用心

転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第245話 『驚天動地』

安政七年二月十一日(1860/3/3) 江戸城 評定部屋 「何? 警護の数を増やせじゃと?」 「は、然様にございます。折から樺太でのロシアによる襲撃が起こっており、箝口令かんこうれいの甲斐かいなく市井に話が出回っているようでございます。然れ...
『邪馬壱国の壱与~1,769年の眠りから覚めた美女とおっさん。時代考証や設定などは完全無視です!~』

第22話 『鉄と帆船と大陸の話』

正元二年十一月十日(255/12/10⇔2024年6月16日21:00) 修一邸 「でもセンセ、ほんとに先生なのかよ……」  槍太(そうた)がジロジロと修一の頭のてっぺんからつま先までを見ていった。 「お前もホント用心深いね。嘘いってどうす...
『邪馬壱国の壱与~1,769年の眠りから覚めた美女とおっさん。時代考証や設定などは完全無視です!~』

第16話 『村の子供と長老』

正元二年十一月二日(255/12/2⇔2024年6月16日13:00) 已百支国いはきこく 宮田邑むら   比古那は慎重に洞窟の入り口に近づいた。  外の様子を窺うかがうと、二人の子供が木の枝を手に持ち、何かを探すように周囲を見回している。...
技術革新と内政の時、日本の内へ、外へ

第667話 『磯根崎沖海戦』(1579/4/30) 

天正八年四月五日(1579/4/30) 未一つ刻(1300) 上総竹岡湊沖~磯根崎沖 「艦橋-見張り」 「はい艦橋」 「右六十度、距離三○(3km・海軍ではメートル法基準)、小舟多数。南に向かっている」  見張りの報告を受けた艦長をはじめと...
北条と東北。明とスペイン、欧州情勢。

第647話 『長蛇の列とタブゴンの戦い』

天正七年五月三日 レイテ島南部 タブゴン  パパン! パパパパーン……。  タブゴン湾を見渡せる150mほどの丘の上から、散発的に銃撃が小佐々軍の偵察分隊に加えられている。しかし、幸いな事に距離は500mを超えているようだ。当たらない。  ...
内政拡充技術革新と新たなる大戦への備え

第603話 石山本願寺包囲戦(1574/5/21)

天正三年五月一日(1574/5/21)  純久からの連絡を受けた純正の行動は早かった。    三好の淡路水軍を用いて木津川口を封鎖し、海上からの補給路を断ったのだ。摂津の三好軍も動員して北側を封鎖し、南側は織田領で逃げ場はない。  京都の独...
転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く

第30話 『人生初の参勤交代』(1838/12/29)

天正九年十一月十三日(1838/12/29) <次郎左衛門>  4月にいきなり参勤交代への同行を命じられた俺は、条件を出した。  臣下の身分で主君に条件など、というのが普通かもしれないが、こればかりは願い出るしかなかったのだ。  その条件と...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第557話 島津軍の混乱 毘沙門天・上杉謙信は何処?

天正元年 四月五日 辰四つ刻(0830)能登 鹿島郡  「なんと……誠であったか……」 「はは、所口湊には数多の兵船があり、城下は無論の事、湊も上杉の兵で溢れておりました」  畠山義慶よしなりは阿尾城を襲った敵に備えるため、道雪本隊から離れ...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第556話 純正、婦負郡南部、新川郡南西部を服属させる

天正元年(元亀三年・1572) 四月五日 京都 大使館  発 敦賀信号所 宛 権中納言 複 治部少丞  秘メ 敦賀ニテ 数多ノ 兵船 アリ 帆ノ 紋二ヨリ 奈佐 毛利 小早川 村上 他 山陰 山陽ノ 船手衆 ト 認ム 秘メ  発 権中納言 ...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第554話 上杉謙信に後手後手の小佐々純正。起死回生、なるか?

天正元年 四月四日 日本海 「(おい、誠に、これは同じ、海なのか?)……!」 「ははは! だらしねえなあ旦那! それでも同じ海賊か? こんなもん凪なぎだ!」 「やかましい! 何も言うておらぬではないか! いささか驚いておるだけじゃ! 軍いく...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第551話 信長の計略と上杉包囲網なるか?

