小佐々

西国の動乱、まだ止まぬ

第351話 薩州島津家と伊東祐青、御教書の真偽とくすぶる火種

永禄十二年 十月二十二日 都於郡城  伊東家に対する幕府の御教書の真偽を確かめるため、小佐々の使者がその書状を幕府へ持参した。しかし祐青は純正の言葉に従いつつも、もし偽書だった場合の処罰を考えていたのだ。  仮に偽書だったとしても、祐青自身...
西国の動乱、まだ止まぬ

第350話 息子織田勘九郎信忠より父である織田弾正忠信長への手紙

永禄十二年 十月 岐阜城  父上、勘九郎(信忠)が筆を取りまする。  小佐々家中の新造の船ガレオンなるものにて薩摩へ向かいて、弾正大弼様の戦を見届け奉るという、光栄の任を受け候えど、我が身は合戦の見届け役に過ぎず、合戦への介入は一切ないと契...
肥薩戦争と四国戦役

第347話 九州平定セン、然レドモ先ハ尚長シ……。②

十月十九日 午三つ刻(1200) 日向国紫波洲崎村(宮崎市折生迫)   な! 祐青すけきよが目を見開き純正を注視した。 「めっそうもございませぬ! 誰がそのような事を。許せませぬ」。  純正は落ち着いて祐青を制止した。   「修理亮よ、余は...
肥薩戦争と四国戦役

第346話 九州平定セン、然レドモ先ハ尚長シ……。

十月十九日 巳二つ刻(0930) 日向国紫波洲崎村(宮崎市折生迫)   三人が全員そろうまで、四日かかった。伊東祐青は自領内での開催もあって、通達が届くのは一番遅かったが、十六日に紫波洲崎城へ挨拶にきていた。  純正は城内に案内され城で過ご...
肥薩戦争と四国戦役

第345話 戦国九州のポツダム宣言とヤルタ会談??

永禄十二年(1569) 十月十九日 巳一つ刻(0900) 日向国紫波州崎村(宮崎市折生迫)   洋室、洋間がある城は、おそらく諫早城だけであろう。もしかすると岐阜城にもあったかもしれないが、知る由もない。種子島城にはもちろん洋室はないが、諫...
肥薩戦争と四国戦役

第344話 肥薩戦争⑬九州探題と三州守護

永禄十二年(1569) 十月十三日 未一つ刻(1300) 内城沖 金剛丸   純正の一言で場がよくわからない雰囲気になってしまったが、もう昼である。小腹も空いたことで、昼食となった。  食事をしてコミュニケーションをとり、相手との親和度を高...
肥薩戦争と四国戦役

第343話 肥薩戦争⑫無条件降伏か滅亡か 四百年の名門島津家の危機

永禄十二年(1569) 十月十三日 巳の三つ刻(1000) 内城沖 金剛丸  「それで始めましょうか」  外務大臣の利三郎が話を進めようとする。小佐々側は純正と利三郎、鍋島直茂に尾和谷弥三郎、佐志方庄兵衛である。  島津側は義久に義弘、歳久...
対島津戦略と台湾領有へ

第290話 ルイス・フロイス meets with 信長

永禄十二年 四月 京都 妙覚寺  数日前二条城の造営をしている現場を視察に行った際に、信長は布教をしている宣教師の一行に出会った。  それを見て信長は思い出した。  フロイスという宣教師が訪ねて来たら、話を聞いてほしいと小佐々純正から紹介さ...
肥前王 源朝臣小佐々弾正大弼純正

第202話 小佐々城

開戦二日目 子の三つ刻(0:00) 小佐々純正 「申し上げます! 毛利領国境信号所より信号あり」  発 杉長良 宛 弾正大弼  メ 盟ト 松山城救援 求ム メ 午三つ刻(12:00)  豊前松山城からの救援要請が来た。もうすでに全軍に届いて...
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第190話 工部省筆頭技術者 鬼才 国友一貫斎

永禄十一年 七月 工部省 技術研修室 国友一貫斎(いっかんさい)    わしの名は二代目国友一貫斎。  小佐々家工部省、技術開発局の筆頭技術者だ。もう三十前だが結婚もせず(やかましいわ!)、研究一筋で独身を貫いている。  むかし、といっても...
北九州を二分する 二つの二虎競食の計

