和平

東と西の転生者

第761話 『北方三国同盟と明の滅亡への序曲』

天正十九年五月十一日(1590/6/12) 紫禁城 「兵はいる。だが動かすことは難しいだろう」  内閣大学士の申時行は誰に告げるわけでもなく、静かに、淡々と述べた。 「100万の兵を抱え、各地の衛所にも精鋭がいる。しかし……」 「軍餉ぐんし...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第264話 『列強第一位のイギリスと第二位のフランス、そして未来の世界覇権国アメリカ』

文久元年八月十二日(1861/9/16) 横浜 某所 「な!」  ハリスは何かを発言したいのだが、発言できず、ただ驚きの感嘆符を発したのみである。 「さて皆様、各国、様々なお考えがあるかと思いますが、我が国の要望はただ一つ。ロシアのこれ以上...
東と西の転生者

第753話 『ヤンから聞く世界情勢』

天正十八年七月二十日(1589/8/30)  <フレデリック>  クルシウスはライデン大学の教授で、植物学の大家だ。オランダどころかヨーロッパ全体で、植物学についてはかなりの影響力を持った人物である。  こんな事なら最初っからクルシウスに聞...
天下百年の計?

第722話 『フェリペ二世の焦りと欧州情勢』

天正十三年十一月十四日(1584/12/15) スペイン マドリード王宮  スペイン王フェリペ二世は苛立ちの極致であった。  6年前、1578年6月にヌエバエスパーニャ副王の艦隊が壊滅して以降、副王の更迭ならびに内政の拡充を行ってきた。海軍...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第55話 『斉昭の説得と幕閣の懐柔』(1842/12/12) 

天保十三年十一月十一日(1842/12/12) 江戸 水戸藩邸 「なに? 勝てぬと申すか?」  斉昭は目をぎょろりと見開き、次郎を見据えた。次郎は内心では心臓が張り裂けそうだったが、ギリギリで抑えた。 「……勝てぬ、とは申しませぬが、難かた...
西国の動乱、まだ止まぬ

第364話 土佐安芸郡一揆、安芸千寿丸改め弘恒蜂起する。

平凡なサラリーマン沢森武は気絶し、戦国時代の超弱小地方領主の跡取りとして転生する。平和を望みつつも周囲がそれを許さない。歴史知識と現代経験を活かし、技術革新や産業の革命を起こしながら周囲の脅威に立ち向かう、戦国歴史改変小説。
西国の動乱、まだ止まぬ

第362話 vs.スペイン②サラゴサ条約とポルトガルとの連合

永禄十二年 十一月一日 諫早城  純正の誤算が二つあった。それはスペイン軍の兵力の過小評価と、友好条約を結んだ勢力が、各地域の主力の王ではなかった事だ。  スペイン軍の兵力は三百、多くても五百程度だと予想していた。  多くても五百なら、三千...
西国の動乱、まだ止まぬ

第351話 薩州島津家と伊東祐青、御教書の真偽とくすぶる火種

永禄十二年 十月二十二日 都於郡城  伊東家に対する幕府の御教書の真偽を確かめるため、小佐々の使者がその書状を幕府へ持参した。しかし祐青は純正の言葉に従いつつも、もし偽書だった場合の処罰を考えていたのだ。  仮に偽書だったとしても、祐青自身...
肥薩戦争と四国戦役

第343話 肥薩戦争⑫無条件降伏か滅亡か 四百年の名門島津家の危機

永禄十二年(1569) 十月十三日 巳の三つ刻(1000) 内城沖 金剛丸  「それで始めましょうか」  外務大臣の利三郎が話を進めようとする。小佐々側は純正と利三郎、鍋島直茂に尾和谷弥三郎、佐志方庄兵衛である。  島津側は義久に義弘、歳久...