天正元年 四月四日 京都 大使館  発 在能番所(能登所口湊) 宛 権中納言  秘メ 立花殿 出立 畠山殿 合力 越中へ 向カフ 秘メ ○三三○  秘メ 第四艦隊 出港後 帰港セズ ナホ 天気晴朗ナリ 秘メ ○三三一  発 越前堀江館 宛 ...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第549話 謙信を囲む

天正元年 四月三日 卯の一つ刻(0500) 庄川東岸(大門新村) 上杉軍本陣 小雨 「申し上げます! 一里(3.927km)南に敵多数! 川を渡ってございます!」 「何い! ? 馬鹿な! 夜のうちに渡ったと申すか?」  昨日、日没後から降り...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第546話 道雪と謙信。四月の庄川決戦~中盤戦へ

天正元年 四月二日 午二つ刻(1130) 庄川西岸(二塚村) 道雪本陣  戦闘開始から一刻(2時間)が経過し、放生津ほうじょうつ城からの伏兵と、それを防ぐために渡河した肝付・島津軍は乱戦となっていた。  伊東軍の先陣を包囲殲滅せんめつしよう...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第545話 悲報、伊東軍の苦戦と岩成友通の戦死。

天正元年 四月二日 巳みの三つ刻(1000) 庄川西岸(能町村) 島津本陣  伊東軍が上杉軍右翼三千と戦闘を開始して半刻(1時間)が経過していた。 「や! これは……まずい。急ぎ伝令を!」  庄川の西岸にある島津本陣から対岸の伊東軍の先陣が...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第539話 接舷乗艦と火矢攻撃、第四艦隊壊滅??

天正元年 四月一日 午一つ刻(1100) 立花道雪 陣中 「殿、杉浦壱岐守様がお見えです」 「何? 壱岐守殿が?」  九州の武士である道雪にとって、杉浦玄任(1517~)は見知らぬ人物である。道雪以外の、一番近い摂津三好衆にとっても知ってい...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第533話 上杉謙信とはどんなやつだ?以前武田信玄に聞いた事。

天正元年 三月三十日 甲斐 躑躅ヶ崎館 信玄居室(下に意訳あり)  なおなお 寒さの厳しい砌みぎり(時・頃)にて、心地ここちあやまる(体調不良・病気になる)事のなきよう、お祈り申し上げ候。  師走の候、武田大膳大夫(信玄)様におかれましては...
対上杉謙信 奥州東国をも巻き込む

第531話 風神・雷神。畠山義慶の苦悩と決断

天正元年(1572) 三月二十八日 京都 大使館  先日十三日の御申出、石山の御坊の御意趣(石山本願寺の意向)にも沿うものにて、お受け致したく存じ候。  以後は幾久しく誼よしみを通わし、盛んに商いを行いたく存じ候。  さて、権中納言様(純正...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第471話 五畿七道から五畿八道へ。蝦夷地開拓事始め。

遡って元亀二年 七月十九日 蝦夷国 松前 「夏だというのに……まったく暑くありませんね。旦那様」 「そうだな、藤兵衛。まあ、これだけ北に来ればそうなるのだろうな。私にとってもここまで北に来るのは初めてなのだ」  九州の肥前から蝦夷地の松前に...
第2.5次信長包囲網と迫り来る陰

第464話 異国との交錯と得体の知れない小佐々家の存在

元亀二年 七月十二日 小笠原諸島 父島 「隊長! 何を言っているんだ! ? こいつらが俺たちの船を沈めたんだ! 敵だ! 敵は殺さなければならない!」  いったい何を言っているんだ?   守備隊長のフェルナンド・アルバレス・デ・トレドはもとよ...
北九州を二分する 二つの二虎競食の計

第159話 対信長外交団②

永禄十年 十一月 堺湊 鍋島直茂  堺湊についた。少しだけ、寒い。コタツが恋しくなる季節です。コタツは小佐々の名物ではないか。  なぜ商品化して売っていないのだろう? 冬場だけだからか? もっと北にいけばもっと売れる。間違いない……。  京...
横瀬浦開港 敵が味方 味方が敵に

第56話 本当にあった奴隷貿易 姉川六太

沢森政忠 「は?」  成金がすっとんきょうな声をあげた。 「は? ではない。いくらだ? と聞いておるのだ」 「ま、まさかお買いになるので?」 「なんだ、お前は人買いではないのか? 誰に売るつもりだったのだ?」 「へえ。南蛮の商人が買うと聞き...
二島五ヶ村の領主 無双≠生き延び スタート

第26話 転生人から674石の領主へ

家督をついだ。実感は、あまりない。儀式は滞りなく終わった。小佐々の殿様にも家督相続の報告に行ったが、喜んでくれた。親父が存命中だから、てっきり相続前に反対するかと思っていた。  ……親父め、裏から手をまわしやがったな。  親父とはあれから、...