第185話 三好義継と松永久秀

同年 五月 信貴山城 松永弾正久秀 「申し上げます。小佐々肥前守と申す者から書状が届いております」  なに? 小佐々? 聞いた事はある。遠く九州の地で勢いがあり、肥前・筑前・筑後、そして北肥後も支配下にいれたという。  朝廷や幕府に献金をし...
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第176話 3月 第二回練習艦隊 広南国の会安

永禄十一年 三月 籠手田安経  広南国(ベトナム)の会安(ホイアン)についた。  この国の王である阮潢(グエン・ホアン)は、もともと仕えていた王朝が新王朝に奪われ、それに対抗して南部に出来た勢力の王だ。    現在はその新王朝を倒すために共...
北九州を二分する 二つの二虎競食の計

第168話 宗麟の逆鱗。筑後戦役か?

永禄十一年 正月 臼杵城 大友宗麟  例年のごとく年賀の饗宴を催していたのだが、異変に気づいた。  毎年正月には九州各地から大名たちがわが城を訪れ、年賀のあいさつをしてきた。  従属している大名はもちろん、日向や肥後からもやってきていたのだ...
従属・同盟・連立

第114話 藤原千方と空閑三河守

筑前国 博多 藤原千方  ある時は虚無僧、ある時は商人、またある時は山伏、そして能楽師にほうか師(手品師)  さまざまな姿に変化しては敵の情報を集めたり|撹乱《かくらん》をする。それがわしの仕事。今日のわしは商人の大村屋長兵衛だ。  さすが...
北九州を二分する 二つの二虎競食の計

第163話 対信長外交団④

永禄十年 十一月 尾張 津島湊 鍋島直茂  津島湊についた。湊はどこも活気がある。  それにしても、上総介様はわれらの殿と同じで、経済の感覚に優れていらっしゃるようだ。  祖父の信定様が津島湊を勢力下においてから、その経済力を背景に織田家は...
北九州を二分する 二つの二虎競食の計

第162話 先ず隗より始めよ 小代実忠と同田貫

永禄十年 十一月 北肥後 小代城 岡甚右衛門 「そんなに! そんなに買っていただけるのですか?」  小代実忠どのは驚いている。  同田貫は身幅が厚く反りが浅い刀身の刀で、余計な装飾のない、美麗さより実用本位の刀である。  折れず曲がらず、そ...
北九州を二分する 二つの二虎競食の計

第160話 対信長外交団③

永禄十年 十一月 堺湊 鍋島直茂 「それはいったいどういう事でしょうか」  私は聞いた。 「はい、堺湊はご存知のように奈良平安の昔から、隋や唐への使臣派遣や貿易、国中の産物が行き交う湊として賑わってまいりました」  私と常陸介どのは真剣に聞...
北九州を二分する 二つの二虎競食の計

第159話 対信長外交団②

永禄十年 十一月 堺湊 鍋島直茂  堺湊についた。少しだけ、寒い。コタツが恋しくなる季節です。コタツは小佐々の名物ではないか。  なぜ商品化して売っていないのだろう? 冬場だけだからか? もっと北にいけばもっと売れる。間違いない……。  京...
北九州を二分する 二つの二虎競食の計

第172話 第二回練習艦隊 マカオ編

永禄十一年 二月 マカオ 籠手田安経 「なんだと! ? 賄賂を渡していた役人が処刑? 海禁は緩和したが、日本は認めない? 倭寇に協力したから信頼ができない、だと! ?」  明の海禁政策緩和で自由に貿易ができる! と思ったのも束の間だった。 ...
北九州を二分する 二つの二虎競食の計

第158話 宗義調と吉岡長増

同年十一月 対馬 金石城 吉岡長増 「お初に御意をえまする。吉岡左衛門大夫長増にございます」。  目の前には対馬と壱岐七万石を治める宗讃岐守義調様がいる。今回は小佐々との関係を探り、離間の計が能うかどうか見極めにきたのだ。 「面をあげよ。吉...
北九州を二分する 二つの二虎競食の計

