北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。 第627話 『大同盟脱退に関する傾向と対策。対織田家戦略の見直し』(1576/10/25) 天正五年十月四日(1576/10/25) 諫早城 「そうか。織田からはそのような要望が」 純正は経産大臣の岡甚右衛門からの報告を聞いて、考え込む。 「皆、いかが思う? 織田は誠に同盟を抜けると思うか?」 「まずないでしょう」 そういうの... 2024.04.04 北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。 第626話 『北緯42度条約と日ノ本大同盟会議』(1576/9/26) 天正五年九月一日(1576/9/26) 小佐々海軍 探険艦隊 旗艦艦上 「小佐々家北方探検艦隊司令官、伊能三郎右衛門にござる」 「同じく副将、間宮清右衛門にございます」 「北条水軍大将、梶原備前守にござる」 「同じく、副将の清水太郎左衛門に... 2024.04.03 北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。
肥前争乱、淘汰するものされるもの 第91話 後藤惟明の苦渋の決断 永禄七年 六月 武雄城 後藤惟明 父上が殺され、兄上も弟も幽閉されている。今の武雄後藤に、俺の居場所はない。養子の意味がないのだ。 ただでさえ疎んじられてきた。実子も問題なく成長している。このままではいずれ廃されるか、もしくは……。 ... 2024.04.02 肥前争乱、淘汰するものされるもの
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第66話 『一度目の試射』(1845/5/23) 弘化二年四月十八日(1845/5/23) 玖島くしま城下 <次郎左衛門> 「お前様、もう、よいのではありませんか……。わたくしはもう、構いませんよ」 「え? 何が?」 どうしたんだ? 静。怒っているようには……見えないけど……んん? 「何が... 2024.03.31 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。 第623話 『中浦ジュリアンの元服と洗礼。遣欧使節団?』(1576/1/18) 天正四年十二月十八日(1576/1/18) 諫早城 寒く、それでも晴れ渡った天気のもと、数えで14歳になる中浦小佐々甚吾じんご(中浦ジュリアン)の元服式が行われた。 小佐々甚吾純吉である。 本来は純正の姉である幸の息子、幸若丸の元服式と同時... 2024.03.30 北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。 第622話 『織田家の聖アルメイダ大学卒業生と、在諫早大学生』 (1575/10/17) 天正四年九月十四日(1575/10/17) 岐阜城 6年前の永禄十二年に小佐々領へ向かった留学生のうち、大学の部の9名は卒業し、2年前に帰ってきていた。信長の命で『岐阜大学』を設立したのだ。 また彼らは、織田領内では小学・中学・高校とい... 2024.03.28 北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。 第619話 琉球王国、日本(小佐々)に冊封? 明西同盟成立と揺れ動く極東情勢(1575/2/20) 天正四年一月十日(1575/2/20) 諫早城 景轍てつ玄蘇は明・朝鮮・琉球・東南アジア・ポルトガル・スペイン他欧州など国外の渉外を管轄している責任者である。 「玄蘇よ、その琉球がいかがした?」 「は。いよいよもって琉球の明離れが著しく、明... 2024.03.24 北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。 第617話 対イスパニア戦略(1575/2/20) 天正四年一月十日(1575/2/20) 諫早城 「さてみんな、国内においてはおおよそ平和になった。奥州では大道寺家が同盟に加わり、北条の動きも抑えた。他の大名は参加の答えは来ていないが、敵対もせぬであろう。佐竹と宇都宮は知っての通りだ」 ... 2024.03.22 北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。 第614話 条件を出せる立場と出せない立場(1574/10/26) 天正三年十月十二日(1574/10/26) 交渉2日目 茂木城 北条氏と里見氏の間の和睦は、北条氏が里見氏に対して安房・上総・下総(千葉氏の佐倉城以東)の領有を認める事で成立した。もっとも下総に関しては書面上だけの事である。 それは氏政... 2024.03.19 北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。 第613話 もし戦わんとするならば、朝敵たるを覚悟すべし(1574/10/25) 天正三年十月十一日(1574/10/25) 茂木城 『もし戦わんとするならば、朝敵たるを覚悟すべし』 そういう空気が一瞬にして漂ったのだろう。 