家人

転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第194話 『堀田正睦老中首座となり、蝦夷地上知再燃す』

安政二年十一月十七日(1855/12/25)  神に祈るしかない、というのはこの事なのだろう。  次郎は消火器や雲龍水の設置によって地震の被害を少なくしようと試みたが、確かに効果がなかったとは言えない。しかし、藤田東湖らの死因は倒壊による圧...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第183話 『ヘルハルドゥス・ファビウスとSoembing号、そして長崎海軍伝習(所)』

嘉永七年八月二十日(1854/10/11) 長崎  「なんと、これほど日本人の技量が育っているとは……これでは小官が教える事などほとんど無いではありませんか」  幕府はオランダからの働きかけもあり、海軍創設へと動き出した訳であるが、その第一...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第18話 『そのころの日本は? 俺が出来る事なんて、たかが知れてる。あれ? お慶さん』(1837/6/1)

天保八年 四月二十八日(1837/6/1) 次郎左衛門  信之助は石けんをいかに簡単に安く大量にできるかを考えている。もちろん品質は変えずに。  お里は和蘭辞書と反射炉製造書を読みながら翻訳中だ。  一之進は領内をまわって食生活と体調の聞き...
緊迫の極東と、より東へ

第508話 肥前より能登へ、日本初と東国の不気味な動き

天正元年(1572) 二月二十二日 筑前遠賀郡 岡湊 山鹿城 小佐々純正  小佐々領内では、特に海岸沿いの街道には信号所や伝馬宿を設置させている。  街道のコンクリート舗装は全部は終わっていないけど、信号所・伝馬宿・舗装の順に整備を続けてい...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第427話 純正上洛ス 将軍義昭二問フ

元亀元年 十一月一日 京都 室町御所  発 純久 宛 近衛中将  秘メ 公方様ヘ 宇喜多ノ 使者 謁見セリ 御教書ヲ 当家 ナラビニ 毛利 山陽 山陰 各大名ニ 送ルトノ 風聞アリ 内容ハ 播磨、美作、備前ノ 輩ハ 毛利ノ家人 タルベシ ト...
新たなる戦乱の幕開け

第421話 毛利の両川、吉川元春と小早川隆景

元亀元年 十月七日 吉田郡山城   「なんだ、どうするのだ?」 「それは、右衛門督様のお心次第にございます」  意味深な発言で言葉を濁す秀安であったが、輝元の歓心を買うのには十分であった。 「右衛門督様がこのまま小佐々の軍門に降り、独立独歩...
肥薩戦争と四国戦役

第346話 九州平定セン、然レドモ先ハ尚長シ……。

十月十九日 巳二つ刻(0930) 日向国紫波洲崎村(宮崎市折生迫)   三人が全員そろうまで、四日かかった。伊東祐青は自領内での開催もあって、通達が届くのは一番遅かったが、十六日に紫波洲崎城へ挨拶にきていた。  純正は城内に案内され城で過ご...