領地

第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第450話 雑賀党と太田党、そして西国では嵐の前の静けさ

元亀二年 三月二十一日 京都大使館「さて、まったく変なやつだと昔から思っていたが、その変わったやつが、ここまで家中を大きくしたのだからな。こたびの差配も、考えたら的を得ている」 小佐々治部少丞純久は、純正の書状をみながら、つぶやく。 信玄の...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第447話 西国の火種と東美濃の争乱。そして山家三方衆

元亀二年 二月二十五日 三ヶ月前の元亀元年十一月、新しい西国の枠組みが決まった。 一万石から三万石の国人の多くが純正の提案を受け入れ、知行地を大幅に減らし、俸祿にて仕えることを選んだのだ。 しかし、領民やその下の家臣たちも、たかだか三ヶ月で...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第446話 信長の越前攻め

元亀二年 二月八日 岐阜城「時は来た。いざ越前へ攻め入るぞ」。 満を持した信長の号令の下、一次侵攻の時と同じように、浅井長政の一万とあわせて、合計六万の軍勢が越前に攻め入ったのだ。 浅井長政軍を主力とした一万五千の兵が敦賀口から金ヶ崎城へ、...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第438話 新参者、宇喜多右衛門尉直家と黒田官兵衛孝高

元亀元年 十一月二十五日「本当にこれで良かったのだろうか」 純正が直茂に確認する。すでに3日間に及んだ会談は終わり、諸大名は純正への挨拶を終えて、それぞれの領国へ帰った後であった。「ようございました。あれで大国毛利も小佐々には敵わぬ、と諸大...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第436話 純正、孫子の兵法を説く

元亀元年 十一月二十三日 伊予 湯築城 「寒いっ! 無理! 絶対無理! なんだよこれ! 氷点下じゃねえか!」 秀政が聞いたら驚くような言葉だが、温度計自体はずいぶん前に純正のアイデアで作っている。水に食紅で色をつけた温度計だ。 しかし水は0...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第425話 小早川隆景、伊予から豊後、そして肥前へ。小佐々純正という男③

元亀元年 十月十四日 小会議室に案内された隆景は、様々な調度品に驚く。 壁には見たこともない絵が掛けられ、テーブルの上には何やら球体の置物がある。そして上座の席の奥には大きな振り子時計があった。「さ、どうぞお座りくだされ。普通の茶と紅茶、こ...
新たなる戦乱の幕開け

第421話 毛利の両川、吉川元春と小早川隆景

元亀元年 十月七日 吉田郡山城 「なんだ、どうするのだ?」「それは、右衛門督様のお心次第にございます」 意味深な発言で言葉を濁す秀安であったが、輝元の歓心を買うのには十分であった。「右衛門督様がこのまま小佐々の軍門に降り、独立独歩たる戦国の...
新たなる戦乱の幕開け

第403話 第一次信長包囲網の終焉と新たなる鳴動

元亀元年 六月六日  大安である六日を選んで、織田家と包囲網陣営の和議が結ばれた。 信長にしてみれば和泉は戻ってきたものの、摂津の領地は奪われたままで、決して良い条件ではなかった。 山城、河内、紀伊の状況は変わらず、良い面と言えば、大和の筒...
新たなる戦乱の幕開け

第402話 若江三好家と摂津三好家と阿波三好家

元亀元年 五月二十二日 摂津 ※野田城「なんですと? 気でもふれたのですか大叔父上?」 そう声をあげるのは阿波三好家当主であり、日本の副王と呼ばれた三好長慶の弟、三好実休の息子である※三好(彦次郎)長治である。「気などふれておらぬ※彦次郎(...
新たなる戦乱の幕開け

第399話 受け入れるか?三好への降伏条件と気球

元亀元年 五月十二日 将軍義昭からの和議の要請は、大使館の純久を通じてすぐに純正へ伝えられた。 臣小佐々弾正大弼純正、公方様の御命により、三好長逸、三好宗渭、岩成友通との戦を和議にて収め候。 しかるにこの合戦、公方様の三好を討たんとの命によ...
新たなる戦乱の幕開け

第393話 織田信長、第一次包囲網なるのか?