和睦の成立・不成立に関係なく、和議は進行することとなった。 「まず、和議を行う上での最も... 2024.03.18 北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。 第612話 難航、講和会議(1574/10/25) 天正三年十月十一日(1574/10/25) 北条勢は常陸方面軍と下野方面軍とに分かれ、同時に北上していた。 佐竹と宇都宮は同盟を結んでいたが、宇都宮は宿敵である那須家と北の蘆名、そして南の結城に包囲されており、連携がとれずに各個撃破され... 2024.03.17 北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。 第611話 小田原評定ならぬ小田原決定(1574/9/29) 天正三年九月十五日(1574/9/29) 小田原城 小田原城は、戦国時代最大級の全長9kmにおよぶ総構えが有名だが、この時にはまだ完成していない。 秀吉が行った天正十八年(1590)の小田原侵攻に備えるために構築されたのだ。 上杉謙信の小田... 2024.03.16 北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。 第610話 駿河~伊豆大島~安房航路(1574/9/24) 天正三年九月十日(1574/9/24) 七月の里見義弘による発議のあと、後方支援を受けられると分かった里見軍は、下総の北条勢の城へ襲いかかった。 もともと下総は、千葉氏を中心として他の国人衆がまとまっていたのだが、そこに先代の里見義... 2024.03.15 北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。 第609話 加賀と越中西部の自治について言問を行う(1574/9/17) 天正三年九月三日(1574/9/17) 5月に行われた合議において、越中の旧本願寺勢力の所領である礪波となみ郡については、当初畠山義慶よしのりの管轄下に置くのが良いのではないかとされたが、義慶は辞退した。 家臣からは要望があったようだが... 2024.03.14 北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。 第608話 織田海軍と小佐々海軍(1574/9/16) 天正三年九月二日(1574/9/16)志摩国 小佐々海軍連合艦隊は、深沢勝行大将の指揮の下、航行訓練もかねて8月3日に佐世保湊を出港した。 六分儀を製作し、誤差の少ない時計を完成させたとしても、まだ完全な日本近海の海図はない。 し... 2024.03.13 北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。 第605話 対北条戦略と対明経済戦略 天正三年七月二十五日(1574/8/11) 日ノ本大同盟合議所 「皆様、よろしいでしょうか?」 発言したのは里見家家老、正木左近大夫さこんのたいふ(従五位、左近衛将監さこんえのしょうげん)頼忠である。 大同盟合議所では、加盟している大名... 2024.03.10 北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え 第603話 石山本願寺包囲戦(1574/5/21) 天正三年五月一日(1574/5/21) 純久からの連絡を受けた純正の行動は早かった。 三好の淡路水軍を用いて木津川口を封鎖し、海上からの補給路を断ったのだ。摂津の三好軍も動員して北側を封鎖し、南側は織田領で逃げ場はない。 京都の独... 2024.03.08 内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え 第602話 東西本願寺と加賀、紀伊の服属(1574/5/11) 天正三年四月二十一日(1574/5/11) 太田和利三郎(治部少輔)政直や日高甲斐守喜、伊集院掃部助忠棟をはじめとした小佐々家外務省の渉外担当官は、多くを語らず、ただ聞かれた事のみを答えた。 これは可、これは非という形の説明に終始したの... 2024.03.07 内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え 第601話 本願寺、割れる? 大激論の末に 天正三年二月十三日(1574/3/6) 近江 比叡山延暦寺 越前の朝倉義景を滅ぼす前、元亀二年十一月に、信長は勅書に基づいて畿内の反織田勢力に和睦の条件を通達していた。 信長も各勢力が素直に応じるとは思ってはいなかったが、朝倉攻めのため... 2024.03.06 内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え 第600話 戦争と平和(1574/2/17) 天正三年一月二十六日(1574/2/17) 摂津 石山本願寺 「なんと! そのような事できようはずがない」 本願寺顕如は七里頼周の報告を聞き、鼻で笑うかのように言い放った。 