発展に使う資金は無利子である。  また、船舶や人の出入りも簡素化し、浦戸で...
西国の動乱、まだ止まぬ

第380話 遠い西の彼方へ。長宗我部元親の驚嘆の九州肥前紀行②

永禄十二年 十一月二十日 午一つ刻(1100) 府内 「これをこうやって送るのです」  そう言って宗悦は代金と書面を係に渡す。係は料金を確認して書面を伝達役に渡し、伝達役は何やら小屋を出て近くの見張り台まで走る。  見張り台の上では係は旗を...
西国の動乱、まだ止まぬ

第379話 遠い西の彼方へ。長宗我部元親の驚嘆の九州肥前紀行

永禄十二年 十一月十八日 辰三つ刻(0800) 浦戸城 「これは宮内少輔様、いかがされましたか?」  佐伯惟忠は知っていたがわざと聞いた。先日の件をどう思っているのか聞きたかったのだ。 「無礼ですぞ、いかに小佐々家中の方といえど、許せませぬ...
西国の動乱、まだ止まぬ

第367話 土佐安芸郡一揆③独立、なるか?

永禄十二年 十一月十日 土佐 安芸郡 安芸城 「殿、これからどうなさいますか」  家老であった黒岩越前守の息子、黒岩掃部(30)である。 「若と言われ続けてきて、いきなり殿は慣れぬな」 「は、しかし安芸家の復興のためには慣れていただかなくて...
西国の動乱、まだ止まぬ

第366話 観音寺騒動ならぬ三雲騒動

永禄十二年 十一月十日 南近江 三雲城  織田信長の圧倒的な軍事力の前に、昨年の永禄十一年、六角氏の主城である観音寺城が落とされた。  実際には支城である箕作城がわずか一日で落とされ、次いで和田山城の城兵の離散にともない、守れぬと判断しての...
西国の動乱、まだ止まぬ

第361話 予土戦役、黒瀬城攻防戦④藤原千方景延と空閑三河守光家

永禄十二年 十月二十七日 諫早城 戌二つ刻(1930) 「申し上げます!」  近習が慌てて駆け込んで声をかけてくる。純正は夕食を終えて、本を読んでいた。暗い。ガス灯が欲しいな、と考えていた頃だ。 「なんだ」 「四国の大友様より通信です」 「...
西国の動乱、まだ止まぬ

第360話 予土戦役、黒瀬城攻防戦③裏切りが裏切りを呼ぶ?宗麟の予感は当たるのか

永禄十二年 十月二十五日 伊予 長浜村(愛媛県大洲市長浜町)  宗麟たちは占領した板島城(愛媛県宇和島市和霊町)より河後森城(北宇和郡松野町富岡)へ抜けた。  その後北上して三滝城(西予市城川町窪野)、さらに北上して宇都宮領の伊予曽根城(喜...
西国の動乱、まだ止まぬ

第355話 徳川六角浅井朝倉。手紙が起こすバタフライ・エフェクト

永禄十二年 十月二十三日 三河 岡崎城 「忠次よ、小佐々との件どうなっておる」 「は、弾正忠(織田)様のお許しも得たゆえ、正式に小佐々家との通商を開始する運びとなりました。ただいま商人を通じた取引の協議が行われております」  うむ、と家康は...
肥薩戦争と四国戦役

第343話 肥薩戦争⑫無条件降伏か滅亡か 四百年の名門島津家の危機

永禄十二年(1569) 十月十三日 巳の三つ刻(1000) 内城沖 金剛丸  「それで始めましょうか」  外務大臣の利三郎が話を進めようとする。小佐々側は純正と利三郎、鍋島直茂に尾和谷弥三郎、佐志方庄兵衛である。  島津側は義久に義弘、歳久...
北九州を二分する 二つの二虎競食の計

第154話 筑前仕置 驚愕の元就と宗麟

永禄十年 十月 小佐々弾正大弼純正  結局、立花鑑載と高橋鑑種、秋月種実は本領安堵の国人衆の二を選び、宗像氏貞と原田隆種は四を選んだ。  立花鑑載が糟屋郡と広田郡と嘉麻郡の三郡、鞍手郡の四十五ヶ村で十五万五千石。  高橋鑑種は那珂郡と御笠郡...
横瀬浦開港 敵が味方 味方が敵に

第77話 艦上にて籠手田安経と日高資

条約締結の手続きが粛々と行われている頃、政忠は招待した松浦党四氏の代表と歓談していた。波多氏は、当主が元服したとはいえ若いので、代表の家老日高資が来ている。  伊万里氏は当主の伊万里純すみ、志佐氏は当主の志佐純昌だ。有田氏は史実では随分前か...
横瀬浦開港 敵が味方 味方が敵に

第76話 条約の落とし所。何を得て何を捨てるか。 

耳をつんざくばかりの轟音と揺れに、一同が態勢を崩したあと、 「ば! ! 何をやっている! やめぬか! 女子供もいるのだぞ!」  平戸松浦の家老達が血相をかえて怒鳴り散らす。刀に手をかけて振り上げようとする者もいたが、周りは味方の兵に囲まれて...
横瀬浦開港 敵が味方 味方が敵に

第75話 松浦へのネーバルプレゼンス 

俺の中で二人の処遇はもうすでに決まっていた。  隆信は切腹で、鎮信は出家。そしてどこかに幽閉する。  そしてこれは、かなり母上に泣きつかれて、情にほだされそうになったが、心を鬼にしてお願いした。  千寿丸を養子に出す。完全に平戸松浦を支配下...
横瀬浦開港 敵が味方 味方が敵に

第67話 佐志方杢兵衛、造反す。 

■龍岩城 佐志方杢兵衛 「殿! ご覧ください!」  眼下には南風崎から上陸した松浦軍が、ウンカの如く小佐々砦を攻めているのがはっきり見える。 「殿! ここに至ってはお家の為に造反も止むなし! 我らも共に小佐々を攻めましょう!」  筆頭家老が...
二島五ヶ村の領主 無双≠生き延び スタート

第37話 民部大輔、大村純忠

永禄四年(1561年)九月 大村館 沢森政忠 「平九郎よ。おぬしの言った通りになったのう」。  八月、宮の前事件は、史実通りに起きた。本当は事件前に、準備万端で横瀬浦誘致を進める予定だったけど、仕方ない。 「は、また今回の件は、三年前の宣教...
歴史改変仕方ない。やること多すぎです。

第24話 隆信、激昂 

永禄四年 四月 平戸城 松浦隆信 「なに!?」  すっくと立ち上がって 「それは誠か? 九郎討ち死にとな? ……勘解由もか??」  腰が抜けたかのようにどすんと座る。  あり得ぬ、あり得ぬ! あり得ぬぞ! 「また、敵方の沢森兵部小禄政種、鉄...
人物紹介

人物紹介④(127話~272話)

( )内は転生時、永禄4年(1561年)時点での数え年齢です。基本的に架空・史実の両方記載しますが、史実の人物の生没年、内容、記載の有無は筆者の任意なのでご了承ください。※は史実人物(本作ストーリー上内容修正あり) 龍造寺政家(5)※純家/...
人物紹介

人物紹介②(12話~50話)

( )内は転生時、永禄4年(1561年)時点での数え年齢です。基本的に架空・史実の両方記載しますが、史実の人物の生没年、内容、記載の有無は筆者の任意なのでご了承ください。※は史実人物(本作ストーリー上内容修正あり) 沢森吉野(32) 沢森平...