元亀元年 二月 諫早城 一月の末に進発した浅井軍一万は、若狭の粟屋勝久と呼応して、またたくまに若狭を制圧した。長政は、決断したようだ。 父の久政を幽閉し、見張りをつけ、外界との接触を禁じたのだ。 驚くほどの抵抗はなかった。事前の磯野員昌の根...
新たなる戦乱の幕開け

第391話 永禄十三年の謹賀新年 衝撃の事実と信長と長政、そして三好だよ。

永禄十三年(元亀元年・1570年) 正月 十五日 京都 肥前諫早での配下諸大名(?)の年賀の挨拶を受けた後、純正は戦会のメンバーとともに京都に来ていた。 元旦に純久が名代として御所と室町御所に年賀の挨拶にはいっていたが、改めて純正も参内し挨...
新たなる戦乱の幕開け

第390話 毛利と織田。鍋島直茂の小佐々百年戦略

永禄十二年 十二月二十八日 諫早城 戦略会議室「みな、聞いてくれ」 純正は直茂、弥三郎、庄兵衛を呼び、清良を紹介する。「伊予の西園寺配下だった土居式部少輔だ。今日から同じ釜の飯を食う仲間となった。よろしくな」。 清良が一礼し、皆が拍手をする...
西国の動乱、まだ止まぬ

第374話 土佐安芸郡一揆⑥黒幕は小佐々弾正大弼純正なのか?

永禄十二年 十一月十五日 阿波 ※勝瑞城「なに? まだ一揆が収らぬと?」「はい、安芸城を占拠した一揆勢は安芸郡全体に広がり、安芸国虎の嫡男十太夫が蜂起して、一揆を扇動いたしております」 ※三好長逸と※三好宗渭は正月に御所を襲い義昭を殺害する...
西国の動乱、まだ止まぬ

第372話 土佐安芸郡一揆④小佐々家の介入は人道支援?

永禄十二年 十一月十五日 土佐 岡豊城 急な報せを受けた香宗我部親泰は、急ぎ京より土佐へ戻り岡豊城で長宗我部元親と会議を行っていた。「殿、状況はいかがにござるか」「うむ、攻めかかっておるが、なかなかに手強い。勢いは強まるばかりじゃ。使者を出...
西国の動乱、まだ止まぬ

第365話 土佐安芸郡一揆、安芸千寿丸改め弘恒蜂起する。②

永禄十二年 十一月七日 京都 在京小佐々大使館 親泰、我が家中の重き臣として、深き憂いの報せを伝えん。 去る十月三十一日、安芸郡伊尾木村にて一揆起こりて勢い強く、江川村、土居村へと広がりつつあり。 さらには、我が軍がかつて討ち取った安芸国虎...
西国の動乱、まだ止まぬ

第360話 予土戦役、黒瀬城攻防戦③裏切りが裏切りを呼ぶ?宗麟の予感は当たるのか

永禄十二年 十月二十五日 伊予 長浜村(愛媛県大洲市長浜町) 宗麟たちは占領した板島城(愛媛県宇和島市和霊町)より河後森城(北宇和郡松野町富岡)へ抜けた。 その後北上して三滝城(西予市城川町窪野)、さらに北上して宇都宮領の伊予曽根城(喜多郡...
西国の動乱、まだ止まぬ

第352話 第六天魔王信長と純久

永禄十二年(1569年) 十月二十三日 京都大使館 島津が小佐々に敗れ、条約を結んでから十日後。大使館の大使執務室では、純久が書類の山に埋もれながら仕事をしていた。 以前純正に願いでて、検非違使と所司代の人員を増やす事ができたのだが、まだ足...
西国の動乱、まだ止まぬ

第351話 薩州島津家と伊東祐青、御教書の真偽とくすぶる火種

永禄十二年 十月二十二日 都於郡城 伊東家に対する幕府の御教書の真偽を確かめるため、小佐々の使者がその書状を幕府へ持参した。しかし祐青は純正の言葉に従いつつも、もし偽書だった場合の処罰を考えていたのだ。 仮に偽書だったとしても、祐青自身は一...
肥薩戦争と四国戦役

第346話 九州平定セン、然レドモ先ハ尚長シ……。

十月十九日 巳二つ刻(0930) 日向国紫波洲崎村(宮崎市折生迫)  三人が全員そろうまで、四日かかった。伊東祐青は自領内での開催もあって、通達が届くのは一番遅かったが、十六日に紫波洲崎城へ挨拶にきていた。 純正は城内に案内され城で過ごすよ...
肥薩戦争と四国戦役

第345話 戦国九州のポツダム宣言とヤルタ会談??

