面持ち

転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第158話 『大村純顕の帰国と上海のペリー』

嘉永六年四月七日(1853/5/14)  京都 鷹司邸「幸経様、その後のご容態については逐一報せを受けておりますが、お変わりありませぬか?」 そう言って笑顔で接しているのは、医学方総奉行の一之進である。「うむ。お陰で気分もよく、日中に目まい...
天下百年の計?

第707話 『財政と琉球領土編入問題』

天正十二年三月五日(1583/4/26) 肥前国庁舎 「そ、それは、あまりにも無体ではありませぬか? 我らから四割もお取りになるとは」 一人ではない。全員がそう言って場が騒然となった。信長は黙って目をつむり、聞いている。「では一つだけお伺い...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第152話 『五島沖の事故。嘉永五年との別段和蘭風説書』

嘉永五年七月二十三日(1852/9/6) 五島沖 平戸、壱岐対馬、天草、五島と何度も試験航海を曙丸は繰り返していた。「主機は順調にございます! スクリューも滞りなく動いておりまする」「艦橋了解」 機関長からの報告である。 試作のスクリューを...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第151話 『スクリューと九条幸経』

嘉永五年六月七日(1852/7/23) 大村藩 精煉せいれん方 スクリュー研究室  象山が加硫によるゴムの安定化に成功した事と、潤滑油の開発が終了したことで、スクリュー製造の目処がたってきた。研究室内では実験結果を詳細に記録しながら、象山が...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第150話 『ソルベー法の完成と九条幸経』

嘉永五年四月二十日(1852/6/7) 肥前大村 精煉せいれん方  高炉の前で、いよいよ実際の装置設置と試験運転が始まった。 緊張感が漂う中、ブルークは真剣な表情で助手たちに向かって指示を出す。全員に決意の表情が浮かび、各自の持ち場につく。...
天下百年の計?

第702話 『公方の京都帰還と北条の減封、佐竹と宇都宮』

天正十一年十二月二日(1582/12/26)  小田原御所「嫌じゃ嫌じゃ! 何ゆえ余が官を辞して上洛し、信長と純正に頭を垂れねばならぬのだ!」 新政府からの通達を聞いた義昭は、書状を破り捨て、激昂げきこうしている。 新政府の情報を探りつつ、...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第146話 『高杉晋作と箱館・横浜・新潟・神戸・長崎』(1852/2/10) 

嘉永五年一月二十一日(1852/2/10) 長州 萩城下   後年、異例の出世を遂げて周布政之助は長州藩の指導者たる立場となるのだが、この時はまだ江戸祐筆ゆうひつ役である椋梨むくなし藤太の添役でしかなかった。 そのため晋作は、最初は江戸にい...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第145話 『その頃の幕府と各藩』(1852/1/31)

嘉永五年一月十一日(1852/1/31) 江戸城 この頃の幕府と言えば江戸湾の台場構築と、大村藩へ盛んに幕臣を派遣して、技術の吸収に邁進まいしんしているところであった。しかし肝心の財政再建は遅々として進まず、第七台場まで造成予定の台場は、第...
技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ

第693話 『天然痘ワクチンと北条氏規』(1582/1/29)

天正十一年一月六日(1582/1/29) 純アルメイダ大学内研究室 大学の研究室では様々な分野に分かれて研究がなされている。  医学の分野に限って言えば、新薬の開発やワクチンなどだ。純アルメイダ大学の第一期卒業生である楢林朔玄さくげんは、同...
技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ

第690話 『公方と朝廷と北条』(1581/6/17) 

天正十年五月十六日(1581/6/17) 小田原御所 小田原御所とは、逃亡してきた義昭のために氏政が建てた仮初めの御所である。史実でも小弓公方だ古河公方だと、よくわからない関東公方がいたが、義昭は名実ともに小田原公方となってしまったのだ。 ...
技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ

第657話 『落胆あれば喜びあり』(1578/9/13)

天正七年八月十二日(1578/9/13) 諫早城「御屋形様! 急ぎお知らせしたき儀がございます!」 忠右衛門が興奮した面持ちで純正に目通りを願ってきた。傍らには一貫斎と源五郎政秀もいる。「おお叔父上、いかがなされた。一貫斎に源五郎まで」 純...
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。

