殖産興業

転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第254話 『歴史は、変わらないのか?』

万延元年十二月九日(1861/1/12)  吉之助(西郷隆盛)にとって幸いだったのは、横浜から大阪を経由して鹿児島、長崎、大村を往復する小曽根大浦海運の客船(輸送船)が一日、五日、十日、十五日、二十日、二十五日と運航していた事だ。  四日に...
転生したら弱小領主の嫡男でした!!元アラフィフの戦国サバイバル

第239話 『兵備輸入取締令(へいびゆにゅうとりしまりれい)と大浦・小曽根商会の横浜・箱館支所』

安政六年九月二十六日(1859/10/21)   次郎はこれを予見していたのだろうか。  大村藩がオランダに最新軍艦を発注し、しかも鋼鉄艦を発注した直後に、幕府から全国の諸大名に以下の法令が発布された。『兵備輸入取締令』  ・いかなる諸大名...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第236話 『越前、土佐、宇和島、幕府、そして次郎』

安政六年七月五日(1859/8/3)   大村藩発の国産電信設備は、大村藩の領内はもちろんのこと、西国諸藩の領内にも敷設された。  まずはじめに佐賀藩と島原藩、平戸藩と五島藩、唐津藩といった近隣の藩に敷設され、徐々に九州全域へと広がっていっ...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第233話 『日米通商条約附録と横須賀造船所』

安政六年六月六日(1859/7/5) 江戸城 御用部屋 「掃部頭かもんのかみ様、小栗又一、お召しにより罷り越しましてございます」 「うむ、よくぞ参った」  井伊直弼がオールコックの提案にどう答えるか迷っている中呼び出したのは、史実では大村益...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第200話 『功山と宇和島藩』

安政三年五月十四日(1856/6/16) 伊予 宇和島城  伊予宇和島藩主伊達宗城は幕末の四賢侯と呼ばれ、松平春嶽・山内容堂・島津斉彬とともに積極的に幕政に参加した事で有名であるが、今世では少し違う。  史実と同じように阿部正弘に幕政の改革...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第182話 『四賢侯、山内容堂と島津斉彬』

嘉永七年八月二十日(1854/10/11)  京都 「いやほんま、次郎さんの神通力には目を見張るものがありましゃるの。雲龍水に消火器、前もって備えておったからこそ、これだけの災いで済んだのであろうの」  京都の大村藩邸からは一之進肝入りの医...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第179話 『攘夷論者徳川斉昭』

嘉永七年六月十一日(1854/7/5) <次郎左衛門>  なんとか和親条約は落ち着いたけど、幕末日本史はこっからなんだよね、本番。幕府の中身はちょっとわからんけど、朝廷も今のところは開国肯定佐幕派だし、西国諸藩もおとなしいもんだ。  俺の仕...
天下百年の計?

第711話 『最上の馬揃えと商人の動き』

天正十二年九月十八日(1583/11/2) 新政府庁舎  武田州……清水湊8万貫 徳川州……大浜湊10万貫 浅井州……小浜湊7万貫 里見州……館山湊9万貫 畠山州……七尾湊8万貫 大宝寺州……酒井湊6万貫  各州から港湾整備の予算申請が出た...
Uncategorized

第704話 『純正の三職推任と第一次港湾整備計画。もう色々と面倒臭いから、全部うちからの借款にして先行投資しまくろうか』

天正十二年一月十九日(1583/2/11) 肥前国庁舎 <純正>  前々から、えーっと天正元年(1572年・作中では改元が1年早い)からずーっと言われてきた事。やっと受ける事にした。面倒くさい事この上ないが、実質新政府のトップなんだから、期...
小佐々家の状況

天正八年五月十一日(1579/6/5) 小佐々家の状況

-小佐々家の状況-  戦略会議室  ・明国とは現状維持を図り、女真族との友好路線を継続。東南アジアにおいては再度のスペインの侵攻に備える。国内では既存地域の殖産興業と北方資源開拓。   ・奥州諸大名の大同盟参加と、北条への上洛要請。  財務...
技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ

第670話 『氏政の考えと御館の乱。そしてようやく雷酸水銀』(1579/6/5) 

天正八年五月十一日(1579/6/5)  京都 大使館 「構いなし、か」  純久は純正からの通信を読んで一言つぶやいた。  要するに主眼が北条への上洛要請であり、上杉に関しては関知しないという事だが、この時点で付き合いはないので、どっちの味...
技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ

第669話 『上杉景勝と上杉景虎。そして氏政への上洛命令』(1579/5/27) 

