松浦

二島五ヶ村の領主 無双≠生き延び スタート

第48話 永禄五年 大友義鎮、動く

同年 四月 沢森城 沢森政忠 「大友義鎮は少弐家を再興すべく、少弐政興を擁立いたしました」  やっぱりかあ!   千方の報告に、文字通りの感情が湧き上がった。これからいよいよきな臭くなるぞ。一歩間違えば家が潰れる。  最悪、相神浦や大村が潰...
二島五ヶ村の領主 無双≠生き延び スタート

第47話 後藤家嫡男の誕生と暗雲

「殿、至急お知らせしたき儀がございます」  なんだ? いい話か悪い話か? 「武雄後藤家、嫡男誕生の由にございます」 「なに?」    俺は声に出してしまったが、何かを心の中でぐっと押しつぶした。それは感情を押し殺すとかではない。歴史通りに動...
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第44話 恐怖の謹賀新年

永禄五年 正月 小佐々城 沢森政忠  数え十三になった。当主をついではじめての正月だ。小佐々城にて新年の祝いの宴が開かれている。  最高級せっけん「沢森TSUBAKI」←多分誰も読めないから雰囲気で刻印した。    高級せっけん「沢森NAT...
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第43話 山内二十六ヶ山の総領 神代勝利

肥前国 波佐見 内海城 神代勝利 「お初に御意を得まする。沢森平九郎政忠にございます。」  若いな、息子長良より一回り下位か。  内海殿と私は同時に挨拶をし、まずは内海殿がこの若い彼杵の領主に話しかけた。 「堅苦しい挨拶は良い。先だってから...
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第41話 戦乱の足音 藤原千方の報告

「千方か、入れ」 「はは」  相手が千方だと無駄な話がない。性格が生真面目、ではなく、主従の関係がそうさせているのだろう。 「それで、どうであった?」  言葉少なに聞く。 「は、されば先日の曲者ですが、やはり針尾伊賀守の手の者に間違いござい...
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第38話 調略と石宗衆の誕生

せっけんの生産と販売の目処はついた。高級石けんを販売して、領内のみで普通石鹸を売る。そのために、イワシの油をまぜた。  臭いは強いが値段が菜種の半分程度なので、臭いが気にならない程度にまぜて、三分の二程度に原価をおさえたのだ。  もちろん基...
二島五ヶ村の領主 無双≠生き延び スタート

第37話 民部大輔、大村純忠

永禄四年(1561年)九月 大村館 沢森政忠 「平九郎よ。おぬしの言った通りになったのう」。  八月、宮の前事件は、史実通りに起きた。本当は事件前に、準備万端で横瀬浦誘致を進める予定だったけど、仕方ない。 「は、また今回の件は、三年前の宣教...
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第36話 針尾伊賀守の苛立ち

同年 七月  驚いた。まさか本当に、こんなに早く利益を出すとは。  最高級の椿油を五島から仕入れて作ったので、原価が十倍に跳ね上がった。しかし、売価も跳ね上がったので、利益も当然あがる。 (椿、栽培しよう♪多分ほぼ全国域で育つから問題ないは...
二島五ヶ村の領主 無双≠生き延び スタート

第32話 上松浦党の波多親

永禄四年(1561年) 六月 沢森城 「して、どうであった?」  俺は利三郎の報告を受けた。ひと月ほど前から粘土の調達と外交をまかせていた件だ。 「は、内海、福田とも感触は良好でござった」  利三郎は上機嫌だ。良い内容なのだろう。 「両家と...
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第29話 利三郎と忠右衛門

永禄四年(1561年) 五月 岳の城 沢森利三郎政直  どたどたどたどたどた!    忠右衛門と二人で主殿に向かう。なんでまた、いきなりなんだ? 「殿!」 「殿!」  主殿の下座には先日家督を相続したばかりのわが殿、平九郎様がいらっしゃった...
歴史改変仕方ない。やること多すぎです。