第651話 『レイテ沖海戦~参~接敵! スリガオ海峡!』

天正七年五月十日 マゼラン湾 夜間ずっと降り続いていた雨が止み、霧が晴れた頃に小佐々連合艦隊は出港した。第四艦隊は東進して、カ二ガオ海峡を抜けてミンダナオ海に入る。 その後パナオン島南端のサン・リカルド岬を経て北上する。 本隊である第一連合...
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。

第615話 関東騒乱終結。北条の勢力拡大と、宇都宮と佐竹の弱体化(1574/10/27)

天正三年十月十三日(1574/10/27) 交渉3日目 茂木城「陸奥守殿、そう譲れぬ譲れぬの一点張りでは、決まるものも決まりませぬ。ここは関東の雄、大国としての徳と民への慈愛をもって、為すべき事を為すほうが良いかと存ずるが、いかに」(……肥...
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え

第603話 石山本願寺包囲戦(1574/5/21)

天正三年五月一日(1574/5/21) 純久からの連絡を受けた純正の行動は早かった。   三好の淡路水軍を用いて木津川口を封鎖し、海上からの補給路を断ったのだ。摂津の三好軍も動員して北側を封鎖し、南側は織田領で逃げ場はない。 京都の独立旅団...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第37話 『鯨組の復活とペニシリン』(1839/11/26)

天保十年十月二一日(1839/11/26) 肥前彼杵そのぎ郡 江島村『深澤』ではなく『益富』と掲げられた屋敷では、見かけでは20歳になるかならないかという男が、他の男衆に声をかけながら作業を行っていた。「御免候、こちらに深澤太郎殿はおられる...
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え

第594話 一貫四百五十匁(約12ポンド)一貫斎砲と五馬力蒸気機関

天正二年五月二十三日(1573/6/22) 肥前 川の近く 某所 ぐわんぐわんぐわん……。どがしゃんどがしゃんどがしゃん……。 水車を動力とした大型切削機械が二つ並んでいる。 ぐわんぐわんぐわん……。どがしゃんどがしゃんどがしゃん……。「先...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第21話 『黒幕と顛末』(1837/7/6)

天保八年 六月四日(1837/7/6) 雪浦村 冨永屋敷 <次郎左衛門>「あ痛……」 痛みと共に目が覚めた。「おお! 目が覚めたぞ!」 一之進が俺の顔を見て安堵の声を上げる。それを聞いて、交代で仮眠をとっていた信之介にお里が駆け寄ってきた。...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第558話 激突! 島津vs.上杉と七尾城の陥落

天正元年 四月五日 午三つ刻(1200) 越中 水戸田村 道雪本陣「申し上げます! 敵勢六千! 島津勢に掛かりけり候(攻撃しました)!」「何? 案に違えて(予想外に)早いの。敵将は誰じゃ?」「は……それが、謙信自らかと思われます!」「何じゃ...
緊迫の極東と、より東へ

第497話 和睦交渉のゆくえと幸若丸の元服

天正元年(元亀三年・1572年) 正月十一日 「領地の返還、割譲以外に和睦の条件がございますか?」 家康と石川数正は話し合っている。曽根虎盛の言う事に腹を立てても、確かに寝返った国人衆の扱いには困るのが現実だ。 織田・徳川と武田の和睦交渉は...
西国の動乱、まだ止まぬ

第381話 偽書

永禄十二年 十一月二十五日 諫早城 長宗我部元親には香我美郡八千石、長岡郡六千石、吾川郡一万石の、計二万四千石を安堵した。浦戸は租借から割譲へ変わったものの、領内の発展に使う資金は無利子である。 また、船舶や人の出入りも簡素化し、浦戸での権...
西国の動乱、まだ止まぬ

第359話 内城での会議 義虎と国人四人 反乱すべきかせざるべきか

永禄十二年 十月二十五日 薩摩(鹿児島) 内城 巳一つ刻(0900) 上座には宗家当主の島津義久が座り、向かって右手に次兄の義弘、三男の歳久が座っている。左側は家久である。薩州島津家は一門衆であるので上座に近い方に島津義虎が座っている。 島...
西国の動乱、まだ止まぬ

第355話 徳川六角浅井朝倉。手紙が起こすバタフライ・エフェクト

永禄十二年 十月二十三日 三河 岡崎城「忠次よ、小佐々との件どうなっておる」「は、弾正忠(織田)様のお許しも得たゆえ、正式に小佐々家との通商を開始する運びとなりました。ただいま商人を通じた取引の協議が行われております」 うむ、と家康はうなず...