八紘共栄圏を目指して 第847話 『ネゴシエイト』 慶長三年一月二十七日(西暦1598年4月9日) 諫早「これはこれはフュンドン殿、遠いところわざわざようお越し下さった」「いえいえ。伊集院殿も安国寺殿も、お元気そうでなによりです」 ヌルハチの腹心、フュンドンが肥前国首都の諫早を訪れるのは2度... 2025.04.02 八紘共栄圏を目指して
八紘共栄圏を目指して 第846話 『哱拝(ぼはい)の死』 慶長三年一月二十七日(西暦1598年3月4日) 寧夏 寧夏城の居室で、哱拝は苦しそうな呼吸を繰り返していた。布団の上で横たわる彼の顔は蒼白で、額には大粒の汗が浮かんでいる。「父上、お薬を」 長男の哱承恩が差し出す薬を、哱拝は手を震わせながら... 2025.03.31 八紘共栄圏を目指して
八紘共栄圏を目指して 第844話 『渓谷の戦い』 慶長二年十月二十九日(西暦1597年12月20日)「隊長~。いつまで続けるんすか? もう2か月たちますよ」 スペイン王国ペルー副王領の兵士が愚痴をこぼした。 ビルカバンバのインカ帝国残党に対する攻撃部隊の兵士である。 インカ帝国は、1533... 2025.03.27 八紘共栄圏を目指して
八紘共栄圏を目指して 第814話 『ロシア・ツアーリ国のフョードル1世』 文禄四年七月十七日(1595/8/22) ロシア モスクワ イワン雷帝の息子であるフョードル1世が崩御して5年。 崩御前から摂政であったボリス・ゴドゥノフは次々に政敵を駆逐し、事実上の権力者であったが、フョードルの崩御後に即位してツアーリと... 2025.01.22 八紘共栄圏を目指して
八紘共栄圏を目指して 第800話 『西南王楊応龍の死』 文禄三年二月八日(1594/3/29) 李化龍の進軍の報を聞いた楊応龍の対応は迅速であった。 本拠地の播州を中心として各地の苗族と連携をとり、統治のために配していた親族や腹心に命じて迎撃させたのだ。当初、数では劣勢であった楊応龍であったが、... 2025.01.01 八紘共栄圏を目指して
八紘共栄圏を目指して 第799話 『8路24万』 文禄二年十二月十八日(1594/2/8)「陛下、明からの使者が参っております」「おお、ようやく来たか。遅すぎるぞ」 楊応龍は|播《は》州の宮殿で明からの使者が来たという報告を受け、笑みをこぼす。独立と領土の要求をして期日を設け、ようやくその... 2024.12.31 八紘共栄圏を目指して
八紘共栄圏を目指して 第797話 『楊応龍とヌルハチ』 文禄二年九月二日(1593/9/26)「陛下、播州の楊応龍の使者という者が謁見を願いでております」「何? 哱拝ぼはいの次は楊応龍か? あやつには土司としての権力を認めたであろうが。まあよい、通せ」 連日の政務と内憂外患で焦燥していた万暦帝は... 2024.12.29 八紘共栄圏を目指して
八紘共栄圏を目指して 第796話 『明、万事休す』 文禄二年八月七日(1593/9/2) 純正は明軍との戦いで捕虜とした将兵に3つの選択肢を与えた。 1.このまま日本に永住。捕虜ではあるが、収容年数によって待遇が変わり、最終的には日本国籍となる。 2.明に残している家族を肥前国へ移住させ、帰... 2024.12.27 八紘共栄圏を目指して
東アジアの風雲 第785話 『掃討戦』 天正二十一年三月十四日(1592/4/25)「勝ったか……」 丙路の戦いは肥前国軍の圧勝に終わった。 2万の明軍は壊滅し、生き残った者たちは敗走した。森や谷底、死体の中に身を潜めて追撃から逃れようともがいたが、わずかな物音さえ死の宣告に思... 2024.12.15 東アジアの風雲
東アジアの風雲 第784話 『2万対3千』 天正二十一年三月十三日(1592/4/24) 明軍丙路 丙路を通る楊鎬ようこう軍は決戦を前に十分な休息をとり、隘路あいろを白雲へ向けて進軍中であった。「副官、では策の通りにいたそう」「承知しました」 当初、昨日の作戦会議では隘路を一点突破... 2024.12.13 東アジアの風雲
東アジアの風雲 第783話 『乙軍大将祖承訓の決断』 天正二十一年三月十三日(1592/4/24) 泰川郡北部 甲軍が隘路あいろを突破したという知らせは、乙・丙へい両軍には伝わらなかった。甲路と乙路の間、現地点間の距離は13kmもあったからだ。部隊間の連携など、最初から明軍の作戦には入ってい... 2024.12.12 東アジアの風雲