第157話 宗義調へ「対州鉱山の開発を支援しよう」

同年 十一月 金山城 宗義調  使者の沢森利三郎と農商務省・工部省の官僚が言った。 「大串から技術者を派遣します。手押しポンプなどを使って排水を効率化して、鉱山運営を再開しましょう」  沢森家からは石けんの製造の方法を教えてもらうかわりに、...
北九州を二分する 二つの二虎競食の計

第156話 対信長外交団①

永禄十年 十一月 小佐々城 小佐々弾正大弼純正  この辺で、そろそろ信長に対して接点をつくっておかないといけない、と考えた。大友とは接点があるようだし、不利な条件でいろいろ介入・仲裁されても面倒だしな。  と、その前に!! なんでこんな大事...
北九州を二分する 二つの二虎競食の計

第155話 トーレスとマカオ市長とインド総督と

永禄十年 十月 小佐々城 小佐々弾正大弼純正  東南アジアとインド洋、そしてアフリカ東岸・西岸の航行の自由を確保するために、有力者のお墨付きが必要だ。  トーレスとは久しぶりに合う。以前は豊後府内を根拠地に布教をしていたが、今年の始めに居を...
北九州を二分する 二つの二虎競食の計

第154話 筑前仕置 驚愕の元就と宗麟

永禄十年 十月 小佐々弾正大弼純正  結局、立花鑑載と高橋鑑種、秋月種実は本領安堵の国人衆の二を選び、宗像氏貞と原田隆種は四を選んだ。  立花鑑載が糟屋郡と広田郡と嘉麻郡の三郡、鞍手郡の四十五ヶ村で十五万五千石。  高橋鑑種は那珂郡と御笠郡...
肥前争乱、淘汰するものされるもの

第95話 北がダメなら南にすすめ 俵石城攻略戦

十一月 小佐々城 小佐々弾正大弼純正 「さて、どうする?」  俺は深沢義太夫、深作治郎兵衛、藤原千方、沢森利三郎の四人と、特別参謀として佐志方杢兵衛を加えた五人で、戦略会議を行っていた。 「外務大臣、どうだ、外交状況が悪いところはあるか?」...
肥前争乱、淘汰するものされるもの

第93話 露見! 隠し金山

永禄七年 十月 龍造寺の須古城侵攻の数日前 小佐々城 <純正> 「弾正大弼だいひつ殿、これは一体いかなる事ですかな?」  使者の一瀬栄正ひでまさが言う。 「どうもこうも、ごらんのとおりにございます」  大串の隠し金山が大村純忠にみつかった。...
5強まであと7,000石(現在36,824石)

第90話 椎茸栽培! なるか?! 

同月 小佐々城 小佐々弾正大弼だいひつ純正  そうか、やはりまだダメか。  報告を聞いた俺はため息をついていた。  2年前に始めた椎茸しいたけ栽培がうまくいってないからだ。もちろん、すぐに栽培できるとも思っていなかったし、できたとして、どの...
5強まであと7,000石(現在36,824石)

第89話 龍造寺隆信と鍋島直茂

永禄七年 四月 佐賀龍造寺城 龍造寺隆信 「直茂よ、やっと落ちたの」 「はは」  肥前中野城に籠もっていた少弐政興を降したのだ。 「少弐め。滅んだのだから大人しくしておればいいものを、大友なんぞに担がれおって」  少弐政興は大友氏によって擁...
5強まであと7,000石(現在36,824石)

第88話 宇久純定という男

永禄七年 二月 五島江川城 宇久純定  五島は宇久純定(39)が統治していた。親平戸松浦勢力である。  いや、だったが正解だ。  純定の祖父が家臣の謀反で死に、父が逃亡先の平戸で育って、隆信の父興信の代に援助を受けて取り返したのだ。  しか...
5強まであと7,000石(現在36,824石)

第87話 空閑三河守光家、暗躍す。

永禄六年 十月 伊万里城下 「ごめんよ~」 「へい、らっしゃい! 何にしますか?」 「そうだなあ。まず酒一合と、あと、とりあえず何かみつくろって」 「かしこまりました~。酒一合におまかせ一丁~」  旅人だろうか。いくつもある飯屋で食事と一緒...
5強まであと7,000石(現在36,824石)