天正八年五月二日(1579/5/27)   越後の龍、上杉謙信が死んだ。その知らせは越後のみならず近隣諸国に知れ渡り、周辺の諸大名はその動静を固唾を呑んで見守り、あるいは行動に移した。  が、今世は違った。  純正が信長と同じ立場で東に武田...
技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ

第668話 『小田原城の北条氏政と椎津城と佐貫城』

天正八年四月五日(1579/5/1) 夕刻 小田原城  小田原城は天下の堅城。総構えの城は何重もの広大な堀に囲まれ、その中に街がある。史実では豊臣秀吉の小田原攻めを前に構築されたようだが、今世ではすでに出来上がっていた。 「こりゃあ大したも...
技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ

第667話 『磯根崎沖海戦』(1579/4/30) 

天正八年四月五日(1579/4/30) 未一つ刻(1300) 上総竹岡湊沖~磯根崎沖 「艦橋-見張り」 「はい艦橋」 「右六十度、距離三○(3km・海軍ではメートル法基準)、小舟多数。南に向かっている」  見張りの報告を受けた艦長をはじめと...
技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ

第666話 『北条軍上総上陸! 義重軍防戦一方となる』(1579/4/30) 

天正八年四月五日(1579/4/30) 上総 椎津城  「申し上げます! 敵襲! 北条にございます!」 「なにい! ? 数は?」 「数は不明! まず先手として千葉の二千が国境を越えて向かって来ております!」 「急ぎ備えを固めよ! 久留里城に...
技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ

第665話 『房総騒乱、義頼起つ』(1579/4/25)

天正八年三月三十日(1579/4/25) 久留里城 義弘没後 四十九日  義弘の四十九日の法要が終わった。  元服し里見義重となった梅王丸の前に立ち、一礼して去る一団があった。里見義尭たかの息子で義弘の弟であり、義重が生まれるまでは義弘の養...
技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ

第660話 『明国と北条』(1578/12/2) 

遡って天正七年八月十七日(1578/9/18)  「申し上げます! 呂宋にて、シーバンニャ(西班牙・Hispania・イスパニア)艦隊壊滅! 小佐々に敗れたそうでございます!」  紫禁城にて首輔である張居正は忙しく業務をこなしていた。  税...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第81話 『なるほど、天才だね。だけど大村には君以上の者は3人居るし、君くらいの者は両手で足りないくらい、いるよ』(1847/1/1)

弘化三年十一月二十五日(1847/1/11) 信濃松代藩 産物会所 「おお、そうだ。これであれば遜色あるまい」  身長180cmはあろうかという一人の大男が、職人が持ってきたガラスの器を手に取り、満足そうにうなずいている。その男が傍らの机に...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

年表

以下、旧暦表示。随時更新します。 天保七年(1836~1837) 十一月 清水亨、太田和次郎左衛門武秋として肥前大村藩へ転生。 十二月 十一代大村藩主、大村純顕に謁見し、藩の財政再建ならびに軍制改革、富国強兵の(裏)家老に任じられる。(裏家...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

人物紹介

※()内の年齢は1837/1/6時点の年齢(数え)です。 ※随時更新します。 ※印の人物は実在の人物ですが、作中では史実とは違う行動思想かもしれません。  太田和次郎左衛門武秋(15)1822生まれ。 本作品の主人公。前世名は清水亨(50)...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第429話 西国騒乱!?史上最悪の兄弟喧嘩。完膚なきまでに叩きのめされる。

元亀元年 十一月十五日 吉田郡山城 「本気で呑むというのか、隆景」  諫早城で純正との会談を終えて戻ってきた隆景は、輝元と元春、ならびに恵瓊ほか数人の重臣にその内容を告げた。  小佐々と四分六(毛利が四:感覚的な表現)の同盟を結ぶことを提案...
二島五ヶ村の領主 無双≠生き延び スタート

第30話 灰も油も絶対数が全く足りない。

足りない足りない足りない。まあああったく足りない。  現状で並行してやっている事といえば、陸路では中浦-多比良と横瀬-川内の関所の廃止。(EUみたいな感じ?)  商人の往来を増やすためだが、小佐々とは寄り親寄り子に近い存在。関銭はもともとな...
歴史改変は悪だけど、死ぬのはいやです。

第9話 転生した少年の覚悟―戦国時代での新たな使命と決意

「ちーちー、ちーち」  ん? なんだ?  とてとてとてとて。2歳児が近寄ってきた。甥の幸若丸だ。2歳くらいって、かわいいと思わない大人がいるんだろうか? (中身だけ) 「ちーち、ちーち、だあこ、だあこ」  ん? だっこしてほしいのか?  よ...