東アジアの風雲 第782話 『血染めの隘路』 天正二十一年三月十三日(1592/4/24) 暁と共に、3つの狭間で両軍の激突が始まった。 史憲誠にとって、この甲軍隘路の地形が極めて危険な戦場となることは明白だった。そこで彼は夜明けと同時に先鋒部隊を派遣し、慎重な姿勢を保ちながら前... 2024.12.11 東アジアの風雲
東アジアの風雲 第780話 『隘路』 天正二十一年三月九日(1592/4/20) 鴨緑江沖「敵兵の収容が終わりました。生存者は751名です。兵糧は……40万貫(約1,500トン)ほどとなりそうですが、弾薬は……」「ご苦労、もう良い。赤崎長官、如何いかがいたす?」「兵糧に関して... 2024.12.09 東アジアの風雲
東アジアの風雲 第779話 『決死の行軍と鴨緑江沖海戦』 天正二十一年三月八日(1592/4/19) 義州府 義州府の楊鎬ようこうの本隊のもとに、敗残兵を引き連れた沈有容が到着した。兵数は1万。焦燥しきった沈有容の姿は下流域での敵の攻撃のすさまじさと、被害の大きさを物語っている。「よくぞ戻った」... 2024.12.08 東アジアの風雲
Uncategorized 第777話 『背水の陣、鴨緑江』 天正二十一年三月四日(1592/4/15) 鴨緑江沖 晴れ 鴨緑江河口に轟音ごうおんが響き渡る。黒煙を噴き上げる出雲をはじめとする肥前国第一艦隊から、次々と砲弾が放たれたのだ。その光景は李舜臣の目に焼き付いた。「これは……まるで雷神の怒り... 2024.12.06 Uncategorized
東アジアの風雲 第774話 『朝鮮出兵-3-鴨緑江の対峙』 天正二十一年二月十八日(1592/3/31) 朝鮮・明国国境 鴨緑江「申し上げます! 敵日本軍、鴨緑江の対岸に陣をはり、待ち構えております!」 明軍の総大将である楊鎬ようこうは斥候の報告を聞いて考え込む。 軍は鴨緑江の西岸から数キロ離れた地... 2024.12.03 東アジアの風雲
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第159話 『一触即発! 琉球にて』 遡る事嘉永六年二月十九日(1853/3/28) 鹿児島城「おお! これは肥前の宰相、太田和次郎左衛門殿! お会いしとうござった!」 少し|慇懃《いんぎん》無礼気味に見えるが、次郎はそれを感じつつも低姿勢で応対する。「はは。英明なる豊後殿に... 2024.07.06 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。 第648話 『嵐の前の静けさ……レイテ沖海戦プロローグ』 天正七年五月五日 マクタン島 マゼラン湾 砲撃直後 砲撃の轟音ごうおんが響く中、偵察艦は全速力で退却を開始した。水しぶきを上げながら、急いで安全な距離を保つことを目指す。小佐々艦隊の圧倒的な火力に直面し、フアン艦隊の偵察艦内では怒号が飛びか... 2024.04.29 北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。 第646話 『ファーストコンタクト イン レイテ』 天正七年五月三日 レイテ島 カバリアン湾 スペイン軍基地 フアン艦隊からは3隻の偵察部隊が出港し、ゴイチの艦隊からは目が良い人員を厳選して見張り要員として派遣した。カバリアン湾のスペイン軍陣地からサンリカルドの岬までは約60kmである。 小... 2024.04.26 北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。 第643話 『スペインの要塞、陥落続く』(1578/5/26) 天正七年四月二十日(1578/5/26) セブ島-ボホール島海域 ネグロス島のシブラン堡塁ほうるいと、セブ島南のリローン堡塁を壊滅させた第一・第二連合艦隊は、マニラにて補給と同時に乗組員を休息させ、残りの堡塁と要塞の壊滅に向かっていた。 第... 2024.04.23 北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え 第603話 石山本願寺包囲戦(1574/5/21) 天正三年五月一日(1574/5/21) 純久からの連絡を受けた純正の行動は早かった。 三好の淡路水軍を用いて木津川口を封鎖し、海上からの補給路を断ったのだ。摂津の三好軍も動員して北側を封鎖し、南側は織田領で逃げ場はない。 京都の独立旅団... 