第24話 隆信、激昂 

永禄四年 四月 平戸城 松浦隆信 「なに!?」  すっくと立ち上がって 「それは誠か? 九郎討ち死にとな? ……勘解由もか??」  腰が抜けたかのようにどすんと座る。  あり得ぬ、あり得ぬ! あり得ぬぞ! 「また、敵方の沢森兵部小禄政種、鉄...
歴史改変仕方ない。やること多すぎです。

第23話 九郎と勘解由 蛎浦の海戦⑤

未みの正刻(午後二時ごろ) 沢村政忠 「ぐあっ!」  親父が左腕を抱えて膝をついた。二発目の弾は俺を狙っていたようだが、船が揺れるのと同時にかがんだので当たらなかった。 「父上!」  俺は親父を抱え、破ったはちまきを傷口にかぶせると、脇を圧...
歴史改変仕方ない。やること多すぎです。

第22話 海峡封鎖作戦 蛎浦の海戦④

未の初刻 四半刻後(午後一時半ごろ) 「申し上げます! 港の民家は焼失しておりますが、損害は軽く、民の被害もありませぬ」 「ほう。むだな殺戮はせぬ、か」  政忠達は島の北端を迂回して島の陰に隠れていたのだが、けもの道から山頂の金毘羅神社を越...
歴史改変仕方ない。やること多すぎです。

第21話 推参!深沢勝行。蛎浦の海戦③

未一つ刻(1300) 沢森政忠 「妙だな」  寺島水道をまっすぐに南下して、大島と蛎浦かきのうら島の間にある中戸瀬戸に向けて進路を西にとってしばらくした頃、親父がポツリとつぶやく。 「いかがされましたか?」 「島を見てみろ。蛎浦湊みなとの煙...
歴史改変仕方ない。やること多すぎです。

第18話 蛎浦に敵あり! 五島の権益を守れ

四月九日 午四つ時(1230) 小佐々城 小佐々弾正純勝 「申しあげます!」 「何事だ!」  伝令の全身から絞り出すような大声に、息子の純俊といっしょに将棋をしていたわしは我に返る。 「蛎浦かきのうら、敵襲にございます! お館様より小佐々様...
歴史改変仕方ない。やること多すぎです。

第17話 海上からの狼煙 ― 平戸襲来、政忠初陣せり。

四月九日 午の正刻(1200)すぎ  いい天気だ……。    その後も海辺の道を小平太と歩きながら(俺は馬に乗っていたんだが)、通行人達に声をかけ、笑顔で会話をして道を進む。    みんないい人。ほんわかする。しばらくすると前方に人だかりが...
歴史改変仕方ない。やること多すぎです。

第14話 賢者のはったり 「平戸の南蛮船誘致と武力の利用」

「あいわかった!」    ……え? わかったの? 「わかったが、納得したわけではないぞ」  いたずらっこみたいな顔で親父が続ける。いくつなんだよこのひと。それを見て、母はそっと父に寄り添う。 (あなたのそういうところが大好きなの! ってオー...
歴史改変仕方ない。やること多すぎです。

第12話 父へのプレゼン!南蛮貿易と領土争いの行方

「父上、今よろしいでしょうか?」 「おお、入れ」    短い会話のあと、障子を開けて父の部屋に入る。小平太も一緒だ。  あ、と目が合った。黒髪(当たり前か)で美人の母が隣に座っている。うーん、いつ見ても美人なんだよね。慣れない。というか変な...
歴史改変は悪だけど、死ぬのはいやです。

第11話 横瀬浦の秘密 ~ 歴史改変と南蛮貿易の舞台~

たった1年とはいえ、前世では戦国時代に南蛮貿易港として賑にぎわった横瀬浦。  確か史実では横瀬浦は大村領で、来年の永禄5年(1562年)、歴史の檜ひのき舞台に姿を現す。現世ではそれさえもかなわないのか?  横瀬が沢森領になったのは去年だけど...
歴史改変は悪だけど、死ぬのはいやです。

第10話 674石のしょぼ領主

親父と話をしに行く前に、いろいろと整理しておこう。    状況を分析し、最善の提案をして領内を豊かにしなくてはならないからだ。舐められないためには武力が必要。    しかしそのためには、鉄砲や弾薬、大砲はもちろん、人員も必要だ。戦のための食...
歴史改変は悪だけど、死ぬのはいやです。