第85話 省庁再編と永禄七年度予算会議 

随分遅くなったが、それぞれの役割分担と業務効率を上げる為に、省庁再編を行った。  あわせて永禄七年度の予算会議を実施。  領地も増えたし、再度の見直しが必要だったからね。予算会議は毎年行い、追加・補正予算は都度実施する。  当主   小佐々...
5強まであと7,000石(現在36,824石)

第83話 宮の村返せだって? あんたバカぁ?↑ 

永禄六年(1563) 七月 大村館 小佐々弾正 「おお! よくぞ来た平九郎! 小佐々の家督をついだそうだな」  俺が来たのが嬉しいのか、それともなにか魂胆があるのかわからない。主殿に案内された俺は、喜々とした純忠の態度に驚いた。  日の出の...
5強まであと7,000石(現在36,824石)

第82話 イエズス会と南蛮貿易

永禄六年 七月 小佐々城 小佐々弾正  千方が手の者を使って盗ませた、インドの管区長あての書簡(もちろん戻したが)にはこう書いてあった。  インド管区長様  その者、平戸の松浦を屈服させ、再び港として、使ってほしいと申しております。  ドン...
5強まであと7,000石(現在36,824石)

第81話 さて、どうする? 

さて、どうする?  某歴史ゲームなら、間違いなくセーブして一休みするか、じっくり今後の戦略を立てるところだ。  まず相神浦松浦あいこうのうらまつら家だが、爺様はまだ隠居しておらず、有馬からの養子、盛がいる。平戸の力を弱め、嫡男と次男は幽閉し...
横瀬浦開港 敵が味方 味方が敵に

第80話 沢森政忠、五代目弾正大弼純正に、相成る。

親父と一緒に小佐々城にいった。馬で一刻(2時間)もかからない。  小佐々城は城の辻と呼ばれる小高い山の上に築かれている。  城の本丸からはゲキト岳を源流として梨の木から北の七ツ釜港に流れこむ多比良川と、それに沿って瀬戸村までつながる道を望む...
横瀬浦開港 敵が味方 味方が敵に

第79話 数字は苦手なんだけどな、文系です。

改めて、周辺の勢力図と領内の状況を分析する。  言うまでもないが、最大の勢力は龍造寺だ。  基肄郡、養父郡、三根郡、神埼郡、小城郡を治めて二十万石。それに加えて従属の江上氏が約九万石だ。  次に有馬。衰えたとは言え、直轄地で六万七千石。  ...
横瀬浦開港 敵が味方 味方が敵に

第75話 松浦へのネーバルプレゼンス 

俺の中で二人の処遇はもうすでに決まっていた。  隆信は切腹で、鎮信は出家。そしてどこかに幽閉する。  そしてこれは、かなり母上に泣きつかれて、情にほだされそうになったが、心を鬼にしてお願いした。  千寿丸を養子に出す。完全に平戸松浦を支配下...
横瀬浦開港 敵が味方 味方が敵に

第74話 平戸松浦氏の処遇 運命の岐路

同年 五月 沢森城 沢森政忠  さて最後は、これが一番の難事で、やり方によっては肥前の情勢を一変させる。我らが生きるも死ぬも、これにかかっていると言っても過言ではない。  ……。  主だった者を城に呼んで評定を開いた。  まずは俺の隣に親父...
横瀬浦開港 敵が味方 味方が敵に

第73話 674石から11,536石へ 佐志方杢兵衛

同年 五月  早岐城主の早岐甚助、日宇城主の日宇舎人とねり、井手平城主の岡甚右衛門、広田城主の遠藤千右衛門、鷹の巣城主の堀江大学らが沢森城に来た。  佐世保から宮の村までの諸豪族を連れて、佐志方城主、佐志方杢兵衛が沢森城へ来たのだ。その他、...
横瀬浦開港 敵が味方 味方が敵に

第72話 674石から11,536石へ 針尾三郎左衛門 

月が変わって、  同年 五月 沢森城 沢森政忠  叔父上たちの首は、丁寧に、本当に細心の注意を払って、小佐々城に送った。  本来は俺も一緒に行きたかった。俺は一生分の涙を流した気がした。一生分の叫びをし、慟哭した。  佐世保湾海戦では風が味...
横瀬浦開港 敵が味方 味方が敵に

