怪訝

転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第144話 『アーク溶接と場所請負商人』(1852/1/11)

嘉永四年十二月二十日(1852/1/11) 精煉れん方 理化学・工学研究所 信之介研究室   信之介は夜も眠らずに研究室にこもっていた。目の前には、数ヶ月かけて組み立てた発電機がある。手のひらで優しく機械をなぞりながら、信之介はこれが次世代...
技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ

第691話 『ヌルハチ』(1581/12/12)

天正十年十一月十七日(1581/12/12) 「そうか、ヌルハチが一統したか」 「は、今は足場固めをしているようですが、直に他の女直へも勢力を拡げようとするでしょう」 「うむ。張居正はいかがだ? 持ち直しそうか?」 「それは未だわかりません...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第132話 『薩摩からの手紙。ゴムと隼人と産物方』(1851/2/3) 

嘉永四年一月三日(1851/2/3) 師走の候、丹後守殿(大村純顕)におかれましては益々ご清祥の事とお慶び申し上げ候。※下に超訳あり。  未だ見知らず(会った事もない)、また申し入れず(手紙のやり取りもない)候と雖いえども、先般、御家中が一...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第119話 『次郎左衛門、武蔵国にて高林謙三に会い、隼人は加賀にて大野弁吉を口説く』(1849/11/25)

嘉永二年十月十一日(1849/11/25) <次郎左衛門>  お茶の件はどうにかなったし、川越に来る途中にいろいろ考えてきた事があった。それは現在進行形で、これから10年、いやそれ以上、俺も含めてみんなが頭の隅に置いておかなくちゃならないこ...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第568話 フェリペ二世の世界戦略と庄川の戦いの結末へ

天正元年(1572) 四月十四日 イスパニア マドリード王宮  「それが……明のさらに東、ジパングの艦隊にございます」 「……使者よ、余は真実を申せと言ったのだ。……嘘やデタラメを申せと言うたのではないぞ!」  フェリペ二世は傍らにあったオ...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第520話 対上杉謙信 純正の調略と荷留・津留の経済封鎖

天正元年(元亀三年・1572年) 三月十六日 京都 大使館   純正は謙信が話し合いに応じ、戦う事なく拮抗状態が維持できればと考えていたが、やはりそれは出来なかった。  第二師団には尾張より木曽川を上って飛騨に入り、越中との国境である塩屋城...
緊迫の極東と、より東へ

第508話 肥前より能登へ、日本初と東国の不気味な動き

天正元年(1572) 二月二十二日 筑前遠賀郡 岡湊 山鹿城 小佐々純正  小佐々領内では、特に海岸沿いの街道には信号所や伝馬宿を設置させている。  街道のコンクリート舗装は全部は終わっていないけど、信号所・伝馬宿・舗装の順に整備を続けてい...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第480話 鍋島左衛門大夫直茂、小佐々治部少丞純久、太田和治部少輔政直、一同に会す

元亀二年 十月二日 京都 大使館 「久しいの治部少丞、息災であったか」 「これは利三郎様、お元気そうでなによりにございます。お心遣いかたじけのうございます」  純久は三年ぶりに上司である利三郎に会い、喜びもひとしおであった。  しかし一方で...
西国の動乱、まだ止まぬ

第372話 土佐安芸郡一揆④小佐々家の介入は人道支援?

永禄十二年 十一月十五日 土佐 岡豊城  急な報せを受けた香宗我部親泰は、急ぎ京より土佐へ戻り岡豊城で長宗我部元親と会議を行っていた。 「殿、状況はいかがにござるか」 「うむ、攻めかかっておるが、なかなかに手強い。勢いは強まるばかりじゃ。使...
西国の動乱、まだ止まぬ

第369話 長政の野望 with ◯◯ 北近江よりの立志伝

永禄十二年 十一月 近江 小谷城 「継潤、その後公方様はどうなのだ?」  浅井長政は信長の妹を嫁にし、同盟者となっていたが、自身の存在感の低下に危機感を抱いていた。  事実、美濃を攻略するまでは共闘相手として、上洛する際は障害となる六角と共...
西国の動乱、まだ止まぬ

第358話 ゲーリケとドニ・パパンと源五郎、そしてライフル銃と一貫斎

永禄十二年 十月二十二日 諫早城 未一つ刻(1300) 「殿、まずはこれをごらんください。蒸気のからくり、それがしは機関、と命名しましたが、その機関を説明するのに必要なのです」  うわー。なんとなく、なんとなくわかるぞ。スマホを作るには半導...
西国の動乱、まだ止まぬ

第351話 薩州島津家と伊東祐青、御教書の真偽とくすぶる火種

永禄十二年 十月二十二日 都於郡城  伊東家に対する幕府の御教書の真偽を確かめるため、小佐々の使者がその書状を幕府へ持参した。しかし祐青は純正の言葉に従いつつも、もし偽書だった場合の処罰を考えていたのだ。  仮に偽書だったとしても、祐青自身...
肥薩戦争と四国戦役

第343話 肥薩戦争⑫無条件降伏か滅亡か 四百年の名門島津家の危機

永禄十二年(1569) 十月十三日 巳の三つ刻(1000) 内城沖 金剛丸  「それで始めましょうか」  外務大臣の利三郎が話を進めようとする。小佐々側は純正と利三郎、鍋島直茂に尾和谷弥三郎、佐志方庄兵衛である。  島津側は義久に義弘、歳久...
5強まであと7,000石(現在36,824石)

第87話 空閑三河守光家、暗躍す。

永禄六年 十月 伊万里城下 「ごめんよ~」 「へい、らっしゃい! 何にしますか?」 「そうだなあ。まず酒一合と、あと、とりあえず何かみつくろって」 「かしこまりました~。酒一合におまかせ一丁~」  旅人だろうか。いくつもある飯屋で食事と一緒...
二島五ヶ村の領主 無双≠生き延び スタート

第43話 山内二十六ヶ山の総領 神代勝利

肥前国 波佐見 内海城 神代勝利 「お初に御意を得まする。沢森平九郎政忠にございます。」  若いな、息子長良より一回り下位か。  内海殿と私は同時に挨拶をし、まずは内海殿がこの若い彼杵の領主に話しかけた。 「堅苦しい挨拶は良い。先だってから...
歴史改変仕方ない。やること多すぎです。

第14話 賢者のはったり 「平戸の南蛮船誘致と武力の利用」

「あいわかった!」    ……え? わかったの? 「わかったが、納得したわけではないぞ」  いたずらっこみたいな顔で親父が続ける。いくつなんだよこのひと。それを見て、母はそっと父に寄り添う。 (あなたのそういうところが大好きなの! ってオー...