自室

転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第111話 『目付の報告と缶詰製造。製造以前の問題とその改良』(1849/4/26)

嘉永二年四月四日(1849/4/26) 江戸城 「なに? 禁は犯して居おらぬと?」  若年寄の遠藤但馬守胤統たねのりの報告を受け、阿部正弘は安心したような驚いたような表情をした。 「は、目付からの知らせによると、測った長さも五百石に満たず、...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第49話 『長与俊達と尾上一之進。西洋医学は大村から花開く』

天保十三年一月二十五日(1842/3/6)  砂鉄と鉄鉱石をどう調達するのかに関しては協議を続けるとして、再度入念に領内を調査することとなった。  次郎が帰宅した際にお里が領内の他の候補地を教えてくれた事と、編纂へんさん途中の大村郷村記を再...
歴史改変仕方ない。やること多すぎです。

第15話 領主の決断 ~平戸の南蛮貿易と水軍の役割~

「どういう事だ?」  親父が聞いてきた。 「大村様は周りを敵に囲まれております。東の西郷は義理の兄弟で、島原の有馬様の陣営にありますが、いつ敵方になるかわからない状況です。武雄の後藤は大村様に敵対心を持っておりますし、北の諸勢力は日和見です...
歴史改変は悪だけど、死ぬのはいやです。

第7話 転生者の目覚め―父との対話で明らかになる歴史の変遷

え? ええ? 今なんて? 横瀬浦がうちの領地? それやったらもう歴史変わってるやん! サワノモリ村の名前どころじゃないぞ! 「それはいったいどういう……?」 「どうもこうもあるか! !」  そう言って親父は、机をドン! と叩いた。   「生...
歴史改変は悪だけど、死ぬのはいやです。

第4話 宮の前事件と平戸の南蛮船〜永禄4年の謎に迫る〜

永禄4年4月 沢森城 自室にて   ※宮の前事件※  永禄四年(1561年)八月、長崎県平戸(以降平戸と記述)に停泊中の、ポルトガル船のフェルナン・デ・ソーザ船長と16名の乗組員が平戸港宮前で殺害された事件。  多分、商取引のトラブルが原因...