障子

転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第244話 『莫大な艦隊維持費と二個艦隊計画に樺太派兵増強』

安政七年一月二十日(1860/2/11)   次郎は川路聖謨としあきらと協議の上、ロシア側に慰謝料を払って貰う事と、今後の事件再発防止のために新たな条約を締結する事でゴシケーヴィチとの間で合意した。  慰謝料は1人あたり500両で30名分の...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第235話 『薩摩、佐賀、長州』

安政六年七月五日(1859/8/3)  ここで1度、現時点における思想的な事を整理しなければならないので述べておく。  1. 尊王論:天皇を国家の中心と位置づけ、その権威を重んじる思想……次郎たち。ほとんどの勢力。  2. 攘夷じょうい論:...
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第133話 『継電器と隼人と幕府と佐賀』(1851/3/5) 

嘉永四年二月三日(1851/3/5)  精|煉《れん》方 理化学・工学研究室  一昨年の三月に電信機の公開実験に成功し、新たに送信距離の限界という課題に直面したブルークと宇田川興斎は、その距離を延ばすための試行錯誤を繰り返していた。 「先生...
技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ

第675話 『北条の返事と大同盟政府へ。ガス灯、点る』(1580/2/29) 

天正九年二月十五日(1580/2/29) 京都 大使館  「北条より文が届いたが、まさに予想通りだな」  純久が言う。最近は純正が京都に詰めているので、業務は可能な限り補佐の親長や佐吉に任せている。石田一家は能力が高い。父親の正継は京都にお...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第89話 『佐賀藩主鍋島直正、伊東玄朴をして、和蘭より取り寄せたる種痘を藩内に広めけり』(1847/12/9)

遡って弘化四年六月二十八日(1847/8/8) 佐賀城  二日前の六月二十六日にオランダ船が長崎に来航し、聞役よりすぐに佐賀へ通達され、玄朴は長崎へ向かい種痘を受け取って佐賀へ戻ったのである。  史実ではこの年に依頼し、来年の嘉永元年に種痘...
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え

第578話 松前異変

天正元年(1572)八月二日 京都 越後屋近江屋敷  組屋源四郎は気が気ではない。  屋敷の中で待たされてはいたものの、立ち上がっては座り、立ち上がっては座りで、室内をウロウロしている。  やがてゆっくりとした足音が聞こえると、障子があいた...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第7話 『果たして幕末に石けんは売れるのか? 儲かるなら作るしかない』(1837/1/9)

天保七年 十二月三日(1837/1/9) 暮れ六つ(1717) 雪浦村 冨永館  なんだこれ? どういう状況?  ここは雪浦村、雪浦川の河口近くの開けた集落にある、城代冨永|鷲之助《わしのすけ》の館である。  家督を継いでからの鷲之助は玖島...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第3話 『胡蝶の夢と従五位下大村丹後守純顕』(1837/1/8) 

天保七年 十二月二日(1837/1/8) 暮れ七つ(0405) 肥前大村藩 玖島城下 「ぎゃああ! ぐああ! ぐはあ! はあ、はあ……」  玖島城下の旅籠で、信之介と一部屋ずつ借りて泊まった俺は、隣室から聞こえてきた断末魔のような叫び声で、...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第1話 『転生したら幕末の大村藩下級藩士!大村純顕と純熈に仕えて、西欧列強に対抗する。』(1837/1/6) 

天保七年 十一月三十日(1837/1/6) 肥前大村藩  「あいった! ……いたたたた」  頭がズキズキする。  痛みで目をつむって、頭を押さえる。  二日酔い特有の痛みだ。おかしいな。俺昨日そんなに飲んだかな? いや、最近は宅飲みで、しか...
肥前争乱、淘汰するものされるもの

第96話 後藤惟明、命に服す

同年 十一月 武雄城 後藤惟明  義父上である後藤貴明の命令は絶対である。私が反抗できるはずもない。私は後ろ盾を失った、ただの十九の居候である。しかし、此度こたびばかりは……。 「義父上! いらっしゃいますか?」  私ははっきりと在室を確認...
二島五ヶ村の領主 無双≠生き延び スタート

第49話 ルイス・アルメイダ IN 横瀬浦

永禄五年 四月末 横瀬浦  来た! きたきたきたきたきた! ! !  史実より、3ヶ月早い! 横瀬浦にルイス・デ・アルメイダが到着した。いわゆる下見? なんだろうか。で、文献通りその数日前から船も停泊している。  この時のために、できる限り...
二島五ヶ村の領主 無双≠生き延び スタート

第39話 仮にもわたくしは主君ですよ!?

永禄四年 十一月 沢森城 沢森政忠 「なんだこのざっくり三昧な絵図は? しかもあとよろしくって!」 「いや、だからざっくりと言うか、深沢家は代々うちに仕えてくれてるけど、漁師の家系で平時は漁にもでてるんでしょ?」 「いや、まあ、そうだけど。...
歴史改変仕方ない。やること多すぎです。

第18話 蛎浦に敵あり! 五島の権益を守れ

四月九日 午四つ時(1230) 小佐々城 小佐々弾正純勝 「申しあげます!」 「何事だ!」  伝令の全身から絞り出すような大声に、息子の純俊といっしょに将棋をしていたわしは我に返る。 「蛎浦かきのうら、敵襲にございます! お館様より小佐々様...
歴史改変仕方ない。やること多すぎです。

第12話 父へのプレゼン!南蛮貿易と領土争いの行方

「父上、今よろしいでしょうか?」 「おお、入れ」    短い会話のあと、障子を開けて父の部屋に入る。小平太も一緒だ。  あ、と目が合った。黒髪(当たり前か)で美人の母が隣に座っている。うーん、いつ見ても美人なんだよね。慣れない。というか変な...
歴史改変は悪だけど、死ぬのはいやです。

第8話 美しい姉と忘れた記憶―戦国時代の兄妹の再会

永禄四年 四月 沢森城 喜々津御前の居室 沢森政忠  日差しの差し込む中庭に面した部屋のなかで、姉である喜々津御前と息子の幸若丸、そして妹の雪姫が、3人で遊んでいた。 「義姉上、今少しよろしいでしょうか?」  俺は深呼吸して声をかける。 「...
歴史改変は悪だけど、死ぬのはいやです。

第6話  未来人の言葉「父に伝えるべき重要な情報」とは?

翌日、父の部屋を訪れた。  なんて切り出そう? どう説明しよう? 結局昨日はあまり寝られなかった。 (実は僕、450年後の未来から転生した未来人で……)  あほか。怪我の後遺症だから、もうだめだ! と次男の弟に期待がかかるだけだ。 (父上、...