母上

転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第11話 『まずは太田和村だけでの先行製造と、リスク分散で他の産業も考える』(1837/3/16)

天保八年 二月十日(1837/3/16) 太田和村 次郎  灰の原価計算をするのを忘れていたけど、木炭から灰汁を作るとしても@0.7文だったので一文と計算した。  灰の原価、油の原価、そして製造の人件費を入れて@30文だ。  問題は海藻と貝...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第455話 悪人?吉川駿河守元春

元亀二年 四月二十一日 伯耆国 岩倉城  吉川元春の軍勢が岩倉城を包囲した翌日、美作の小田草城へ向かっていた南条元続は急報を受けた。急ぎ陣払いをして岩倉城の救援に向かったのだが、すでに城は落とされた後であった。  吉川軍の裏切りという事態と...
横瀬浦開港 敵が味方 味方が敵に

第78話 母、沢森 吉野と妻、沢森 舞

沢森城 沢森政忠  結局、平戸松浦は平戸島内の川内村、大野村、平戸村、小引村、田浦村の三千七百八十石を割譲した。  松浦郡の海岸、街道沿いの二十四ヶ村の豪族たちも、あわせて一万一千五百八石。佐世保と同じやり方なので、ほぼ直轄地。  沢森は二...
横瀬浦開港 敵が味方 味方が敵に

第75話 松浦へのネーバルプレゼンス 

俺の中で二人の処遇はもうすでに決まっていた。  隆信は切腹で、鎮信は出家。そしてどこかに幽閉する。  そしてこれは、かなり母上に泣きつかれて、情にほだされそうになったが、心を鬼にしてお願いした。  千寿丸を養子に出す。完全に平戸松浦を支配下...
二島五ヶ村の領主 無双≠生き延び スタート

第47話 後藤家嫡男の誕生と暗雲

「殿、至急お知らせしたき儀がございます」  なんだ? いい話か悪い話か? 「武雄後藤家、嫡男誕生の由にございます」 「なに?」    俺は声に出してしまったが、何かを心の中でぐっと押しつぶした。それは感情を押し殺すとかではない。歴史通りに動...
歴史改変仕方ない。やること多すぎです。

第25話 26年ぶりの父との邂逅

「幸い挫滅している部分も少なく、壊疽えその心配はありません。ただ、毒素が血を巡って五臓六腑ごぞうろっぷを侵しております。持ち直したとしても、後は運を天に任せるしかありませぬ」  親父は一時は回復した。  起き上がれもしたが、また寝たきりにな...
歴史改変仕方ない。やること多すぎです。

第19話 海賊の誇り 初陣への覚悟 蛎浦の海戦①

四月九日 午の正刻 四半刻すぎ(正午十二時半)ごろ  部屋で具足をつけていると、どたどたどた! と廊下を早歩きしてくる音がして、聞き耳をたてる。 「殿!」  どなるでもなく、叫ぶでもなく、ある種強い確認めいた意思を感じる声を、俺は聞いたこと...