「されど従わねば、われらは小佐々の敵となりますぞ」 「わかってお... 2024.03.05 内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え 第599話 加賀一向宗、騒乱の幕引き(1574/2/10) 天正三年一月十九日(1574/2/10) 加賀 「では三河守殿、どうあっても織田家との|諍《いさか》、弓を伏せて越前討ち入りを取りやめる気にはなりませぬか」 太田和利三郎政直はもう二刻(4時間)も話し込んでいる。それでも七里三河守|頼周《... 2024.03.04 内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え 第598話 バッタ型脱進機と壱式時計の完成。加賀侵攻の是非に関する合議 天正二年九月十日(1573/10/5) 肥前諫早城 時計製作研究所 織田主導の真の平等合議同盟というべき条件を書き連ねた条約締結に向け、光秀と虎盛が各国を回っている頃、肥前諫早城下にある時計製作研究所では一人の男が奮闘していた。 3年前の元... 2024.03.03 内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え 第597話 馬場信春の秘策と三十年後、五十年後を見据えて 天正二年九月十日(1573/10/5) 安芸日野山城 吉川元春居城 「殿、武田大膳大夫様が郎党、曽根九朗右衛門尉様がお見えにございます」 「うむ、通すが良い」 日野山城は中世山城でありながら、堀切や竪堀といった一般的な防御施設が見あたらな... 2024.03.02 内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第37話 『鯨組の復活とペニシリン』(1839/11/26) 天保十年十月二一日(1839/11/26) 肥前彼杵そのぎ郡 江島村 『深澤』ではなく『益富』と掲げられた屋敷では、見かけでは20歳になるかならないかという男が、他の男衆に声をかけながら作業を行っていた。 「御免候、こちらに深澤太郎殿はおら... 2024.03.02 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え 第595話 織田家の技術革新と加賀・紀伊問題 天正二年六月二十八日(1573/07/26) 志摩国答志郡とうしぐん 船津村 「ふふふ、壮観よの、嘉隆。あの一番大きな船はいかほどあるのだ?」 「は、大型の安宅船程はございましょうか。他の船は小早と関船の中ほどにございます。しめて十隻にあい... 2024.02.28 内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え 第593話 女真派遣団の帰国と蝦夷地開拓 天正二年四月十二日(1573/5/23) 諫早城 二年前の夏に始まった蝦夷地の開拓と入植は順調に進んでいた。 蝦夷地交易を独占的に任せている太田和屋弥次郎の交易船の運航とあわせて、人員の輸送も行われたのだ。 まずは大首長チパパタインの... 2024.02.25 内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え 第591話 北方探険艦隊の帰還と暗躍・北条氏政(1573/3/31) 天正二年二月十八日(1573/3/31) 肥前 諫早 「よう戻ってきたな三郎右衛門に清右衛門。大義であった」 北方探険艦隊司令の伊能三郎右衛門忠孝と副将の間宮清右衛門森蔵である。 2人は探検艦隊を率いて北海道を西岸から北上し、樺太を発見... 2024.02.22 内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え 第590話 信長の悪あがきと純正の妥協 天正二年 一月十七日(1573/02/19) 近江国蒲生郡 日ノ本大同盟合議所 「拒否権の儀、ならびにその他の題目についてもおおよそ得心しておる。然れど一つだけ、一つだけ発議いたしたい」 「なんでござろう」 信長は拒否権にしばりをつけら... 2024.02.21 内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え 第587話 織田信長と武田勝頼の密談会盟。軍事行動合議制の可否 天正二年 一月十四日(1573/02/16) 夜 近江国蒲生郡 武佐宿村 織田宿舎 「殿、いかがなさるおつもりですか?」 「左様、このままでは織田は完全に小佐々の下風に立ち、顔色をうかがわねばならなくなりますぞ」 光秀の言葉に秀吉が同調す... 2024.02.18 内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え 第586話 何が軍事行動か?その定義 天正二年 一月十四日(1573/02/16) 近江国蒲生郡 武佐宿村 小佐々織田合議所 年が明けて天正二年、純正は朝廷への新年の挨拶と義父への挨拶を終え、合議所にいた。