第70話 阻止せよ! 横瀬浦上陸!② 

同刻 横瀬浦   ひゅうううううん、どがしゃああん。ひゅううううん、どすん。 「なんだ? なんの音だ!」  針尾伊賀守は乱戦のなか、兵卒に尋ねる。 「わかりませぬ。なにやらお城の方から聞こえてくるようですが……」 「何? 城から?」  伊賀...
横瀬浦開港 敵が味方 味方が敵に

第69話 激突! 佐世保湾海戦③ 

■佐世保湾上 松浦隆信 「なんだこれは! わしは夢でも見ておるのか?」  八隻あった松浦水軍の船は五隻沈められ、海上は漕手、兵であふれかえっている。  残りの三隻も沢森海軍の関船と小早群に包囲され、海兵に乗り込まれて白兵戦が行われている。も...
横瀬浦開港 敵が味方 味方が敵に

第67話 佐志方杢兵衛、造反す。 

■龍岩城 佐志方杢兵衛 「殿! ご覧ください!」  眼下には南風崎から上陸した松浦軍が、ウンカの如く小佐々砦を攻めているのがはっきり見える。 「殿! ここに至ってはお家の為に造反も止むなし! 我らも共に小佐々を攻めましょう!」  筆頭家老が...
横瀬浦開港 敵が味方 味方が敵に

第65話 死闘!葛ノ峠の戦い②

「ええいまだか! まだ宮村城は落ちぬのか?!」  大村純忠は焦っている。  謀反と聞いて急いで討伐にやってきたが、正月の戦も癒えていない。兵糧の準備も完全ではないし、続く戦に兵の士気もあまり高くはない。 「申し訳ありませぬ。小峰城、蓮輪はす...
横瀬浦開港 敵が味方 味方が敵に

第63話 死闘!葛ノ峠の戦い①

永禄六年二月 小佐々城 小佐々純勝 「申し上げます! 宮村城の大村純種様、ご謀反にございます!」 「なに?」  おそらく、単独ではない。背後に後藤か松浦が控えているのであろう。  いずれにしてもこちらも出なければ、南風崎はえのさきの砦があぶ...
横瀬浦開港 敵が味方 味方が敵に

第58話 大村純忠、ドン・バルトロメオとなる。

やばい。まじやばい。嘘やろ? 早すぎるって! 来年やろ? 「本日、大村民部大輔様はじめ、家臣数名がキリシタンになるべく受洗された由にございます」  もー、なにやってるんですか純忠様! 早いですって!  俺は急いで見張り台に駆け上り、日の丸の...
横瀬浦開港 敵が味方 味方が敵に

第55話 本当にあった奴隷貿易 姉上と、おれと、いもうと

同年 八月  沢森領は少しずつ豊かになっている。  石けん、鉛筆、塩、醤油、味噌など、コタツや布団など耐久品も含めた生活必需品が充実している。(もちろん、領内の城は簡易水洗にしているよ!)  なにより人口が増えた。  転生時の永禄四年四月に...
横瀬浦開港 敵が味方 味方が敵に

第54話 手旗と旗旒信号と望遠鏡

技術街の職人に頼んでおいたレンズがやっと完成した。それを元に望遠鏡の製造を依頼して、石原岳堡塁と岳の城、天崎城と沢森城、本郷城と小佐々城に設置する。  晴れた日で視界が良ければ、裸眼でも視認できる距離の城同士もあった。(みんな目がいい!)で...
横瀬浦開港 敵が味方 味方が敵に

第53話 くそ親父バカ親父アホ親父!

永禄五年 七月 沢森城 膨大な出費に目がくらみながら、道喜と弥市を前にして、頭をひねる。ガレオン船一隻つくるのに相当金かかるな。増収増益しないといけない。 問題は、どこから捻出するかだ。 「道喜よ。今のしゃぼんの販売量は今後も維持できるか?...
二島五ヶ村の領主 無双≠生き延び スタート

第48話 永禄五年 大友義鎮、動く

同年 四月 沢森城 沢森政忠 「大友義鎮は少弐家を再興すべく、少弐政興を擁立いたしました」  やっぱりかあ!   千方の報告に、文字通りの感情が湧き上がった。これからいよいよきな臭くなるぞ。一歩間違えば家が潰れる。  最悪、相神浦や大村が潰...