永禄十二年(1569) 十月十九日 巳一つ刻(0900) 日向国紫波州崎村(宮崎市折生迫)  洋室、洋間がある城は、おそらく諫早城だけであろう。もしかすると岐阜城にもあったかもしれないが、知る由もない。種子島城にはもちろん洋室はないが、諫早...
肥薩戦争と四国戦役

第344話 肥薩戦争⑬九州探題と三州守護

永禄十二年(1569) 十月十三日 未一つ刻(1300) 内城沖 金剛丸  純正の一言で場がよくわからない雰囲気になってしまったが、もう昼である。小腹も空いたことで、昼食となった。 食事をしてコミュニケーションをとり、相手との親和度を高める...
肥薩戦争と四国戦役

第343話 肥薩戦争⑫無条件降伏か滅亡か 四百年の名門島津家の危機

永禄十二年(1569) 十月十三日 巳の三つ刻(1000) 内城沖 金剛丸 「それで始めましょうか」 外務大臣の利三郎が話を進めようとする。小佐々側は純正と利三郎、鍋島直茂に尾和谷弥三郎、佐志方庄兵衛である。 島津側は義久に義弘、歳久に家久...
対島津戦略と台湾領有へ

第289話 従四位上検非違使別当叙任と将軍義昭と信長②

永禄十二年 四月 京都 信長の滞陣先 妙覚寺「久しいな弾正大弼殿、いや、様の方がいいかな。息災であったか。ああそうだ、どうだ、五人は? 三月のはじめには着いておるだろう?」 相変わらずだなこの人は、と思いつつ純正は答えた。「ありがとうござい...
肥前王 源朝臣小佐々弾正大弼純正

第202話 小佐々城

開戦二日目 子の三つ刻(0:00) 小佐々純正「申し上げます! 毛利領国境信号所より信号あり」 発 杉長良 宛 弾正大弼  メ 盟ト 松山城救援 求ム メ 午三つ刻(12:00) 豊前松山城からの救援要請が来た。もうすでに全軍に届いている報...
肥前争乱、淘汰するものされるもの

第94話 西郷 純堯 深堀純賢 動く

永禄七年 十一月 高城 西郷純堯(今しかない。仏敵大村純忠を討つのは、今しかない) 高城城主の西郷純堯は思った。妻は有馬義貞の姉で、妹は大村純忠の妻である。親類縁者でも容赦なく敵になる、それが戦国時代だ。 キリシタンの教えにかまけ、自らもキ...
肥前争乱、淘汰するものされるもの

第93話 露見! 隠し金山

永禄七年 十月 龍造寺の須古城侵攻の数日前 小佐々城 <純正>「弾正大弼だいひつ殿、これは一体いかなる事ですかな?」 使者の一瀬栄正ひでまさが言う。「どうもこうも、ごらんのとおりにございます」 大串の隠し金山が大村純忠にみつかった。 もとも...
5強まであと7,000石(現在36,824石)

第89話 龍造寺隆信と鍋島直茂

永禄七年 四月 佐賀龍造寺城 龍造寺隆信「直茂よ、やっと落ちたの」「はは」 肥前中野城に籠もっていた少弐政興を降したのだ。「少弐め。滅んだのだから大人しくしておればいいものを、大友なんぞに担がれおって」 少弐政興は大友氏によって擁立された。...
5強まであと7,000石(現在36,824石)

第85話 省庁再編と永禄七年度予算会議 

随分遅くなったが、それぞれの役割分担と業務効率を上げる為に、省庁再編を行った。 あわせて永禄七年度の予算会議を実施。 領地も増えたし、再度の見直しが必要だったからね。予算会議は毎年行い、追加・補正予算は都度実施する。 当主  小佐々弾正純正...
5強まであと7,000石(現在36,824石)

第83話 宮の村返せだって? あんたバカぁ?↑ 

永禄六年(1563) 七月 大村館 小佐々弾正「おお! よくぞ来た平九郎! 小佐々の家督をついだそうだな」 俺が来たのが嬉しいのか、それともなにか魂胆があるのかわからない。主殿に案内された俺は、喜々とした純忠の態度に驚いた。 日の出の勢い(...
5強まであと7,000石(現在36,824石)

第82話 イエズス会と南蛮貿易

永禄六年 七月 小佐々城 小佐々弾正 千方が手の者を使って盗ませた、インドの管区長あての書簡(もちろん戻したが)にはこう書いてあった。 インド管区長様 その者、平戸の松浦を屈服させ、再び港として、使ってほしいと申しております。 ドン・バルト...
横瀬浦開港 敵が味方 味方が敵に

第74話 平戸松浦氏の処遇 運命の岐路

同年 五月 沢森城 沢森政忠 さて最後は、これが一番の難事で、やり方によっては肥前の情勢を一変させる。我らが生きるも死ぬも、これにかかっていると言っても過言ではない。 ……。 主だった者を城に呼んで評定を開いた。 まずは俺の隣に親父がいる。...
横瀬浦開港 敵が味方 味方が敵に