藤子と娘の篤は二条晴良宅に預けている。 小佐々織田合議所という仮称だ... 2024.02.17 内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え 第585話 合議制による銭の力で日ノ本一統。(1572/12/05) 天正元年 十一月一日(1572/12/05) 諫早城 「すなわち知行ではなく、銭にて報いると?」 「その通り」 「然されど、銭の配分なり、いずれの大名に如何いかに銭をまわすかなど、後々差し障りがございませぬか?」 「無用じゃ」 純正には... 2024.02.16 内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第23話 『モリソン号警告についての幕府の見解と、聞役としての動き』(1837/9/14) 天保八年八月十五日(1837/9/14) 玖島くしま城 <次郎左衛門> 「次郎左衛門よ、もう傷の具合は良いのか」 「はは、おかげ様をもちまして、完治いたしましてございます」 俺は右肩をグルグル回してみせる。殿はニコニコ笑っているが、鷲之わ... 2024.02.15 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え 第584話 純正の大義名分と信長の大義名分(1572/12/05) 天正元年 十一月一日(1572/12/05) 諫早城 「さてみんな、集まってもらったのは他でもない。例の如く小佐々家の今後の基本方針と、織田・武田・徳川・浅井・畠山・里見に対する外交姿勢について論じたいからである」 集まった閣僚の表情は... 2024.02.15 内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え 第582話 房総の雄 里見佐馬頭義弘 天正元年(1572)九月二十八日 上総 久留里城 「殿! 安房勝山城より急使にございます!」 「なんじゃ、騒々しい。通せ」 上総久留里城主であり、安房と上総を治める里見佐馬頭さまのかみ義弘のもとに、安房国平郡勝山城より急ぎの知らせが入った... 2024.02.13 内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え 第581話 織田信長&徳川家康&浅井長政の野望 天正元年(1572)九月十一日 岐阜城 「さて、小佐々が謙信と軍いくさをしておる間、荷留と津留のみであるが、われらも助力いたした。その間、伊賀と紀伊において進展はあったか?」 「は、伊賀においては最低限の権益を与えることで服属をさせました。... 2024.02.12 内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第19話 『大村藩保守派の妬み』 天保八年 五月十五日(1837/6/17) |玖島《くしま》城 次郎左衛門武秋 「これは御家老様」 筆頭家老の大村五郎兵衛昌直は、家禄千四十石九斗二升取りだ。 その後に同じく、両家とよばれる一門の大村彦次郎友彰(八百四十六石九斗六升)が... 2024.02.11 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え 第580話 武田大膳大夫勝頼の野望 天正元年(1572)九月二日 甲斐 躑躅ヶ崎館 「わしは、其方そなた達あっての武田じゃと思うておる」 武田家第十七代当主で、甲斐源氏二十代目である武田勝頼は、重臣を前にそう言った。 馬場美濃守(信房)に山県三郎兵衛尉(昌景)、高坂弾正(... 2024.02.11 内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え 第579話 純正の同盟国の事情。畠山義慶と佐渡の儀。 天正元年(1572)八月十五日 能登 七尾城 発 修理大夫 宛 権中納言 秘メ……○▽■ぐしゃぐしゃぽい……。 平九郎、元気ですか? いや、最初は例の通信文で書こうとしたんだけど、あれ、いくら暗号っつったってダダ漏れでしょ?... 2024.02.10 内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え 第578話 松前異変 天正元年(1572)八月二日 京都 越後屋近江屋敷 組屋源四郎は気が気ではない。 屋敷の中で待たされてはいたものの、立ち上がっては座り、立ち上がっては座りで、室内をウロウロしている。 やがてゆっくりとした足音が聞こえると、障子があいた... 2024.02.09 内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く 第15話 『西洋学の大家、高島秋帆との出会い』 天保八年 三月二十六日(1837/4/30) 長崎会所(貿易所)調役(監査役)詰所 太田和次郎 「御免候! 御免候!」 先触れを派遣していたので留守はないはずだ。 昨日長崎について、1日だが旅の汚れを落とし、正装して訪問した。