2024.03.08 内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第560話 城生城の落城と鎌田政年の討死。両軍、和議となるか? 天正元年 四月五日 酉四つ刻(1830) 越中 戸波村~鷲塚村 島津軍 巳の四つ刻(1030)から始まった島津軍と上杉軍の戦闘は、巧みに離合集散を繰り返して互角のまま推移していたが、もう間もなく日没になろうかという頃、唐突に終わりを告げた。... 2024.01.22 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第554話 上杉謙信に後手後手の小佐々純正。起死回生、なるか? 天正元年 四月四日 日本海「(おい、誠に、これは同じ、海なのか?)……!」「ははは! だらしねえなあ旦那! それでも同じ海賊か? こんなもん凪なぎだ!」「やかましい! 何も言うておらぬではないか! いささか驚いておるだけじゃ! 軍いくさでは... 2024.01.16 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第541話 両軍激突直前! 両越騒乱、庄川の戦い、始まる。 天正元年 四月二日 寅三つ刻(0400) 越中 庄川周辺 曇り 庄川を渡河するにあたって、四つの地点があったが、道雪は一番近い中田村の瀬からの渡河は選択肢から外した。 一度に大量の兵が渡河することは可能だが、深いために身動きがとれない。 弓... 2024.01.05 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第539話 接舷乗艦と火矢攻撃、第四艦隊壊滅?? 天正元年 四月一日 午一つ刻(1100) 立花道雪 陣中「殿、杉浦壱岐守様がお見えです」「何? 壱岐守殿が?」 九州の武士である道雪にとって、杉浦玄任(1517~)は見知らぬ人物である。道雪以外の、一番近い摂津三好衆にとっても知っている者は... 2024.01.04 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第536話 上杉謙信の離間の計と海上戦略 天正元年 四月一日 越佐海峡 霧島丸 巳の二つ刻(0930)「長官、入られます!」 艦橋の当直下士官が告げる。「どんな具合だ?」 長官の加雲は艦長に確認する。初日に数隻を拿捕だほして以来の艦船である。意気が上がり全艦に緊張が走る。「は、ただ... 2024.01.03 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第518話 軍神・上杉謙信との対決 島津義弘はじめ島津家はやはり戦闘民族だった? 天正元年 三月十四日 能登国鹿島郡 在能所口湊番所 原田孫七郎は能登在番として、七尾城への兵糧の搬入と、それを隠れ蓑にして鉄砲、武具、弾薬などの搬入も行っていた。 ちなみに滞在と活動資金に関しては、能登を通る小佐々商人から受け取っている。 ... 2023.12.17 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
緊迫の極東と、より東へ 第504話 加越同盟と越前の未来 天正元年(元亀三年・1572年) 二月六日「敵大軍なれども われに地の利あり 心配に及ばず 一乗谷で 督戦 あれ」 一乗谷にあって全体を指揮していた義景のもとに、巳の一つ刻(09:00)に戦端が開かれたとの一報が入ったのは申一つ刻(12:3... 2023.12.03 緊迫の極東と、より東へ
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰 第466話 青銅砲から鋳鉄砲へ、純正、難題を一貫斎に投げかける 元亀二年 七月十七日 諫早城 純正は先日、野田城陥落の報をうけ、京都の大使館内が騒然となったという報せを受けた。いや、野田城の陥落自体は問題ではない。問題はその後なのだ。 将軍義昭が挙兵した。 やっぱりか、と純正は思ったが、こればかりはどう... 2023.10.26 第2.5次信長包囲網と迫り来る陰
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰 第465話 小佐々純久とグネッキ・ソルディ・オルガンティノ 元亀二年 七月十六日 京都 大使館「おお、これはオルガンティノ殿、久しいですね。どうされたのですか?」 京都でフロイスとともに布教をしているオルガンティノが訪問してきた。 オルガンティノはイエズス会の宣教師で司祭である。 昨年の元亀元年に来... 2023.10.25 第2.5次信長包囲網と迫り来る陰