第72話 674石から11,536石へ 針尾三郎左衛門 

月が変わって、 同年 五月 沢森城 沢森政忠 叔父上たちの首は、丁寧に、本当に細心の注意を払って、小佐々城に送った。 本来は俺も一緒に行きたかった。俺は一生分の涙を流した気がした。一生分の叫びをし、慟哭した。 佐世保湾海戦では風が味方した。...
横瀬浦開港 敵が味方 味方が敵に

第63話 死闘!葛ノ峠の戦い①

永禄六年二月 小佐々城 小佐々純勝「申し上げます! 宮村城の大村純種様、ご謀反にございます!」「なに?」 おそらく、単独ではない。背後に後藤か松浦が控えているのであろう。 いずれにしてもこちらも出なければ、南風崎はえのさきの砦があぶない。 ...
二島五ヶ村の領主 無双≠生き延び スタート

第45話 石炭の使い道

薪……焚き火、釜、暖炉……お湯を沸かす、製塩、料理、暖房。  木炭……こたつ(! 寒い! なんで作らなかったんだ? 即作ろう)。炭火焼き?  石炭……燃料。製鉄、蒸気船? 製鉄に蒸気船もまだまだ先の先。うーん、あ、豆炭とか煉炭って……暖房用...
二島五ヶ村の領主 無双≠生き延び スタート

第35話 平戸道喜の悪魔計画!

「お初に御意をえまする、平戸道喜にございます」 男は平伏しながら言った。「面をあげよ」 歳の頃は五十前位であろうか。にこやかな笑顔の奥に、強い意思を感じる。「それでその、平戸の商人が俺になんの用だ? まさかわざわざ平戸から世間話でもなかろう...
二島五ヶ村の領主 無双≠生き延び スタート

第32話 上松浦党の波多親

永禄四年(1561年) 六月 沢森城「して、どうであった?」 俺は利三郎の報告を受けた。ひと月ほど前から粘土の調達と外交をまかせていた件だ。「は、内海、福田とも感触は良好でござった」 利三郎は上機嫌だ。良い内容なのだろう。「両家とも、力のあ...
歴史改変仕方ない。やること多すぎです。

第14話 賢者のはったり 「平戸の南蛮船誘致と武力の利用」

「あいわかった!」  ……え? わかったの?「わかったが、納得したわけではないぞ」 いたずらっこみたいな顔で親父が続ける。いくつなんだよこのひと。それを見て、母はそっと父に寄り添う。(あなたのそういうところが大好きなの! ってオーラ出しまく...
歴史改変仕方ない。やること多すぎです。

第12話 父へのプレゼン!南蛮貿易と領土争いの行方

「父上、今よろしいでしょうか?」「おお、入れ」  短い会話のあと、障子を開けて父の部屋に入る。小平太も一緒だ。 あ、と目が合った。黒髪(当たり前か)で美人の母が隣に座っている。うーん、いつ見ても美人なんだよね。慣れない。というか変な感じ。母...
歴史改変は悪だけど、死ぬのはいやです。

第11話 横瀬浦の秘密 ~ 歴史改変と南蛮貿易の舞台~

たった1年とはいえ、前世では戦国時代に南蛮貿易港として賑にぎわった横瀬浦。 確か史実では横瀬浦は大村領で、来年の永禄5年(1562年)、歴史の檜ひのき舞台に姿を現す。現世ではそれさえもかなわないのか? 横瀬が沢森領になったのは去年だけど、そ...
歴史改変は悪だけど、死ぬのはいやです。

第10話 674石のしょぼ領主

親父と話をしに行く前に、いろいろと整理しておこう。   状況を分析し、最善の提案をして領内を豊かにしなくてはならないからだ。舐められないためには武力が必要。   しかしそのためには、鉄砲や弾薬、大砲はもちろん、人員も必要だ。戦のための食糧問...
歴史改変は悪だけど、死ぬのはいやです。

第7話 転生者の目覚め―父との対話で明らかになる歴史の変遷

え? ええ? 今なんて? 横瀬浦がうちの領地? それやったらもう歴史変わってるやん! サワノモリ村の名前どころじゃないぞ!「それはいったいどういう……?」「どうもこうもあるか! !」 そう言って親父は、机をドン! と叩いた。 「生き様の覚え...
歴史改変は悪だけど、死ぬのはいやです。

第6話  未来人の言葉「父に伝えるべき重要な情報」とは?

翌日、父の部屋を訪れた。 なんて切り出そう? どう説明しよう? 結局昨日はあまり寝られなかった。(実は僕、450年後の未来から転生した未来人で……) あほか。怪我の後遺症だから、もうだめだ! と次男の弟に期待がかかるだけだ。(父上、8月に平...