第9話 転生した少年の覚悟―戦国時代での新たな使命と決意

「ちーちー、ちーち」  ん? なんだ?  とてとてとてとて。2歳児が近寄ってきた。甥の幸若丸だ。2歳くらいって、かわいいと思わない大人がいるんだろうか? (中身だけ) 「ちーち、ちーち、だあこ、だあこ」  ん? だっこしてほしいのか?  よ...
歴史改変は悪だけど、死ぬのはいやです。

第4話 宮の前事件と平戸の南蛮船〜永禄4年の謎に迫る〜

永禄4年4月 沢森城 自室にて   ※宮の前事件※  永禄四年(1561年)八月、長崎県平戸(以降平戸と記述)に停泊中の、ポルトガル船のフェルナン・デ・ソーザ船長と16名の乗組員が平戸港宮前で殺害された事件。  多分、商取引のトラブルが原因...
歴史改変は悪だけど、死ぬのはいやです。

第3話 生き残れ!若き武将の戦国九州サバイバル

永禄と言えば永禄の変! 室町幕府十三代将軍の足利義輝が、三好三人衆に殺害された事件。もうこれで戦国時代確定ね。ははは。  四年ということは、まだ始まったばかりだから当分は大丈夫かと思いきや、永禄の変は八年。  つまりあと4年で将軍義輝は暗殺...
年表・統治機構

1566年~1570年(忘備録)

1566年(永禄九年) 1月 小佐々領 人口十二万人 石高 十八万三千七百五十二石 波多家 十四箇条の定めにより保護国化 2月 沢森家 第三子 吉法師誕生 第四子 愛姫誕生 3月 海軍伝習所 第一期生卒業 計百二十八名(松浦郡十六名・彼杵郡...
年表・統治機構

1561年~1565年(忘備録)

1561年(永禄四年) 4月  転生 蠣浦の海戦 5月 石けんの製造・販売開始 鉛筆の研究製造開始 綿花増産計画(同時にふとん製造) 硝石製造の研究開始 「ナタ目」法による椎茸試験栽培 同「種駒」式栽培研究開始 切り干し大根の生産製造・研究...
年表・統治機構

小佐々家統治機構・軍編成概要(忘備録)

以下、特に大学・軍編成は随時更新 ()内の年齢は1561年時点 当主   小佐々弾正大弼純正(沢森政忠)従四位上  正四位下近衛中将(元亀元年六月昇進)  従三位権中納言近衛大将(元亀三年/天正元年一月昇進)  検非違使別当 顧問  沢森政...
人物紹介

人物紹介④(127話~272話)

( )内は転生時、永禄4年(1561年)時点での数え年齢です。基本的に架空・史実の両方記載しますが、史実の人物の生没年、内容、記載の有無は筆者の任意なのでご了承ください。※は史実人物(本作ストーリー上内容修正あり) 龍造寺政家(5)※純家/...
人物紹介

人物紹介③(51話~126話)

( )内は転生時、永禄4年(1561年)時点での数え年齢です。基本的に架空・史実の両方記載しますが、史実の人物の生没年、内容、記載の有無は筆者の任意なのでご了承ください。※は史実人物(本作ストーリー上内容修正あり) 橘屋又三郎(38)※ 堺...
人物紹介

人物紹介②(12話~50話)

( )内は転生時、永禄4年(1561年)時点での数え年齢です。基本的に架空・史実の両方記載しますが、史実の人物の生没年、内容、記載の有無は筆者の任意なのでご了承ください。※は史実人物(本作ストーリー上内容修正あり) 沢森吉野(32) 沢森平...
人物紹介

人物紹介①(1話~11話)

( )内は転生時、永禄4年(1561年)時点での数え年齢です。基本的に架空・史実の両方記載しますが、史実の人物の生没年、内容、記載の有無は筆者の任意なのでご了承ください。※は史実人物(本作ストーリー上内容修正あり) 沢森平九郎政忠(12) ...