隣国

東アジアの風雲

第771話 『明からの冊封と肥前国からの冊封。肥前国、朝鮮出兵となるか』

天正二十年四月十日(1591/6/1)「その儀とは、一体何であろうか?」 宣祖はわかっている。肥前国からの冊封を受ける時期がきたのではないか、使者はそう言いたいのであろう事を。 明からの使者である沈惟敬しんいけいの要求は朝鮮にとって過大であ...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第288話 『生麦事件交渉-3-真実は上海に』

文久二年八月十二日(1862年9月5日) 夜 神奈川奉行所「安藤様、あまりに差し出がましい物言い、真に申し訳ございませぬ」 次郎は前面にでてニールと交渉した事を謝るが、信正はからからと笑って答える。「なに、蔵人がそうだと言う事は丹後守殿から...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第270話 『清国との交渉と、斉彬殺害の影響』

文久元年十二月二十日(1862/1/19)  江戸城「あわせて今ひとつ、清国とのことでございますが」「清国?」 上野介はなぜここで清国が出てくるのか、と思いつつも、その興味を抑えることができなかった。「米国の戦時国債の話をしておる時に、なに...
大日本国から世界へ

第746話 『ケープタウンとポルトガル。周辺の王国とインドと同じ状況』

天正十七年十月六日(1588/11/24) ケープタウン カリカットからソコトラ沖の海戦を経て、マダガスカルに到着して現地を視察した後、純正の艦隊はケープタウンに到着した。「父上、朝夕は肌寒いですが、日中は過ごし易うございますね」「うむ。今...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第198話 『安政二年のオランダ風説書と鹿児島藩、薩摩海軍』

遡ること8か月前の安政二年六月二十五日(1855年8月7日) 安政乙卯おつう賀蘭風説別段風説書 今年はオランダも平和で隣国はじめヨーロッパ諸国と親しく交わり、交易・航海共に活発である。 1854年末から1855年初にかけて暴風雨に見舞われ、...
天下百年の計?

第720話 『セバスティアン一世の治世と駐ポルトガル肥前国(大日本国)大使館』

天正十三年九月九日(1584/10/12) リスボン王宮  「宰相よ、今、肥前国との貿易収支はどうなっている?」 宰相は書類に目を落とし、慎重に答える。「陛下、現状ではかろうじて収支が0の状態です」「……そうか。かろうじて、か。一時は肥前国...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第131話 『幕府のその後と2号ドックと2番艦。江戸四人衆』(1851/1/3)

天正九年十月二十三日(1580/11/29) 工房の中は工具の音と共に、試行錯誤が続く中での緊張感が漂っていた。加工職人は金属の短冊状の板を慎重に扱いながら、曲げて筒状に成形する作業に取り組んでいる。「この金属板をしかと丸めることができれば...
技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ

第684話 『注射器の開発と北条・イスパニア・ポルトガル』(1580/11/29)

天正九年十月二十三日(1580/11/29) 工房の中は工具の音と共に、試行錯誤が続く中での緊張感が漂っていた。加工職人は金属の短冊状の板を慎重に扱いながら、曲げて筒状に成形する作業に取り組んでいる。「この金属板をしかと丸めることができれば...
技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ

第669話 『上杉景勝と上杉景虎。そして氏政への上洛命令』(1579/5/27) 

天正八年五月二日(1579/5/27)  越後の龍、上杉謙信が死んだ。その知らせは越後のみならず近隣諸国に知れ渡り、周辺の諸大名はその動静を固唾を呑んで見守り、あるいは行動に移した。 が、今世は違った。 純正が信長と同じ立場で東に武田と上杉...
技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ

第665話 『房総騒乱、義頼起つ』(1579/4/25)

天正八年三月三十日(1579/4/25) 久留里城 義弘没後 四十九日 義弘の四十九日の法要が終わった。 元服し里見義重となった梅王丸の前に立ち、一礼して去る一団があった。里見義尭たかの息子で義弘の弟であり、義重が生まれるまでは義弘の養子と...
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。

第623話 『中浦ジュリアンの元服と洗礼。遣欧使節団?』(1576/1/18) 

天正四年十二月十八日(1576/1/18) 諫早城寒く、それでも晴れ渡った天気のもと、数えで14歳になる中浦小佐々甚吾じんご(中浦ジュリアン)の元服式が行われた。小佐々甚吾純吉である。本来は純正の姉である幸の息子、幸若丸の元服式と同時に行わ...
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え

第598話 バッタ型脱進機と壱式時計の完成。加賀侵攻の是非に関する合議

天正二年九月十日(1573/10/5) 肥前諫早城 時計製作研究所織田主導の真の平等合議同盟というべき条件を書き連ねた条約締結に向け、光秀と虎盛が各国を回っている頃、肥前諫早城下にある時計製作研究所では一人の男が奮闘していた。3年前の元亀元...
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え

第576話 オラニエ公、イスパニアの敗報を知る。

天正元年(1572)六月十六日 史実でいうところの元亀三年六月十六日、ユリウス暦1572年7月10日。(現在の西暦=グレゴリオ暦は1582年に変更されます) オランダ、ネーデルランドと呼ばれる地域で、いわゆるオランダ独立戦争の真っ最中であっ...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第555話 反転攻勢の立花道雪