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰 第454話 伯耆国岩倉城と備前国天神山城の行方 元亀二年 四月十七日 伯耆国 岩倉城「おお、見よ! 駿河守様が後詰めとしてこられたぞ!」 城主の小鴨元清は、丸に三つ引両の吉川の旗印に小躍りして喜んだ。河村郡と久米郡、八橋郡の大部分を治める、国人領主の南条元継の弟である。 今回の一斉挙兵に... 2023.10.16 第2.5次信長包囲網と迫り来る陰
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰 第450話 雑賀党と太田党、そして西国では嵐の前の静けさ 元亀二年 三月二十一日 京都大使館「さて、まったく変なやつだと昔から思っていたが、その変わったやつが、ここまで家中を大きくしたのだからな。こたびの差配も、考えたら的を得ている」 小佐々治部少丞純久は、純正の書状をみながら、つぶやく。 信玄の... 2023.10.12 第2.5次信長包囲網と迫り来る陰
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰 第448話 信玄、動く。 元亀二年 三月四日 諫早城 発 純久 宛 近衛中将 秘メ ◯二二六 信玄 甲府ヲ 発テリ 東美濃ヨリ 三河 ナラビニ 駿河ヨリ 遠江ヘ 二手ニ ワカレ 進ム模樣 コノ報セ 弾正忠様ニモ 送リケリ 秘メ ◯三◯一 京都大使館の純正から、信玄が... 2023.10.10 第2.5次信長包囲網と迫り来る陰
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰 第442話 武田信玄の3つの選択肢 元亀元年 十二月二十日 甲斐の武田信玄には、どこに侵攻するか、三つの選択肢があった。一つは越後、もう一つは美濃、そしてもう一つは遠江三河である。 一つ目の越後の上杉謙信だが、昨年の永禄十二年の八月には和議が成立している。 しかし開戦の名目は... 2023.10.05 第2.5次信長包囲網と迫り来る陰
新たなる戦乱の幕開け 第396話 第一次信長包囲網……ならず? 元亀元年 四月 結局連合軍は義景に打撃を与えることなく、浅井長政は朝倉義景と和議を結び、近江へ戻った。 それに対し信長は何も言わなかった。義景は目の上のたんこぶであったが、いますぐに排除しなければならない敵ではない。 それに加賀の一向一揆に... 2023.09.06 新たなる戦乱の幕開け
新たなる戦乱の幕開け 第394話 六分儀の完成と、果てしなき正確な時計への渇望 元亀元年(1570) 三月 諫早城 三好日向守(長逸)殿、並びに三好下野守(宗渭)殿、岩成主税助(友通)殿 既に御聞きと存じ候えども、先の先の将軍を弑し奉りし大罪のため、御幕府より追討の命を受け候。その執行はそれがしの一任となる旨、肝に銘じ... 2023.09.04 新たなる戦乱の幕開け
西国の動乱、まだ止まぬ 第383話 鎮西平定ナレドモ四国ハ西園寺ガ残リケリ 永禄十二年 十二月二日 丑一つ刻(0100)諫早城 隣国に攻められたり飢饉の発生や疫病など、一刻をあらそう場合は、深夜であれ純正の元には緊急通信が入ってくる。迅速な対応が求められるからだ。 発 石宗衆 宛 総司 秘メ ※島津義虎謀反 東郷ヘ... 2023.08.27 西国の動乱、まだ止まぬ
西国の動乱、まだ止まぬ 第382話 永禄十二年 十二月一日 庄内の乱、東郷の乱。 永禄十二年 十二月一日 巳の一つ刻(0900)薩摩 薩州島津家当主、※島津義虎が動いた。 南下して、二十年も抗争を続けてきた東郷氏の旧領を攻めたのだ。 東郷氏は渋谷一族の分家で、祁答院氏や入来院氏とともに島津家と戦ってきたが、すでにすべて島... 2023.08.27 西国の動乱、まだ止まぬ
西国の動乱、まだ止まぬ 第353話 予土戦役、黒瀬城攻防戦①恐るべき元黒瀬七城と新しき防衛戦法 永禄十二年 十月二十三日 伊予南西部 宇和郡 伊予の国人の調略は順調に進んでいたものの、西園寺の攻略が遅々として進んでいなかった。 宗麟の本隊は宿毛城から伊予に入った。 別働隊は鷲が森城より伊予に入っていたのだが、敵の防御が妙だったのだ。... 2023.08.09 西国の動乱、まだ止まぬ