詰所は華美... 2024.02.07 転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え 第576話 オラニエ公、イスパニアの敗報を知る。 天正元年(1572)六月十六日 史実でいうところの元亀三年六月十六日、ユリウス暦1572年7月10日。 (現在の西暦=グレゴリオ暦は1582年に変更されます) オランダ、ネーデルランドと呼ばれる地域で、いわゆるオランダ独立戦争の真っ最中... 2024.02.07 内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え 第574話 上杉戦の反省と留学生の今後 少し遡って天正元年(1572) 三月三十日 諫早城 織田信忠 小佐々の殿様、権中納言様が上杉と軍いくさをなさっているさなか、春休みという事でわれらはいったん故郷へ帰り、元服を済ませた。 父は今年の三月が中学の終わりで、小佐々の領民は卒業... 2024.02.05 内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え 第573話 しばらくは内政に関わろう。技術開発の進捗状況。 天正元年(1572) 五月十五日 諫早城 ・反射炉 ・大砲 ・ライフル ・後装式 ・パーカッションロック……。 ・蒸気機関に蒸気船……。 純正は、ぱっと考えて出てくるものを羅列したが、そのほとんどが兵器に関わるものだった。 ... 2024.02.04 内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第570話 決着!上杉戦和睦交渉。大きく動く勢力図。 天正元年(1572) 四月十六日 富山城 口入れとはつまり、介入の事である。 越中はもとより、このまま謙信の勢力が増大すれば、加賀まで及ぶのはわかりきったことである。 また、背後の能登は、そのためには謙信の勢力下にある必要がある。 ... 2024.02.01 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第569話 難航する交渉と上杉小佐々代理戦争の余波 天正元年(1572) 四月十五日 富山城 「……他国に軍いくさに出ず、守るに要るだけの最も少なき軍旅を養えればよい、と分きたる(理解している)が、よろしいか」 利三郎のこの言葉が頭から離れない須田満親は、難航した初日を振り返って二日目... 2024.01.31 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第568話 フェリペ二世の世界戦略と庄川の戦いの結末へ 天正元年(1572) 四月十四日 イスパニア マドリード王宮 「それが……明のさらに東、ジパングの艦隊にございます」 「……使者よ、余は真実を申せと言ったのだ。……嘘やデタラメを申せと言うたのではないぞ!」 フェリペ二世は傍らにあったオ... 2024.01.30 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第566話 中止できず。人道支援と織田の評定。 天正元年(1572) 四月十四日 越後沖 霧島丸 「小佐々海軍、第四艦隊司令長官、佐々清左衛門にござる」 「上杉家家老、直江大和守にござる」 テーブルに向かい合って相対する二人に、珈琲が運ばれてきた。戦場で敵方の使者が来たというのに、余裕... 2024.01.28 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第565話 続く謙信の誤算と和睦への流れ 天正元年 四月十日 京都 大使館 「大使、関白様がお見えです」 大使館の近習が純久につげる。 「叔父上、これは……」 「うむ、昨日の和議の件に関しての事であろうな」 「……よし、お通ししろ」 ちょうど二人の時の来客であった。 純正は四... 2024.01.27 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第564話 和睦の題目と謙信の最後の秘策 天正元年 四月九日 京都 大使館 発 道雪 宛 権中納言 秘メ 上杉ヨリ 和睦ノ 申出 アリ 然レドモ 戦況 優位ニテ 御裁可 ナラビニ 題目ヲ 知ラサレタシ 秘メ ○四○六 「御屋形様、これは……」 「ふむ、和睦の申出であるな。必ず勝... 2024.01.26 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む 第563話 狭まる謙信包囲網 継戦か、和睦か? 天正元年 四月九日 京都 大使館 ここ数日、京都の大使館にいる純正のもとには、驚くべき報告が多数届いていた。 ・一日に第四艦隊が敗北。 ・七尾城の政変と小佐々水軍と上杉水軍との偶発的海戦。 ・上杉方である城生城の陥落と第二師団三千の... 2024.01.25 対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む