天正元年(元亀三年・1572) 四月五日 岐阜城 発 権中納言 宛 兵部卿 秘メ 守護代ノ勢 加賀ヘ 討チ入リケリ(攻め入った)ト 聞キ及ビ候ヘドモ ソハ(そこは)貴殿ノ所領ニ非ズ 難かたシ事ナレド マズハ言問こととい(話し合い)ニテ 解ク...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第515話 越中守護の書 上杉謙信と畠山氏の対立

天正元年(元亀三年・1572年) 三月十一日 台湾 基隆キールンの湊 籠手田安経 琉球へ寄港してすぐに南下する予定が、明への対応協議のために滞在することになり遅くなってしまった。 わが艦隊(元練習艦隊)は海軍内での組織編制で、南方探険艦隊と...
緊迫の極東と、より東へ

第513話 京都大使館にて、謙信の上洛阻止と義昭の動向

天正元年(元亀三年・1572年) 三月九日 京都大使館(※)古語「あー疲れたー。やっぱりあわんばい(合わないよ)叔父さん。まあおい(俺)が望んだ事やけど(だけど)さ。堅苦しかったい(堅苦しいんだよ)な~」 純正、久々のまったりくつろぎタイム...
緊迫の極東と、より東へ

第501話 悲報?朗報?リスボン王宮にて隣国の不幸を聞くセバスティアン一世

天正元年(元亀三年・1572年) 二月一日 ポルトガル リスボン王宮「陛下、東インド艦隊のフランシスコ・デ・アルメイダ提督より報告文が届いております」 セバスティアン1世は、昨年の三月にも小佐々領の状況を聞いていた。そのアルメイダからのさら...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第481話 親書とポルトガル交換留学生、そして明の張居正

元亀二年 十月四日 諫早城 小佐々純正 親愛なる小佐々純正殿、 貴殿の国書を拝読し、東インドの状況とイスパニアの脅威について深く理解しました。 しかし、残念ながら現時点で軍事支援をすることは、困難です。わがポルトガルとイスパニアは隣国であり...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第459話 ポルトガル東インド艦隊から見るイスパニアの野望と小佐々軍の奮闘

遡って元亀二年 四月二十五日 マカオ「何い? 小佐々艦隊がイスパニアの艦隊を破っただと? 誤報ではなかろうな?」「は、間違いございません! また、ミゲル・ロペス・デ・レガスピ総司令官は戦死との事」「なんと!」 マカオのポルトガル商館の近くに...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第445話 元亀二年と遠洋航海、バンテン王国より東へ。

元亀二年 元旦 諫早城 元旦の年賀の挨拶には、年々増加の一途をたどる来賓の数に対応するため建てられた、巨大な迎賓館が使用された。100人や200人ではない。 純正はまず、午前中を空け、家族や親族との対面に時間を割いた。父親はいつまでたっても...
新たなる戦乱の幕開け

第418話 謀将宇喜多直家の処世術~生き残りのための3つの方策~

元亀元年 十月三日 岡山城「なに? 宗景が小佐々の使者と会っておっただと? いつじゃ?」 宇喜多直家は、決裁書類を読んでいた手を止めて聞く。「は、一昨日、小豆島の小海城山城(おみじょうやまじょう)にて、会談が開かれたもようです」 重臣の戸川...
西国の動乱、まだ止まぬ

第383話 鎮西平定ナレドモ四国ハ西園寺ガ残リケリ

永禄十二年 十二月二日 丑一つ刻(0100)諫早城 隣国に攻められたり飢饉の発生や疫病など、一刻をあらそう場合は、深夜であれ純正の元には緊急通信が入ってくる。迅速な対応が求められるからだ。 発 石宗衆 宛 総司 秘メ ※島津義虎謀反 東郷ヘ...
西国の動乱、まだ止まぬ

第367話 土佐安芸郡一揆③独立、なるか?

永禄十二年 十一月十日 土佐 安芸郡 安芸城「殿、これからどうなさいますか」 家老であった黒岩越前守の息子、黒岩掃部(30)である。「若と言われ続けてきて、いきなり殿は慣れぬな」「は、しかし安芸家の復興のためには慣れていただかなくてはなりま...
西国の動乱、まだ止まぬ

第366話 観音寺騒動ならぬ三雲騒動

永禄十二年 十一月十日 南近江 三雲城 織田信長の圧倒的な軍事力の前に、昨年の永禄十一年、六角氏の主城である観音寺城が落とされた。 実際には支城である箕作城がわずか一日で落とされ、次いで和田山城の城兵の離散にともない、守れぬと判断しての逃走...
歴史改変仕方ない。やること多すぎです。

第14話 賢者のはったり 「平戸の南蛮船誘致と武力の利用」

「あいわかった!」  ……え? わかったの?「わかったが、納得したわけではないぞ」 いたずらっこみたいな顔で親父が続ける。いくつなんだよこのひと。それを見て、母はそっと父に寄り添う。(あなたのそういうところが大好きなの! ってオーラ出しまく...