信義

技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ

第664話 『日ノ本大同盟の今』武田と畠山と里見(1579/3/8)

天正八年二月十一日(1579/3/8) 七尾城 「殿、なにやらうれしい事でもあったのですか?」  側近である大塚孫兵衛尉連家まごべえのじょうつらいえの問いかけに、畠山義慶は穏やかな表情を浮かべる。 「孫兵衛よ、わしが家督を継いで早十二年。長...
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。

第605話 対北条戦略と対明経済戦略

天正三年七月二十五日(1574/8/11) 日ノ本大同盟合議所 「皆様、よろしいでしょうか?」  発言したのは里見家家老、正木左近大夫さこんのたいふ(従五位、左近衛将監さこんえのしょうげん)頼忠である。  大同盟合議所では、加盟している大名...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第536話 上杉謙信の離間の計と海上戦略

天正元年 四月一日 越佐海峡 霧島丸 巳の二つ刻(0930) 「長官、入られます!」  艦橋の当直下士官が告げる。 「どんな具合だ?」  長官の加雲は艦長に確認する。初日に数隻を拿捕だほして以来の艦船である。意気が上がり全艦に緊張が走る。 ...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第529話 第二次越相同盟と手切之一札

天正元年 三月二十六日 相模 小田原城  なほなほ(いよいよ) その後のちの事ことの様さま(状況)は如何いかがに候哉そうろうや(いかがでしょうか)、承り候ひうけたまわりそうらい飛脚を以てもって申し入れ候。(事情を聞いて飛脚でお知らせしました...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第478話 純正の決断、織田信長か武田勝頼か

元亀二年 九月二十五日 諫早城  発 治部 宛 中将  秘メ 武田家 家臣 曽根九郎ト 申ス者 来タリテ ワレラト 誼ヲ 通ジテハ     盛ンニ 商イヲ 行ヒタシ ト 申シケリ  然レドモ ワレラト 織田ニ 盟約アリテ ソノ敵 武田ト 結...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第453話 駿河守の策略と忠義の試金石:吉川駿河守と鍋島加賀守の運命

元亀二年 四月八日 吉田郡山城 「駿河守殿、それは一体どういう事かな? 直茂、よいな?」 「は、ははあ」  さすがの鍋島直茂も、歯切れが悪い。純正の恩情で不問にされた事であるが、元春が言った事が本当ならば、自分も罪を負わなければならないから...
西国の動乱、まだ止まぬ

第377話 惟忠vs.親泰と親貞、そして光秀vs.純久

永禄十二年 十一月十六日 浦戸城 「これは一体どういう事か?」  謁見の間、というほど大層なつくりではないが、応接の間で声を張り上げているのは吉良親貞と香宗我部親泰である。  浦戸城から安芸城、つまり一揆軍の拠点に兵糧が運び込まれている報せ...
肥薩戦争と四国戦役

第345話 戦国九州のポツダム宣言とヤルタ会談??

永禄十二年(1569) 十月十九日 巳一つ刻(0900) 日向国紫波州崎村(宮崎市折生迫)   洋室、洋間がある城は、おそらく諫早城だけであろう。もしかすると岐阜城にもあったかもしれないが、知る由もない。種子島城にはもちろん洋室はないが、諫...