レイテ

技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ

第660話 『明国と北条』(1578/12/2) 

遡って天正七年八月十七日(1578/9/18) 「申し上げます! 呂宋にて、シーバンニャ(西班牙・Hispania・イスパニア)艦隊壊滅! 小佐々に敗れたそうでございます!」 紫禁城にて首輔である張居正は忙しく業務をこなしていた。 税制改革...
技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ

第659話 『中浦ジュリアン、伊東マンショ、千々石ミゲル、原マルチノとともにセバスティアン一世に謁見す』(1578/11/7)

天正七年十月二十二日(1578/11/7) ポルトガル リスボン王宮 王の臣下を先頭に、リスボンの荘厳な王宮の廊下を歩く一団の中に、四人の少年の姿があった。三年前の天正四年十二月十八日(1576/1/18)に長崎を出港した伊東マンショ、千々...
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。

第654話 『レイテ沖海戦~終~艦隊合流と有終の美』(1578/6/24)

天正七年五月十九日(1578/6/24)キャンカバト湾 スペイン軍「閣下! 艦隊のほとんどが撃沈、拿捕だほされ、もう戦えません!」 傷を負った士官がオニャーテに駆け寄って告げる。小佐々軍の来襲を受け、なんとか一晩持ち越したものの、艦隊は惨憺...
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。

第653話 『レイテ沖海戦~伍~起死回生と窮途末路』(1578/6/23)12:00

天正七年五月十八日(1578/6/23)12:00 接敵地点より南へ20km カバリアン湾沖東22km地点 「提督! 前方に艦影あり! 敵艦と思われます! 多数!」 ゴイチ艦隊旗艦の見張りが大声で報告する。「ちくしょう。もう来やがったか」 ...
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。

第652話 『レイテ沖海戦~四~千変万化。機を見るに敏であれ』(1578/6/23) 09:00 

天正七年五月十八日(1578/6/23) 09:00 カバリアン湾沖東18km「司令官! 敵、カバリアン湾ではなくなおも北上、アナハワン沖へ北上しております!」 「なに! ? ばかな! 敵の本隊はカバリアン湾におるのではないのか? なぜ北上...
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。

第651話 『レイテ沖海戦~参~接敵! スリガオ海峡!』

天正七年五月十日 マゼラン湾 夜間ずっと降り続いていた雨が止み、霧が晴れた頃に小佐々連合艦隊は出港した。第四艦隊は東進して、カ二ガオ海峡を抜けてミンダナオ海に入る。 その後パナオン島南端のサン・リカルド岬を経て北上する。 本隊である第一連合...
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。

第650話 『レイテ沖海戦~弐~作戦決定セリ、小佐々艦隊出撃ス』

天正七年五月九日 マクタン島 マゼラン湾 第一連合艦隊旗艦 穂高「さて、まず一つ目だが、皆の意見を聞かせてもらいたい。包囲攻撃作戦の利点と欠点を洗い出していこう」 純正は全員を見渡して、発言した。 艦隊総司令の勝行が率先して意見を述べる。 ...
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。

第649話 『レイテ沖海戦~壱~情報の取捨選択と生かし方が命運を分ける』

天正七年五月九日 マクタン島 マゼラン湾 第一連合艦隊旗艦 穂高「御屋形様! 偵察小隊が戻ってきました!」「よし、聞こう」 純正は全艦隊司令官と信長を含めた全幕僚の作戦会議を招集した。「敵の戦力はおおよそですが、1,000トン級が3隻で砲は...
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。

第648話 『嵐の前の静けさ……レイテ沖海戦プロローグ』

天正七年五月五日 マクタン島 マゼラン湾 砲撃直後 砲撃の轟音ごうおんが響く中、偵察艦は全速力で退却を開始した。水しぶきを上げながら、急いで安全な距離を保つことを目指す。小佐々艦隊の圧倒的な火力に直面し、フアン艦隊の偵察艦内では怒号が飛びか...
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。

第647話 『長蛇の列とタブゴンの戦い』

天正七年五月三日 レイテ島南部 タブゴン パパン! パパパパーン……。 タブゴン湾を見渡せる150mほどの丘の上から、散発的に銃撃が小佐々軍の偵察分隊に加えられている。しかし、幸いな事に距離は500mを超えているようだ。当たらない。 敵だと...
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。

第646話 『ファーストコンタクト イン レイテ』

天正七年五月三日 レイテ島 カバリアン湾 スペイン軍基地 フアン艦隊からは3隻の偵察部隊が出港し、ゴイチの艦隊からは目が良い人員を厳選して見張り要員として派遣した。カバリアン湾のスペイン軍陣地からサンリカルドの岬までは約60kmである。 小...
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。

第645話 『イスパニアの戦力とその動向』

天正七年四月二十八日 レイテ島 カバリアン湾 スペイン軍基地「危険です! 私の部隊の見張りの報告では、湾の入り口付近で多数の艦影を見たとのこと。もし、我らがここにいることを知られたならば、敵はこぞって攻めてまいりますぞ!」 フアン・デ・サル...
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。

第644話 『決戦!イスパニア艦隊』

天正七年四月二十三日 マクタン島~セブ島タリサイ 陸軍はマニラに守備兵として3千を残して、第4師団の1万2千がセブ島のサン・ペドロ要塞の南西8kmにある、タリサイの地に陣地を築いている。 地域の中央には南北にマナンガ川が流れており、狭いなが...
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。

第643話 『スペインの要塞、陥落続く』(1578/5/26)

天正七年四月二十日(1578/5/26) セブ島-ボホール島海域 ネグロス島のシブラン堡塁ほうるいと、セブ島南のリローン堡塁を壊滅させた第一・第二連合艦隊は、マニラにて補給と同時に乗組員を休息させ、残りの堡塁と要塞の壊滅に向かっていた。 第...
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。

第637話 『通商破壊か、要塞各個撃破か、サン・ペドロ要塞壊滅か』(1578/1/9)

天正六年十二月二日(1578/1/9) マニラ 小佐々軍駐屯地 「……さて、こたびの作戦目標であるが、皆も知ってのとおり、明とイスパニアの同盟が明確になった以上、機先を制してこのアジアからイスパニア勢力を駆逐する事にある」 海図を前に、全員...
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。

第634話 『織田水軍から織田海軍へ、イスパニア情報の収集』(1577/10/13)

天正六年九月二日(1577/10/13) 岐阜城「何? 小佐々から参陣の求めが来ただと?」「は、これよりイスパニアなる南蛮の国と戦をするゆえ、海軍の参陣を求めると。水軍とは呼ばず、海軍と。されど強いるものではなく、判は委ねるとのことで、その...
新たなる戦乱の幕開け

第416話 肥葡修好通商条約と肥葡安全保障条約

元亀元年(1570年)十月 リスボン王宮 親愛なるセバスティアン一世陛下 日ノ本における九州王、小佐々純正です。現在私は東インドのメニイラ(マニラ)において、多様な民族とともに共存共栄の道を歩んでおります。 陛下に対して深い敬意と感謝を持ち...
西国の動乱、まだ止まぬ

第362話 vs.スペイン②サラゴサ条約とポルトガルとの連合

永禄十二年 十一月一日 諫早城 純正の誤算が二つあった。それはスペイン軍の兵力の過小評価と、友好条約を結んだ勢力が、各地域の主力の王ではなかった事だ。 スペイン軍の兵力は三百、多くても五百程度だと予想していた。 多くても五百なら、三千の駐屯...